高橋祐馬
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たかはし ゆうま
高橋 祐馬
本名高橋 祐馬
生年月日1980年
出生地
日本神奈川県鎌倉市
職業アニメーションプロデューサー
元宣伝プロデューサー
ジャンルアニメーション
主な作品
宣伝プロデューサー
化物語』シリーズ[1]
アイドルマスター』シリーズ[1]
Fate/Zero[1]制作プロデューサー
はたらく細胞[1]
君の膵臓をたべたい[1]
鬼滅の刃』シリーズ[1]

 受賞
日本アカデミー賞
最優秀アニメーション作品賞
2020年劇場版「鬼滅の刃」無限列車編
その他の賞

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高橋 祐馬(たかはし ゆうま、1980年 - )は、日本アニメプロデューサー、元アニメ宣伝プロデューサー。神奈川県鎌倉市出身。

株式会社アニプレックス 企画制作第1グループ企画制作部4課課長[2]
来歴

中学生の頃からアニメが好きであったという。TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』のファンであり、この作品を視聴した際にエンドロールにアニプレックスの前身の企業である「SME・ビジュアルワークス」という文字を見たことで、この企業に興味を持つ[3]

2003年、アニプレックスの採用試験を受けるも、大学を留年した影響で断念。その後、2004年に再び試験を受けて入社。アニプレックス入社後は、制作部門にてアシスタントプロデューサーを務める[4]

2006年2月、第2企画制作グループ宣伝部に異動。アシスタントとして宣伝業務を学んだ後、2007年より宣伝プロデューサーとしてアニプレックス作品の広報活動の多くに関わる。2011年までに宣伝部チーフに昇進している[4][5]

2017年4月、宣伝部から企画制作グループ企画制作部6課に異動。課長に就任したほか、プロデューサーとして作品に関わるようになる[2]

2019年2月19日からは企画制作第1グループ企画制作部4課に異動し、課長に就任した[2]
人物

入社当初は制作部のアシスタントプロデューサーとして、『R.O.D -THE TV-』や『焼きたて!!ジャぱん』の制作アシスタント、『シティーハンター』のコンプリートDVD-BOX『CITY HUNTER COMPLETE』の制作に関わり、各作品のプロデューサーの下で各所への業務連絡や素材の管理、DVDパッケージ制作などのアシスタント業務をこなしていた。しかし、高橋曰く、自身の力量不足で仕事が上手くいかないことが多かったという[5]
宣伝マンとして

2006年2月に第2企画制作グループ宣伝部に転属して以降、同宣伝部が担当する作品の宣伝・マーケティングを11年間担当してきた。担当作品はアニプレックスの子会社であるA-1 Pictures制作作品のほか、ufotableシャフトが制作するアニプレックス作品を多く担当している。担当作品では、『TYPE-MOON× ufotable プロジェクト』や『〈物語〉シリーズ』『アイドルマスターシリーズ』など多くのヒット作やプロジェクトを担当した。そのため、アニプレックスの名物宣伝マンとして知られており、彼が宣伝を担当した作品のアニメファンからは『ゆま』『ユマス』という愛称で呼ばれることが多かった[4]

2006年2月に宣伝部に異動となりアシスタントとして宣伝業務を学んだ高橋は、2007年1月、宣伝プロデューサーとしてTVアニメ『ひだまりスケッチ』にて初めて一人で宣伝を担当することになる。しかし、同年2月に開催された主演声優陣と多数の一般参加者がいるイベントにて、当時高橋が使用していたノートパソコンのデスクトップ画面をアニプレックスとは無関係の作品である『BLACK LAGOON』の壁紙にしたまま会場のスクリーンに映し出してしまうミスをしてしまう。だが、このハプニングに会場やイベント後のネットの反応が盛り上がったことをきっかけにアニメ作品の楽しみ方の新たな側面を垣間見た高橋は「スタンダードな直球以外に変化球を投げるにはどうすればよいのか」を意識した宣伝戦略を打ち始める[4]。また、「ひだまりスケッチ」では、第4期となる2012年に日本のアニメ業界では初となる通販番組「ひだまりスケッチ テレビショッピング」という企画を立ち上げ、番組MC。台本作成も担当する。企画のきっかけは本作の原作者である蒼樹うめと監督の新房昭之、キャラクターデザインの伊藤良明を含めた4人で座談会を開催した時に出た話題がきっかけとなり、高橋が企画した。高橋は関係各所や販売会社と密に連携を取り合い、実際に電話で注文できる体制を整えて、本物の通販番組と同様の体制で展開した。この取り組みはファンだけではなく業界内でも話題となった[6][5]

