高光度青色変光星
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HR図スペクトル型YSOT Tauri型星Herbig Ae/Be型星褐色矮星準褐色矮星白色
矮星



準矮星B主系列星OBAFGK準巨星巨星バリウム星赤色
巨星
青色
巨星
輝巨星超巨星赤色
超巨星
LBVWR型星極超巨星


りゅうこつ座η星ピストル星かじき座S星

高光度青色変光星[1](こうこうどせいしょくへんこうせい、luminous blue variable[1], LBV[1])は、高光度の青色超巨星に見られる変光星。普段は長期に渡ってゆっくりとした変光を示すが、質量放出を起こし突発的に光度を変化させることもある。かじき座S型星(かじきざSがたせい)とも呼ばれる[1]
概要

高光度青色変光星(以降LBVと略す)は、青く非常に明るく輝いている恒星である。LBVの中には、光度太陽の数百万倍に達するものもある。これは宇宙全体で見ても最も明るい部類に入る恒星と考えられている。また、これだけのエネルギーを放射するためには、核融合反応が活発である必要があり、そのためには大きな質量を持っている必要がある。LBVの中には、質量が太陽の265倍に達するものもある。この質量は、理論上の恒星質量の上限に近い値である。ちなみに、この上限より大きい星は、激し過ぎる核融合により自重では抑制不可能な放射圧が発生するため、自らの恒星風で吹き飛んでしまうと考えられている。なお、LBVでも質量の流失は起きており、放出された物質が星の周囲に星雲として観測されることが多い。LBVに分類されるような巨大な恒星では、激しい核融合によって水素が速やかに失われるため、寿命は100万年から300万年程度と非常に短い。

現代の恒星進化論では、LBVは巨大な恒星が過剰な質量を失う段階と解釈されている[2]。このような爆発現象は、超新星ではないがIIn型超新星とスペクトル型が類似していることから擬似的超新星 (Supernova impostor) と呼ばれている。LBVはやがてウォルフ・ライエ星に進化し、最終的には超新星爆発を起こすと予想されている。LBV段階での質量の喪失が少なかった天体は、対不安定型超新星爆発という普通とは異なった超新星爆発を起こすと考えられている。
代表例

りゅうこつ座η星 - 太陽系に最も近く、最もよく研究されたLBV。

ピストル星 - 観測された恒星の中では最も明るいのではないかと考えられている。

LBV 1806-20 - ピストル星と並んで最も明るい可能性がある恒星とされる。

はくちょう座P星

かじき座S星 - 別名の「かじき座S型変光星」の由来となった天体。

さそり座ζ1星 - 隣のさそり座ζ2星と見かけの二重星を構成している。別名・グラフィアス。

HD 269858 (R127)

HD 269006 (R71)

りゅうこつ座AG星

Wray 17-96

アンドロメダ座AF星

アンドロメダ座AE星

HD 5980

サンデュリーク -69° 202a - 1987年に超新星爆発 (SN 1987A) を起こし消滅したLBV。

R136a1- 太陽の265倍と最大質量を持つ恒星

脚注[脚注の使い方]^ a b c d 『オックスフォード天文学辞典』(初版第1刷)朝倉書店、84、142頁頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-254-15017-2。 
^ Smith, Nathan & Owocki, Stanley (2006). “On the Role of Continuum-driven Eruptions in the Evolution of Very Massive Stars and Population III Stars”. Astrophysical Journal 645: L45. doi:10.1086/506523. https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2006ApJ...645L..45S?high=451e33df7e10366&data_type=HTML&format=&db_key=AST. 

関連項目

擬似的超新星

明るい恒星の一覧










変光星
爆発型変光星

原始星前主系列星

オリオン変光星

FU(オリオン座FU型星

IN

INA(ハービッグAe/Be型星

INB

INT(おうし座T型星



巨星
超巨星

SDOR(かじき座S型星)

RCB(かんむり座R型)

DYPer(ペルセウス座DY型(英語版))


黄色極超巨星

爆発連星

RS(りょうけん座RS型変光星

FSCMa(おおいぬ座FS型(英語版))

DPS(二重周期変光星(英語版))

その他

BE(Be星)

LERI(エリダヌス座ラムダ型(英語版))


GCAS(カシオペヤ座γ型

I(不規則

UV(閃光星

WR(ウォルフ・ライエ星


脈動変光星

CEP(ケフェイド変光星)


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