『鬱』
ピンク・フロイド の スタジオ・アルバム
リリース1987年9月8日
録音1986年10月-1987年1月
ジャンルプログレッシブ・ロック
時間51分03秒
レーベルEMI
コロムビア
プロデュースデヴィッド・ギルモア & ボブ・エズリン
専門評論家によるレビュー
Allmusic link
ファイナル・カット
(1983年)鬱
(1987年)光?PERFECT LIVE!
(1988年)
『鬱』収録のシングル
「幻の翼」
リリース: 1987年9月14日
「理性喪失(One Slip)」
リリース: 1988年6月13日
ミュージックビデオ
「Learning To Fly」 - YouTube
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『鬱』(うつ、A Momentary Lapse of Reason)は、1987年に発表されたピンク・フロイドのアルバム。ロジャー・ウォーターズ脱退とバンド再始動をめぐる裁判を経て発売された。新生フロイドの第一弾アルバムとして、大きな注目を集めた作品である。邦題表記は2009年スペシャルプライス盤から『モメンタリー・ラプス・オブ・リーズン』に変更された。原題の意味は「一時的な理性喪失」。 前作『ファイナル・カット』発表後の1985年、ウォーターズが正式にピンク・フロイドを脱退。デヴィッド・ギルモアとニック・メイスンはバンドの存続を表明。新作のレコーディングに入ることを発表した。 しかし、自分自身こそがピンク・フロイドであると考えていたウォーターズはそのことを認めず、「ピンク・フロイド」という名称を使用しないよう訴え、裁判を起こした。結局は、フロイド側がウォーターズ側に対して使用料を支払うこと、『ザ・ウォール』の権利をウォーターズ側が独占的に保有することなどを条件として和解し、ギルモア主導の形でピンク・フロイドが始動することになった。 ピンク・フロイド名義ではあるが、多くのサポート・ミュージシャンが参加して制作された。主な顔ぶれは、トニー・レヴィン(ベース)、カーマイン・アピス(ドラム)、ジム・ケルトナー(ドラム)などである。それまでの大作主義やコンセプト思考は捨て、いずれもコンパクトな楽曲が並んでいる。音楽的には1970年代のようなプログレッシブ・ロックへのアプローチを主体とするが、同時代的なサウンドとの折衷もみられる。また、プロデューサーとして名を連ねているボブ・エズリンと『ザ・ウォール』(1979年)以来のタッグを組んでおり、新生フロイドのサウンド・メイキングに貢献している。 作詞を担当していたウォーターズがいなくなり、バンドのリーダーとなったギルモアが詞も書くことになったが、それまで詞をあまり書いてこなかったので大いに苦労したという。作詞に関してはロジャーに似たシニカルで批判的な詩作を行うアンソニー・ムーア(元スラップ・ハッピー)の協力を仰ぐことで解決した。 この時点ではデヴィッド・ギルモアとニック・メイスンの2人がバンドの正式なメンバーだった。リチャード・ライトはサポート・ミュージシャン名義でツアーに参加している。当時は否定したものの、後にギルモアは当時メイスンとライトはレコーディングではほとんど演奏しておらず、自分と参加したミュージシャンの演奏によるものだと認めている。 このアルバムからストーム・ソーガソン(ヒプノシス)がピンク・フロイドのジャケット・デザインに復帰。ジャケットの「ベッドの川」は、CGではなく実際に700以上のベッドをイギリスのデボン州ソーントン・サンドの海岸に並べたものである。 ソーガソンによると、ようやく大量のベッドを並び終えたと思ったら雨が降り出し、慌ててベッドを回収して、もう一度並べ直すはめになったという。このときのことを振り返り「悪夢だったよ」と話している。 ギルモア主導のフロイドに対して、ロジャー・ウォーターズはこのアルバムを「非常に精巧に作られたピンク・フロイドの贋作」と切り捨てた。ローリング・ストーン誌など、否定的に捉えるメディアも多かった。 しかし、アルバムは全英・全米3位という大ヒットを記録した。アルバム発表後のワールド・ツアーも成功を収め(後にライブ盤とビデオも発売)、好評だったことから追加公演が決定し、1989年までロング・ツアーを行った。また、1988年には3度目の来日公演を果たしている。現在のところ、ピンク・フロイドとしては最後の日本公演となっている。
活動再開までの道
アルバム概要
アルバム・ジャケット
評価
収録トラックCD#タイトル作詞・作曲時間
1.「生命の動向(Signs Of Life)」(Instrumental)Gilmour、Ezrin4:23
2.「幻の翼(Learning To Fly)」Gilmour、Moore
3.「戦争の犬たち(The Dogs Of War)」Gilmour、Moore6:03
4.「理性喪失(One Slip
5.「現実との差異(On The Turning Away)」Gilmour、Moore5:41
6.「空虚なスクリーン(Yet Another Movie)」Gilmour、Leonard
7.「輪転(Round And Around)」Gilmour1:13
8.「ニュー・マシーン PART 1(A New Machine Part 1)」Gilmour1:45
9.「末梢神経の凍結(Terminal Frost)」Gilmour6:15
10.「ニュー・マシーン PART 2(A New Machine Part 2)」Gilmour0:39
11.「時のない世界(Sorrow)」Gilmour8:46
合計時間:51:03
外部リンク
A Momentary Lapse Of Reason - Discogs (発売一覧)
表
話
編
歴
ピンク・フロイド
シド・バレット | デヴィッド・ギルモア | ニック・メイスン | ロジャー・ウォーターズ | リチャード・ライト
スタジオ・アルバム
夜明けの口笛吹き | 神秘 | ウマグマ | 原子心母 | おせっかい | 狂気 | 炎?あなたがここにいてほしい | アニマルズ | ザ・ウォール | ファイナル・カット | 鬱 | 対 | 永遠