髄芽腫
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髄芽腫(ずいがしゅ、: medulloblastoma)は、神経系に発生する悪性腫瘍である。脳腫瘍の一つ。
定義(概念)

神経細胞グリア細胞(神経膠細胞)に分化する前の未熟な細胞に由来する悪性腫瘍である。一般的に神経膠腫の一種ではなく別個の疾患として取り扱われることが多い。

髄芽腫と類似の腫瘍として、原始神経外胚葉性腫瘍(PNET; primitive neuroectodermal tumor)がある。小脳と大脳を分けている膜を小脳テントと呼び、PNETはテントより上の部分に発生することが多く、このようなものをテント上PNETと呼び、松果体大脳などに発生することが多い(まれに中脳などに発生することもある)。一方、髄芽腫はテント下に位置する小脳に発生し、特に小脳の中央に存在する小脳虫部に多く見られる。

PNETと小脳に発生する髄芽腫は、病理学的には極めて類似しており、一時は発生部位が異るだけで同一の腫瘍と考えられたこともあるが、異常を起している遺伝子が異り、またPNETは髄芽腫より予後が悪いなどの相違点も明らかとなり、現在では異なる腫瘍と考えられている。しかし、治療法などには大きな相違がない。
病態

90%以上が小脳虫部に発生するほか、小脳半球にも発生することがある。腫瘍細胞は細胞質に乏しく、細胞密度が高くなる。ロゼット状に形成され、壊死巣が見られることがある。実験動物[パポバウイルスを接種することで人為的に髄芽腫を発生させられるので、ウイルスが発生に何らかの形で関与しているのではないかと考えられている。

大半が散発性のものであるが、(1)ゴーリン症候群(母斑性基底細胞癌症候群)、(2)青色ゴム乳首様母斑症候群、(3)ターコット症候群(例えば、 グリオーマポリポーシス症候群)、および(4)ルビンスタイン-テイビ症候群が見られる場合には遺伝性の条件が関連している。

髄液を介して中枢神経系播種(種を撒いたように広がる)転移する傾向があり、全身、特に骨に転移することがある。

髄芽腫の細胞起源については明らかとはなっていない。1つの仮説は腫瘍が小脳の外顆粒層細胞に由来しているとするものであり、もう一つの仮説は、髄芽腫の源は後部の髄帆であるとする。

髄芽腫で見られる最も一般的な遺伝子の異常は17qiである。これは17番染色体の長腕上の同腕染色体であり、髄芽腫の3分の1から3分の2で見られる。この部位の異常は白血病を含む他の腫瘍でも良く見られるものである。同腕染色体17qiに伴うのは、有名な癌抑制遺伝子P53遺伝子が位置している17番染色体の短腕(17p13.1)からの遺伝学的物質の欠落である。しかし、P53部分の欠落か損傷が髄芽腫ではまれであることが研究によって示されている。現在、17番染色体の短腕からの遺伝学的物質が、P53の機能に変調を来たしているのか、それともそれ自身にがん抑制遺伝子があるのかという点が研究されている。
疫学

小児に好発し、10歳以下の子どもに多く、15歳未満が約84%である。3、4歳が発症のピークである。20歳代でも稀に発生することがある。男女比は1.7:1と男性に多い。原発性脳腫瘍の1.2%、脳腫瘍全体では0.9%を占める。

小児悪性脳腫瘍の中で最も多く、小脳腫瘍の40%を占める。全国統計で小児の髄芽腫は年間40例-50例と言われているが、登録漏れの症例が多く、この倍の発生があるものと推測される。
症状

第四脳室を閉塞するため、水頭症による頭蓋内圧亢進症が見られる。具体的には特に朝の頭痛嘔吐である。鬱血乳頭、不機嫌と無気力などの症状も見られる。乳幼児は頭痛を訴えることが不可能なため、発見が遅れる可能性がある。頭蓋縫合線が開いている幼児では、頭囲の増加の所見が見られる。

水頭症により外転神経(第VI脳神経)が引っ張られると眼振外転神経麻痺複視などの局所症状も現れる。滑車神経(第IV脳神経)の麻痺によって、患者は首を傾げるしぐさをするようになる。

腫瘍が増大すると小脳にも障害をきたし、歩行障害などの小脳失調が見られるようになる。測定障害(運動を目的の場所で止めることができない障害)は、指鼻試験、すなわち、患者が自分の鼻を指で滞りなく触ることができるか試す試験などで診断される。
検査
CT

