テレビドラマについては「鬼平犯科帳 (テレビドラマ)」を、映画については「鬼平犯科帳 劇場版」をご覧ください。
鬼平犯科帳
ジャンル時代劇
小説
著者池波正太郎
出版社文藝春秋
掲載誌オール讀物
レーベル文春文庫(文庫版のみ)
刊行期間1967年 - 1989年
巻数単行本:全20巻(本編19巻+番外編1巻)
文庫版:全25巻(本編24巻+番外編1巻)
話数全135作
その他作者の死去により未完
漫画
原作・原案など池波正太郎
作画さいとう・たかを
出版社文藝春秋(単行本)
リイド社(文庫版、ワイド版)
掲載誌コミック乱
レーベル文春時代コミックス(単行本)
SPコミックス(ワイド版)
SPコミックスインパクト(文庫版)
発表期間1993年 -
巻数単行本:既刊121巻(2024年4月現在)
ワイド版:既刊61巻(2024年1月現在)
文庫版:既刊76巻(2024年3月現在)
アニメ:鬼平
原作池波正太郎
監督宮繁之
脚本あべ美佳、村越繁、稲本達郎
水上清資、加藤綾子
キャラクターデザイン宮繁之
音楽田中公平、川村竜
アニメーション制作スタジオM2
製作「TVシリーズ鬼平」製作委員会
放送局テレビ東京系列ほか
放送期間2017年1月 - 4月
話数全13話
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プロジェクト漫画・アニメ
ポータル文学・漫画・アニメ
『鬼平犯科帳』(おにへいはんかちょう)は、池波正太郎による日本の時代小説。略称は鬼平。
『オール讀物』に連載された。実在の人物である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物帳で、同じ池波作である『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』と並んで池波の代表作になっている。テレビドラマ化・映画化・舞台化・漫画化・テレビアニメ化されている。2021年2月時点で累計発行部数は3000万部を突破している[1]。 元々、池波は後述のように、第1作発表以前から長谷川平蔵を主人公とする時代小説を書こうと考えていたが、諸般の事情で実現していなかった。 『オール讀物』1967年12月号に、長谷川平蔵が登場する単発物として「浅草・御厩河岸」が発表された時、担当編集者の花田紀凱に、池波が連載したい旨を伝えたところ、評判が良かったために次号から同誌の巻末を飾る作品としてシリーズ化された(単行本収録時には順番を入れ替えている)。「鬼平犯科帳」の題名が付されるようになったのは翌1968年1月号掲載の「唖の十蔵」からである。題名を考案したのは花田で、幾つかの案の中から、当時池波が属していた時代小説研究会「新鷹会」で評判になっていた森永種夫の『犯科帳』(岩波新書)から思いついてつけたものを池波が気に入り、この題名となった[2]。当時同誌の編集長・杉村友一は、師の折口信夫の教えにより、折口が愛読していた野村胡堂の『銭形平次捕物控』のように、雑誌の巻末にあって『オール讀物』の顔となり、読み進んでも読者が失望しないような長期連載の作品が必要だと考えていた。「浅草・御厩河岸」の好評により、杉村は『鬼平犯科帳』の長期連載を池波に要望した[3]。こうして、長期にわたる時代小説の連載が行われたのである。 なお、テレビ版製作にあたっては原作をドラマ化するのみに限り、小説を使い尽くしたらそこで打切るようにというのが作者の意向であった[4]。 1968年には文藝春秋から最初の単行本が刊行された。全部で135作で、ほか番外編が1作ある。このうち5作が長編、残りの130作が短編作品である。未完に終ったのは最後の『誘拐』1作のみで、これは作者急逝のためである(「浪人 神谷勝平」の章、神谷が突き出されるように外に出るシーンで途切れ、「作者逝去のため未完」の文が添えられている)。現在は文春文庫に収められ、全24巻(新装版)で刊行されている。 「鬼平犯科帳」がオール読物に連載される前から、池波は長谷川平蔵という人物に興味を持ち、史料を調べ、何度か小説にしている。池波自身の回想や西尾忠久らの調査を元に時系列にそって記すと、 後にドラマ化された際には1960年から書かれた、「鬼平外伝」といわれる一連の小説群[注 3]も原作として同様に扱われた。これはドラマ化された時、『鬼平犯科帳』にまだドラマシリーズの原作として十分な量がなく、オリジナルの脚本を作る必要があったため、プロデューサーの市川久夫と池波の協議で決まったものである。
概要
発表まで
1935年頃、当時勤務していた株屋の仕事で知り合った元盗賊の頭から色々な江戸時代の盗賊について話を聞く。
1948年、長谷川伸に弟子入りし、江戸時代の歴史や風俗について学ぶ。
1953年頃、長谷川の蔵書だった『寛政重修諸家譜』を読み、初めて長谷川平蔵という人物を知るが、この頃の自己の文章能力では書けないと思い、メモを作成して構想をねり続ける[5]。
1955年、諸家譜を古書店で入手する。20万円(大卒初任給が4万円程度だったので、現在の貨幣価値に直すと100万円程度か)。以前から欲しいと思っていた池波も覚悟を決めての購入であったようである。
1960年、直木賞受賞。この頃、長谷川平蔵が登場する小説「看板」[注 1]・『江戸怪盗記』や、徳川家康関係の忍者小説を多数執筆、各種雑誌に発表する。『孫子』の「用間篇」から、長谷川平蔵が元盗賊の密偵を使う捕物帳の構想を思いついたと推測される。また、徳川家康の家臣酒井忠次(酒井小平次)から脇役の「沢田小平次」を思いつく[注 2]。
1967年、『鬼平犯科帳』連載開始。
1969年10月7日、『鬼平犯科帳』テレビドラマ化。