2007年12月、2作目の宣伝担当作品であり高橋自身としてもアニプレックスとしても初の劇場配給作品となった『劇場版 空の境界』シリーズでは伝奇物の作風から宣伝で遊びを入れることを控える戦略をとり、作風に合わせた戦略をとる方針を学ぶ。本作は当時では珍しい単館のみの上映方式であり、アニメスタジオufotableの初劇場作品ということもあり、来場者を多く呼び込むのが難しい方式であった。そこで高橋は通常のテレビアニメ作品と比べて宣伝の露出量を増やし、宣伝CMやポスターデザインを含め大作の雰囲気を持たせることに注力した。また、高橋ら製作委員会のメンバーは「同人小説版『空の境界』を同人誌即売会の会場で最初に買った6人が悲しむことのない、誇らしく思える空気作りをする。」ことを目指し、作品展開を「お祭り」と題して展開していった[4]。本作は最終的に上映館を40館まで増やし、2009年8月時点で全7章の観客動員数は約26万2000人、興行収入は約3億円、DVD出荷枚数は約75万枚、BDBBOXはBDランキングで総合2位、アニメ部門では首位にランクインする成果を上げた[7][8]。高橋はこの企画から発足した『TYPE-MOON × ufotable プロジェクト』の全てに関わる。

上記2作品で得た経験から、高橋は従来の業界内の宣伝手法としては異例な手法を多く取り入れるようになる。高橋は宣伝の仕事について「ファンがアニメ作品の情報を得られる様々な媒介を生み出す仕事」と語り、作品とファンの間に橋をかけることを大事にしていると語る。また、「宣伝をエンターテイメントに昇華させる」ことを目標に、宣伝も含め作品を楽しめる取り組みを多くしている[4]。高橋は初の担当作品であった『ひだまりスケッチ』と『劇場版 空の境界』の2作品を人生の転機になった作品と語り、宣伝における育ての父親は『空の境界』、母親は『ひだまりスケッチ』だと感じていると語る[5]

ネット上の反応については自身の担当作品についてはあまり確認せず、自身と無関係の作品の反応を確認するようにしている。これは、現状で視聴者が求めているもの、楽しんでいるものを見つけて次の一手を打つため。高橋自身は宣伝にオリジナルのアイデアはもう存在しないと考えており、残されたアイデアの中から最適なものを試していくことを大切にしている。これを高橋は「カツカレー理論」と呼んでいる[9]

また、高橋は宣伝プロデューサーとして作品でトラブルが起きた際にファンに対して表舞台で謝罪をする立場にもあり、高橋個人が誹謗中傷を浴びることも少なくない。TVアニメ『化物語』の制作上で起きた納期トラブルによる配信延期の際には監督の新房昭之がブログ上で誹謗中傷を浴びる高橋をフォローする場面もあった[4]

アニメ『THE IDOLM@STER』及び『アイドルマスター シンデレラガールズ』では宣伝プロデューサーとして各種配信・イベントの司会進行を担当したほか、キャラクターたちが実際に様々な仕事を引き受ける「リアル765プロ企画」や「リアル346プロ企画」を企画した[10]

一時期、アニメ作品の宣伝において1作品のみで宣伝していくことに限界を感じた経験があり、その経緯からアニプレックスを含む12社の宣伝担当者が自社作品の情報を書き込む「アニメメーカー横断 宣伝マンブログ」を立ち上げた。
覇権アニメというワードの定着

高橋は各クールの放送期間で最も売れた新作アニメを指す「覇権アニメ」というワードを業界内に定着させた人物ともいわれている。「覇権」以外にも多くの類義語があったこのワードだが、2010年放送のテレビアニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のネット番組配信中に高橋が使用した「覇権」というワードがきっかけとなり、次第に業界内で統一されていったといわれている[11]


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