魔法のスターマジカルエミ
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魔法のスターマジカルエミ


ジャンル魔法少女アニメ
アニメ
監督安濃高志
シリーズ構成小西川博、渡辺麻実
キャラクターデザイン岸義之
音楽奥慶一
アニメーション制作スタジオぴえろ
放送局日本テレビ
放送期間1985年6月7日 - 1986年2月28日
話数全38話
OVA:魔法のスターマジカルエミ 蝉時雨
監督安濃高志
アニメーション制作スタジオぴえろ
発売日1986年9月21日
シリーズ作品


ぴえろ魔法少女シリーズ

第1作 魔法の天使クリィミーマミ

第2作 魔法の妖精ペルシャ

第4作 魔法のアイドルパステルユーミ

第5作 魔法のステージファンシーララ


テンプレート - ノート

『魔法のスターマジカルエミ』(まほうのスター マジカルエミ)は、日本テレビNNNNNS)系列で1985年6月7日から1986年2月28日まで全38話が放送されたテレビアニメ
概要

魔法の天使クリィミーマミ』、『魔法の妖精ペルシャ』に続く、スタジオぴえろ(ぴえろ)制作による「ぴえろ魔法少女シリーズ」の第3弾。監督・安濃高志の代表作の一つでもある。

マジシャン志望の不器用な女の子・香月舞が、鏡の妖精トポと出会い、魔法で天才マジシャン「マジカルエミ」に変身し、華麗で大胆なマジックと歌でアイドルとして活躍する、というお話。

本作品は完全なオリジナル企画であり、原作は存在しない。基本的な構成は『マミ』の路線に立ち返り、主人公が魔法の力で変身してスターになるというプロットを踏襲して主役の声優も新人歌手が起用された。

一方、シナリオ面ではこれまで以上に物語の日常性が重視され、前2作の後半から重視されるようになった主人公の内面や周囲の人々の心象風景の描写を、より深く突き詰めた作風となった。そのため、従来の作品にみられたドラマ性や魔法が持つ劇中での役割が本作ではかなり希薄化している。主人公を取り巻く人間模様に関しても対立する敵やライバルは存在せず、ドラマ性をひたすら排除して主人公とその周囲の人間模様と日常を中心に描いている点に大きな特色があり、キャラクターの表情や動きをデフォルメして感情表現する手法や心情や状況説明をセリフで行うといったこともほとんどない。

また、日常を掘り下げて描けば描くほど、非日常的な存在である魔法の意味は失われ、最終3話(第36話?)では、淡々とした日常の積み重ねによって各キャラクターの成長を描き出し、主人公の舞が精神的に自立していく過程が描かれた。

最終的に主人公自身の意思で魔法を放棄するという結末で物語が締めくくられる。
ストーリー

香月 舞はマジシャンを夢見る小学五年生の少女。祖父が主宰するマジック劇団「マジカラット」の手伝いをしており自身もマジックに親しんでいるが、生来の不器用さが災いし、なかなかマジシャンとはいかない感じ。

こてまり台への引っ越の最中、偶然鏡の妖精・トポと出会った舞は「願いの叶う魔法」をもらった。そして、魔法のブレスレットで天才マジシャン「マジカルエミ」に変身し、トラブルで騒ぎが起きていたマジカラットの舞台に上がり魔法で魅せるマジックで観客を魅了してショーを成功させる。そして、たまたま、このステージを見ていたテレビ局のプロデューサーにエミはテレビに出演させられ、そのままアイドルデビューさせられてしまう。こうして、普通の小学生とアイドル「マジカルエミ」という忙しい生活が始まる。

月日は流れ、マジカラットの主催により若手マジシャンを対象としたマジックの祭典エミリー賞が開催されることになった。マジカラットの若手メンバーに加えエミも出場することになるが、魔法の力によって当たり前のように大賞を獲得したことに舞はなんの感慨も見出せず、悶々とした日々を送るようになる。そんな中、稀代の天才と謳われた憧れの女性マジシャン「エミリー・ハウエル」の舞台を収めたフィルム映像を見る機会に恵まれた舞は、彼女が天才ではなく努力によって一流に上り詰めた人物であったことを知る。それをきっかけに、一流のマジシャンになる夢を自分自身の力で叶えるべく、舞は魔法をトポに返す決意を固めていく。

そして大賞受賞記念の公演会を最後に、エミは永遠に人々の前から姿を消す。そしてそれは、トポとの別れも意味していた。
魔法

トポの説明では願いがかなう魔法とされ、舞は自分の理想像である天才マジシャンに変身することを望んだ。

「プリット」と呪文の頭を唱えるとブレスレット型の「ハートブレス」からステッキ型の「ハートブローム」が現れ、それを振り回しながら「パラリン リリカル パラポラ マジカル?」と呪文を唱えることでマジカルエミに変身する。

この変身シーンはバンクシステムを用いており、毎回使用された。

変身後も舞の意識はそのままであり、性格や口調もあまり変わらない。またマジカルエミはあくまでも舞の理想像であり、成長した将来の姿を示すものではない。OVA『蝉時雨』の冒頭でそのことが示される。

変身後はあらゆる効果の魔法を呪文や小道具なしで使うことができた。マジックの体裁を取っていたため、人前で自由に使うことができた点が最大の特徴である。

魔法を使うことに対する制約は特になく、変身する姿を他人に見られた場合のペナルティも語られていない。『マミ』や『ペルシャ』にあったような、変身を見られたことによるトラブルもなかった。放送前に一部のアニメ誌に掲載されたキャラクター紹介では弟の岬が変身を目撃するとあり[1]、ぴえろ公式サイトのキャラクター紹介にはこの初期設定がそのまま掲載されているが、結局そのような話は作られなかった。ただし、舞が家族に秘密を明かしそうになると、トポが邪魔をしたことはある。