単純CTでは腫瘍が均質にやや高吸収域として小脳部位に造影される。造影剤を用いた造影CTでは腫瘍実質が均一に増強される。
核磁気共鳴画像法(MRI)髄芽種のMRI像。矢印のところに播種と思われる部位を認める

T1強調画像では腫瘍は低信号域となり、ガドリニウムにより著明に増強される。もっとも転移病巣の中には増強されないものある。これは、しばしばT2強調画像でただクモ膜下腔の歪んだ領域として、あるいはFLAIR画像や拡散強調画像で、異常なシグナルの領域として確認されるだけである。

髄芽腫は高頻度で脊髄にも播種し、かつ播種ある場合には治療内容が異なる(治療強度を高める必要がある)ため、MRIは必ず脊髄に対しても行われなければならない。

手術後にMRIを行う場合、術後炎症性変化と残存腫瘍とを区別するために手術の72時間以内に行われるべきである。
髄液細胞診

MRIが最も感受性の高い検査方法であるが(脊髄MRI検査で陽性となった患者の50%は無症候性であり、髄液細胞診では陰性である)、髄腔内転移が認められなくても、髄液細胞診で陽性となることもあるので、これが行われることがある。ただし、水頭症になっている場合は、髄液を採取するための腰椎穿刺脳ヘルニアを発生させる危険性があるので、慎重に判断される。

手術後の腰椎穿刺は、手術の結果拡散した臨床的には無意味な腫瘍細胞との混同を避けるため、一般に術後2週間まで延期すべきである。
骨シンチグラフィー

髄芽腫は骨にも転移することがあるので、骨シンチグラフィーによる検査も重要である。
診断

臨床症状から脳腫瘍を疑い、CTやMRIの結果を元に診断する。手術により摘出した腫瘍組織から、病理検査を行い、確定診断となる。症例の半分以下は、ホーマーライトロゼット(神経芽細胞のロゼット、偽ロゼットとも呼ばれる)があるが、神経の分化を示すシナプトフィジンに対して、これらのロゼットの中心は陽性に染色する。腫瘍細胞は切り株形、人参形を呈し、クロマチンの豊富な類円形核と極めて狭い細胞質を有し、多数の核分裂像がみられる。

髄芽腫の2つの著名なサブタイプとして、繊維形成性髄芽腫と大細胞髄芽腫(退形成性髄芽腫)がある。

繊維形成性髄芽腫は、レチクリンのない領域、そしてそれを取り巻いているレチクリン線維成分を含んでいる高度に細胞質で濃染の領域がある二相性腫瘍として現れる。レチクリンがない島において、シナプトフィジンとグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)で染色されることで、星状細胞と神経の分化があることがわかる。繊維形成性変異体と、癌抑制遺伝子PTCHの非活性化突然変異は関連がある。繊維形成性変異体は、小児では症例のたった15%であるのに対して、成人の症例では50%で発生しており、より一般的である。

大細胞髄芽腫は珍しいものであり、突起した核小体と豊富な細胞質を示す大きい核のある腫瘍細胞の特徴がある。細胞代謝回転の増加は、高い分裂指数、増加したアポトーシス(遺伝子にプログラムされた能動的な細胞死)と大きい壊死の領域によって示される。大細胞髄芽腫はMYC遺伝子の増幅と関連している。一般に繊維形成性髄芽腫は予後がよく、大細胞髄芽腫は予後が悪いとされる。

鑑別診断としては、上衣腫、星細胞腫、異形奇形腫様・類横紋筋腫瘍(AT/RT)などとの区別が問題になる。その病理診断によって、治療法や予後がかなり異なる可能性があるので、診断は非常に重要である。
治療

顕微鏡手術での腫瘍摘出が基本であるが、髄芽腫は周囲へと播種する特徴があるため、放射線療法化学療法との併用が基本となる。3歳以上では放射線を全脳および全脊髄に照射し、それに化学療法を併用するが、3歳未満では脳への障害を考慮して化学療法を優先する。
手術

腫瘍が発見され次第、通常は最初に手術が行われる。手術の目的は病理組織検査のための腫瘍組織を得ることと同時に可能なかぎり腫瘍をすべて摘出することである。


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