高橋名人の冒険島
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『高橋名人の冒険島』(たかはしめいじんのぼうけんじま)は、ハドソン1986年9月12日に発売したファミリーコンピュータゲームソフトで、高橋名人を主人公とした横スクロール型アクションゲーム

全シリーズ作品についてもここで記述する。
高橋名人の冒険島(第1作)

本作はエスケイプ(後のウエストン ビット エンタテインメント破産))が開発し、セガがアーケードゲームとして1986年に発売した『ワンダーボーイ』の移植版にあたり、キャラクターの差し替え、タイトルの変更などを行いファミコンとMSXで1986年9月12日に発売された。

松下進が手掛けたパッケージイラストにはキュラ大王がティナを掴んでいる姿や、高橋名人、ジグモ、コブラ、オクタ、バッサが描かれている。ヒロインのティナは水着姿のため、母親からいやらしいと思われるのではないかと当時ハドソンの社長であった工藤裕司が気を使ったため、一部がリボンで隠されている[1]

作曲は竹間淳が担当。

高橋名人の人気およびファミコンブームに乗り爆発的に売れ、日本国内での累計出荷本数は105万本に達した[2]。同年10月からは本作の世界観をベースに『Bugってハニー』としてテレビアニメ化されている。

また、2作目以降の『ワンダーボーイ』シリーズがモンスターワールドシリーズとしてアーケード、セガハードで展開していくのに対し、『高橋名人の冒険島』シリーズは1作目『ワンダーボーイ』を踏襲したシステムでPCエンジンや任天堂ハードで独自にシリーズ展開された。一方で、『ワンダーボーイ モンスターランド』は『ビックリマンワールド』(登場キャラクターを『ビックリマン』に変更)、『モンスターワールドII ドラゴンの罠』は『アドベンチャーアイランド』としてPCエンジンに移植され、ハドソンより発売された。

1988年にはNES版「Hudson's Adventure Island」として北米と欧州で発売されこちらもシリーズ化された。前述の『アドベンチャーアイランド』も海外で発売されたが、そちらのタイトルは「Dragon's Curse」となっていた。
『ワンダーボーイ』からの変更点

本作における変更点を以下に列挙する。一部の詳細は後述。

主人公のほか、ハチ→カラス、ダッコちゃん→ブタ(プータ)、死神→なすび、マルイのカード→コントローラなど、キャラクターの差し替え。

耐久力2の青いタコ(ブルーオクト)の追加。

BGMが一新され(ファミリーコンピュータ版)、海や洞窟面用の曲が加わった。

「隠しパネル」は「隠しタマゴ」に変更され、中身に岩を破壊できるマジカルファイヤーやバイタリティの上限が増えるレッドミルクなどが追加。ただし石オノによる出現が削除され、当該地点でのジャンプでしか出現しなくなったため、スケボーをつけている間は取れなくなった。

岩やタマゴに石オノを当てると、コブラが火を噴くようになった。

「ポテト」や「ハイビスカス」等の一部アイテム、ミルク取得時の1万点ボーナスの削除。

全体的にグラフィックパターンが減少。フルーツがランクアップしても得点の変化のみでグラフィックが変化しない。また、なすび(ワンダーボーイでの死神)のタマゴがまだら模様から白色無地になり、他と見分けがつかなくなった。

高得点のフルーツが並ぶボーナスステージが追加。

「ティナの落し物」が削除され、ボスを倒すだけでエリアがクリアできる。また、ボスの顔のパターンも異なる。

ボス戦に入るとバイタリティや得点の表示が消えるようになった。これに伴い、ボス戦ではバイタリティが減らなくなった。

「ドール(人形、通称こけし)」は「ポット(壺)」に差し替えられ、バイタリティボーナス2倍の効果のみに変更、すべて取得しなくてもエリア8に行ける。

隠しアイテム隠しコマンドによるコンティニューが追加。

ストーリー (第1作)

高橋名人の恋人ティナが、キュラ大王にさらわれてしまった。高橋名人は恋人を救出するため広大なステージに立ち向かう。ステージは8つのエリアに分かれ、さらにエリアごとに4つのラウンドに分かれ、さらにラウンドごとに4つのゾーンに分かれる。ティナはステージの最後でロープで縛られて、助けを待っている。
ルール

主人公の高橋名人が、敵キャラクターや障害物の焚き火・氷柱との接触、敵からの攻撃、穴や海に落ちるとミスになる。また、体力を表すバイタリティゲージが、一定時間が経過したり、岩につまづくと減っていき0になってもミスになる。ミスになった場合は残数が1つ減って、現在のラウンドの始めから(チェックポイントを通過した場合はそこから)再スタートになるが、残数が無くなってしまうとゲームオーバー

コンティニューアイテムである「ハチ助」はエリア1-1のゴール手前の隠しタマゴが出現する場所で、これを取ると何度でもコンティニューが出来るようになる。まさにこのゲームを完全攻略するためにとって重要なアイテムである。コンティニューの方法はゲームオーバー画面で十字キーを上下左右いずれかを押しながらスタートボタンを押すと出来る。コンティニューするとそのラウンドの最初から再開できる。