万能かつ非常に強力な魔法だったために舞は魔法に頼ることに疑問を抱くようになり、最終的にはそれを捨て去って自分の力で一流のマジシャンになる道を選んだ。
登場人物
舞とその家族、友人など
香月 舞(かづき まい)
- 小幡洋子久川綾(OVA『雲光る』)本作の主人公。こてまり学園の小学部に通う11歳の少女。亜麻色のショートカットが特徴的な、活発で元気あふれる少女。マジックが大好きだが、父親から受け継いでしまった生来の不器用さから手先がついて行かず、腕は未熟そのもの。憧れのエミリー・ハウエルのようなマジシャンになりたいと思う彼女は、鏡の精・トポから魔法を授かることで自分の理想像である「マジカルエミ」に変身できるようになった。中森家に引っ越してきた高校生・結城将に淡い恋心を抱くようになる。クラスメイトの武蔵からは好意を持たれているが、本人は全く気付いていない。
マジカルエミ
舞の変身した姿で、エミの名は舞の憧れのマジシャン、エミリー・ハウエルにちなむ。謎の天才マジシャンとして突如現れ、失敗寸前だったマジカラットの公演を無事成功させる。そこに偶然居合わせた小金井にスター性を見いだされ芸能界デビュー、マジカラットの花形スターとなる。変身後はスタイル抜群の女性の姿となり、髪の色もエメラルド色に変化し、黄色い大きなリボンを結んでいる。口調もやや変化し舞のときよりも落ち着いたお姉さんとして振舞っているが、精神は子供のままであるため時に不自然な言動をすることもあった[注 1]。舞はマジカラットのメンバーに対し、「自分はエミの知り合いで、連絡を取れるのは自分だけ」と説明している。第20話でエミの年齢は16歳と言及されており、公式サイトのキャラクター紹介でも16歳となっている。
トポ
声 - 龍田直樹鏡の国から来た妖精で、マジカルエミに変身可能なブレスレット「ハートブレス」を舞に授けた。本来は光球のような姿で、鏡に憑依しているが、その状態で光を放つため、舞に眩しいと指摘され、やむなくピンク色をしたぬいぐるみのモモンガに憑依して以来、この姿で舞と行動をともにしている。作中では岬によくおもちゃ代わりにされ、毎度酷い目に遭っている。突如ぬいぐるみがしゃべって動き出すことを周りの人間が不思議に思う描写はなかった。後輩の妖精にはピラミー(声 - 菅谷政子)がおり、ピンク色のオウムのぬいぐるみに憑依した姿で25話で登場。トポはこれまでの働き振りをチェックされ、妖精として失格とされたために舞と引き離されそうになったが、舞自身が(この時点では)別れたくなかったため事なきを得た。
香月 順一(かづき じゅんいち)
声 - 納谷六朗舞の父で36歳。クッキー屋「コンガール」の店主。マジックが嫌いなのか、理解も興味も一切無く、舞や岬がマジカラットに関わることにも常に激怒している。当時、マジカラットの花形スターだった陽子に「マジカラットを引退し、マジックに一切手を出さないこと」を結婚の条件として突き付けていた。この為、隙あらば舞台に上がろうとする陽子には頭痛が絶えない。クッキー作りの腕は一流なのだが、それ以外が恐ろしく不器用で、この不器用さが見事なほど舞に受け継がれてしまう。
香月 陽子(かづき ようこ)
声 - 青木菜奈舞の母で34歳。元はマジカラットの花形スターで、結婚を機に引退(実情は順一が結婚の条件に引退を言い渡していた)し現在はコンガールを手伝っている。だが、未だにマジックには未練があるらしく舞台に上がろうとしては順一を冷や冷やさせており、舞が体調不良でワンマンショーに出られないと聞いた際には自分が代役を引き受けると言って張り切っていた(14話)。
香月 岬(かづき みさき)
声 - 三田ゆう子舞の弟で4歳。まだうまくしゃべれないため、語尾に「でしゅ」とつけて話す。舞は「みーちゃん」と呼んでいる。『雲光る』では、彼の誕生する前後の香月家が描かれている。
結城 将(ゆうき しょう)
声 - 水島裕こてまり学園高等部に通う16歳の高校生で、舞の従兄にあたる。マジシャンである両親がアメリカに移住したのを機に、舞の祖父母である中森夫妻の家に居候している。舞にとっては兄貴分であり、彼もまた彼女を妹のように扱っている。舞の家庭教師として夏休みの宿題を手伝ったこともある(13話)。マジカラット団員ではないが、舞台照明などの手伝いも行う。はにかみ屋な性格が災いして初対面の人間には大抵無愛想に接してしまう。エミのことが気になっているようだが、作中ではあまり描写されていない。幼少時より両親からマジックを仕込まれたこともあり腕はなかなかだが半ば強制的にやらされていたこともあり、マジックを毛嫌いしている。ボクシングに情熱を燃やしており、舞に対し「(ボクシングは)舞にとってのマジックのようなもの」と語っている。他校のボクサー・真田 慎吾(さなだ しんご、声 - 大山尚雄)とはライバル関係にあるが、善戦するものの彼に勝つことはなかった。
小金井 武蔵(こがねい むさし)
声 - 伊倉一恵ジャパンTVプロデューサー・小金井滋の息子で、舞のクラスメイト。父親とは対照的に細めの体型でいわゆるメガネ君である。


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