駅弁
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「駅弁」のその他の用法については「駅弁 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
群馬県・横川駅峠の釜めし北海道・森駅いかめし

駅弁(えきべん)は、鉄道駅で旅客向けに販売されている弁当である。
概説1902年(明治35年)の日本における駅弁販売光景

日本では1885年明治18年)7月16日栃木県宇都宮駅で販売されたおにぎりが初例である[1][2]とされるが、異説もある(「起源」参照)。

駅弁の持つ歴史や情緒などが好まれ、「各地の名物」として百貨店等で販売されることもある(元祖有名駅弁と全国うまいもの大会など[3]後述)。
起源

日本最古の駅弁がどこの駅でいつ発売されたのかについては諸説ある。1885年(明治18年)7月16日に日本鉄道の嘱託を受けた旅館「白木屋」が、この日開業した日本鉄道(現在の東日本旅客鉄道東北本線宇都宮駅握り飯2個とたくあんの皮に包んで販売した例が、最初の事例とされる[1][2][4]。この宇都宮での駅弁発売日である7月16日は「駅弁記念日」となっており、数多くの文献やウェブサイトが駅弁記念日を紹介する際に宇都宮起源説を紹介している[5]

起源についてはこの他に以下の説がある。

1877年(明治10年)頃の梅田駅(現・大阪駅)[6]

1877年(明治10年)頃の神戸駅[7]

1880年(明治13年)の銭函駅[注釈 1]

1883年(明治16年)7月に熊谷駅寿司パンを売り出したのが始まりという説[8]

1883年(明治16年)の上野駅[9]

1884年(明治17年)の敦賀駅[10]

1884年(明治17年)に高崎駅説。これは高崎弁当が自説として1884年(明治17年)に高崎駅でおにぎり弁当を発売したと述べているもの[11]。一般的には高崎弁当の販売開始は信越線開通の横川駅での駅弁販売開始に続く1886年(明治19年)3月だったと言われている[2]

現在のような折詰に入った駅弁は、1890年(明治23年)に姫路駅まねき食品が発売したものが最初との説がある[12]。また農文協(社団法人農山漁村文化協会)刊行の『日本の食生活全集 28 聞き書 兵庫の食事』(1991年)にも「元祖・駅弁--姫路の『まねき』」と題する記述があり、そこでは1889年(明治22年)に姫路駅で発売された物を駅弁の元祖とし以下のように述べている。 …日本初の駅弁は、明治十八年に日本鉄道会社宇都宮駅で売り出されたものというが、これはにぎり飯二個を竹の皮で包んだだけであった。折り箱に入った幕の内風で、その後の駅弁の形をつくり出したのは、この姫路の駅弁が元祖といえる。

この弁当の中身は「たいの塩焼き、伊達巻き、焼きかまぼこだし巻き卵大豆こんぶ煮付け、栗きんとんごぼう煮つけ、少し甘みをつけて炊いたゆり根、薄味で煮つけたふき、香の物は奈良漬梅干し、黒ごまをふった白飯」(同書)とされる。

また名古屋駅では、1886年(明治19年)5月1日の駅開業時[注釈 2]から服部商店(服部茂三郎)[注釈 3]により弁当の立ち売りを開始した。これについて、1930年昭和5年)の月刊雑誌『』の「駅辨の話」で以下のように述べられている[13]。…名古屋の服部商店では、最初から杉の折箱を用い、レッテルを掛けず、蓋には焼印で「驛辨」と押して、紐をかけずに、づるでしばって、一折八也で発売した。

「最初から」が1886年を意味するならば、姫路駅よりも早いことになる。
駅弁と軍弁

第二次世界大戦前、各所に駅弁業者が開業するにつれ、日本軍の部隊が演習や出征等により鉄道で移動する際の車内での食事用にも駅弁が利用されるようになり、その場合、軍の輸送計画に基づき軍部隊から経路上の駅弁業者に発注・手配が行われた(「軍弁」)[14][注釈 4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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