馮翊郡(ひょうよく-ぐん)は、中国にかつて存在した郡。三国時代から唐代にかけて、現在の陝西省西安市および渭南市一帯に設置された。 漢代の左馮翊を前身とする。三国の魏のとき、馮翊郡が立てられた。馮翊郡は雍州に属した。 晋のとき、馮翊郡は臨晋・下?・重泉・頻陽・粟邑・蓮勺・?陽・夏陽の8県を管轄した[1]。 北魏のとき、馮翊郡は高陸・頻陽・万年・蓮勺・広陽・?の6県を管轄した[2]。 南北朝時代、馮翊郡の本土が敵対する王朝の統治下にあったとき、僑郡の馮翊郡が置かれた。 429年(南朝宋の元嘉6年)、馮翊郡が置かれた。はじめ襄陽に郡治が置かれ、後に?に移された。南朝宋の馮翊郡は雍州に属し、?・高陸の2県を管轄した[3]。南朝斉のとき、馮翊郡は?・蓮勺・高陸の3県を管轄した[4]。 425年(南朝宋の元嘉2年)、三輔の流民を漢中に集めて、馮翊郡が僑置された。南朝宋の馮翊郡は秦州に属し、蓮勺・頻陽・下?・高陸・万年の5県を管轄した[3]。南朝斉の馮翊郡は蓮勺・頻陽・下?・高陸・万年の5県を管轄した[4]。 487年(太和11年)[2]に北魏によって立てられた華州を前身とする。西魏のとき、華州は同州と改称された。 607年(大業3年)、隋により州が廃止されて郡が置かれると、同州は馮翊郡と改称された。馮翊郡は馮翊・韓城・?陽・朝邑・澄城・蒲城・下?・白水の8県を管轄した[5]。 618年(武徳元年)、唐により馮翊郡は同州と改められた。742年(天宝元年)、同州は馮翊郡と改称された。758年(乾元元年)、馮翊郡は同州と改称され、馮翊郡の呼称は姿を消した[6]。 魏(咸熙2年、紀元264年)
魏晋および北魏の馮翊郡
僑置馮翊郡
雍州の馮翊郡
秦州の馮翊郡
西郢州の馮翊郡の下に馮翊郡が置かれた。東魏の馮翊郡は山陽・彭城・城・建安の4県を管轄した[2]。
隋の馮翊郡
脚注^ 『晋書』地理志上
^ a b c 『魏書』地形志二下
^ a b 『宋書』州郡志三
^ a b 『南斉書』州郡志下
^ 『隋書』地理志上
^ 『旧唐書』地理志一
表
話
編
歴
三国の行政区分
野王郡
?陽郡
朝歌郡