バイタリティゲージは、ステージ中に出現するフルーツなどを取ることで回復する。なお、通常の上限値は13であり、特定のアイテムを入手することで延長できる。

スコアが50000点、100000点、200000点を超える毎に主人公が1UPする。

高橋名人は最初は何も攻撃手段を持っていないが、所定の場所に配置してあったり、道中に落ちているタマゴを割って中から出現したりする武器を取って、投げることにより攻撃出来るようになる。

タマゴを割るには、それに触るか、その時持っている武器を2回当てる必要がある。タマゴの中には武器の他にも様々なアイテムやキャラクターが入っている。また、最初から画面上に出現していない「隠しタマゴ」も存在する。武器が地面に落ちる前に消える場所が「隠しタマゴ」の場所であり、その場所でジャンプするとタマゴが出てくる。

ただし、稀に上記の状態でも「隠しタマゴ」が出現しない場所があり、そこで更に武器を投げ続けると、画面下から雲が上がってきて、それに乗ってフルーツ(種類に関係なく全て一律の500点)が多数あるボーナスステージに行くことが出来る。ここでは穴に落ちてもミスにはならず、通常ステージの次のゾーンの始めまでワープする。

ゲームの舞台は8つのエリアに分類され、各エリア1-1、1-2…という様に1エリアを4ラウンドに分けてあり、全部で(8エリア×4ラウンド)の32面に構成されており、『スーパーマリオブラザーズ』や『スーパーチャイニーズ』に類似している。しかし本作品はこれらの作品と違い、ワープゾーンなどによる早道や近道もないため、合計32面を完全に駆け抜けなければならない。各エリアの1 - 3ラウンドでは、ゴール地点までたどり着けばそのままクリアとなるが、4ラウンドでは、最後に待ち構えるボスキャラクター「キュラ大王」との対戦になる。

キュラ大王は8つの頭を持っているが、弱点はその内の通常に見えている頭。そこに、各エリアごとに決められた数(1エリアでは8発。以降エリアが進むに連れて2発ずつ増え、最終の8エリアでは22発)の武器を打ち込むと、その頭を捨てて次のエリアの最後へと逃げていく。キュラ大王はエリアごとに頭のグラフィックが変わるが、攻撃方法が変化するわけではなく、移動速度と炎を投げてくる頻度と耐久力が変化するだけである。8つ全ての頭を撃破すると、力を失ったキュラ大王は崖の下へ落ちていき、恋人ティナを救出することができる。
アイテム (第1作)

アイテムは以下の3タイプに分けられる。効果の持続するアイテムは、ミスすると武器も含めすべて失う。説明書ではタマゴから出現するアイテムを「必勝グッズ」と称している。
あらかじめマップに配置されているアイテム
フルーツ
得点アイテム。更にバイタリティが1目盛回復する。
リンゴ(50点)、バナナ(50点)、ニンジン(100点)、トマト(100点)、メロン(200点)の5種類ある。出現後一定時間が経過すると、点滅して消えてしまう。
石オノ
基本的な攻撃アイテム。投げると放物線状に飛んでいき、地面に落ちると消える。2連射可能。岩に当たるとはじかれてしまう。
ポット
各ラウンドに必ず1つずつある得点アイテム(1000点)。特定の敵や障害物に体当たりしたり、特定の敵を特定の地点まで誘導すると出現する『隠れポット』もある。但し、ラウンド内で1度取ったあとは、ミスをしてその場所に戻っても出現しない。
コントローラ
コヨーテを自機より右側で倒すと出現する得点アイテム(1000点)。
固定タマゴより出現するアイテム

固定タマゴの中身は場所によって決まっており、武器を持っていないとき石オノに変化するものと、所定の中身のまま変わらないものがある。ただし各エリアの4ラウンドには蹴飛ばして割った場所により中身が変化する特殊なタマゴが存在する。
石オノ
先述のものと同じ効果。
スケボー
取るとプレイヤーの移動速度がアップするが、停止、バックが出来なくなり、事実上の強制スクロールとなる。その状態で敵や障害物に当たると、ミスにはならずに相討ちとなり、スケボーは消える。
ミルク
バイタリティゲージがその時のMax値まで回復する。
フラー
黄色い花。取ると以後、そのラウンド内でフルーツを取ったときに入る点数が2倍になる。
妖精ハニー
後方からついて来ることで無敵状態になり、敵や障害物に体当たりするだけで倒すことができる。一定時間経過すると去っていく。
悪魔ナスビ
後方からついて来ることで高橋名人のバイタリティが凄まじいスピードで減っていく。高橋名人自身がナスが嫌いであることに由来する。バイタリティゲージが2になると去っていく。逆を言えば、出現中にフルーツ等でバイタリティを回復しても、ゲージが2になるまで離れない。ナスビの入っている卵は他と同様固定で決まっているが、見た目では他の卵と見分けがつかないので、覚えるしかない。ゲーム後半ステージの明らかに取りやすい場所に卵が置いてある場合が多い。
隠しタマゴより出現するアイテム

隠しタマゴの中身は場所によって決まっておらず、ノーミスで取り続けることで変化していく(鍵とハチ助を除く)。
マジカルファイヤー
石オノの強化版にあたる、強力な攻撃アイテム。投げる武器が炎に変わり、岩を破壊できるようになる。射程も石オノより長い。
レッドミルク
プレイヤーのバイタリティゲージのMax値が16になり、さらに全回復する。


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