首都高速トライアル
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『首都高速トライアル』(しゅとこうそくトライアル)は、1980年代後半から1990年代にかけて製作された、首都高速道路を舞台とした走り屋を題材にした映画シリーズ。映画オリジナルビデオ(OV)を含め全6作が作られた。英語名は「Freeway Speedway - Megalopolis Express Way Trial」(旧パッケージ版)[1]、「Tokyo Speedway」(新パッケージ版)。
概要

第1作は1988年日活ロッポニカ作品として劇場公開された。走り屋をテーマにした本格的ドラマとして話題になり、この映画にて大鶴義丹的場浩司が役者としてデビューした。第2作以降はオリジナルビデオの「にっかつビデオフィーチャー」として製作され[2]土屋圭市が出演している。

撮影では各車両とも制限速度を遵守し、フィルムの早回しで超高速を表現している。

第5作の発売前に、総集編と予告編を兼ねた『スピリッツオブ首都高速トライアル』が発売された。第5作でシリーズ完結予定であったが、第6作『首都高速トライアルMAX』を製作。1996年2月に発売予定だったが、発売直前に警視庁の目に留まってしまう。その結果スタッフが書類送検され、発売中止となった。

本来、暴走行為を煽ることから『1』の公開時点で、以降のシリーズの発売は警察が規制しようとした動きがあったが、元走り屋で現役レーサー(当時)である土屋が劇中で「なぜ公道でバトルはしないのか」「サーキットで勝負」と言うシーンを挿入することによって発売禁止は回避された。毎回必ず土屋圭市のサーキット論が登場するのはこのためである[3]

同じ製作チームで、東映Vシネマの『バトル・チャレンジャー/激走』が製作された。

日本国内ではVHSのみの発売で、DVDは発売されていない。

2021年、本作に出演していた土屋のYouTubeチャンネルにて「首都高速トライアル6 REIWA BATTLE」という動画が公開された。本シリーズとは関係がなく、土屋が首都高をドライブする作品となっている。
首都高速トライアル

1988年11月26日封切。VHS:1989年4月10日発売。

キャッチコピー:「激走!首都高速13.9kmへの挑戦。」
あらすじ

7カ所の
高速道路(第3京浜横浜新道横横東名中央高速湾岸線首都高)13.9kmの区間記録への挑戦。現役F1レーサーが持つ伝説の記録に挑む若者達。ただし首都高速の記録を塗り替えるにはマシンとテクニックだけではなく運も必要だ。そして、魔のカーブが…。無償のタイム・トライアルに夢と青春を賭けた青春カーアクション映画(VHSパッケージより一部引用)。

劇中に登場する主なマシン

スカイライン(R30)RSターボ
主人公・六雄の乗る車輌で2台登場している。2台ともシルバー/ブラックのツートン当初の車輌は設定上TD07タービン搭載のフルチューニング車輌(実際にはさらに上のTD08タービンを搭載)。チューニングはTBOが担当。この車輌は岡安由美子扮する六雄の彼女が首都高アタックをした際に事故、大破してしまう。2台目は六雄が首都高に復帰する際に使用した車輌で、設定上ROMチューンによるブーストアップ仕様の為違法改造車では無い。なぜか「4VALVE DOHC RS TURBO」のエンブレムが付いていない(れっきとした本物の前期RSターボ)。[4]

フェアレディZ(S130)
的場浩司が乗る車輌。赤のフルエアロ仕様で、時代を感じるフィンタイプホイールを履く。マフラーがどう見てもノーマルである為、実際にはエアロを装着しただけの車と思われる。

クラウン(MS123)ハードトップ3.0ロイヤルサルーンG
木之元亮演ずる川北警部が使用している覆面パトロールカー。現実の交通課に配備されている覆面車とは異なり、ハードトップでマグネット式の警光灯を搭載する(現実にはセダンで反転式警光灯)。色はベージュメタリック。走行時にクラウンの静かさを演出する為か、風切音しか被らないことが多い。ただ数箇所、6M-GEUのツインカムサウンドが挿入されている。あらゆる走り屋車輌を追い詰めるほど速いが、実はコラムAT車。

クラウン(MS110)
川北警部率いる交通機動隊のパトロールカーで破壊用車輌。六雄達がRSを仕上げた廃工場に強行突入する際に全車破壊される。すべて前期型。1台は後付けのパワーウインドー装着、2台ともナンバー脇のガーニッシュが無いことから両車とも低グレードと推察される。

セドリック・グロリア(430)
MS110クラウンと同じく破壊用のパトロールカー。クラウンは全車破壊されたが、セドリック・グロリアは散光式警光灯を装着した車輌(工場突入時は前期型グロリア、以後のカットは後期型セドリック)だけ破壊されていない。クラウンは全車前期型だったが、セドリックの破壊車輌は後期型の430(セドリック1台を使い回している)。

日産・スカイラインR30
川北率いる交通機動隊のパトカー・劇中たびたび登場する。破壊用ではないらしく・緊急の検問シーンや呼びかけ時と建物の外でのサイドターン後のエンストや出口を塞がれて回避のシーンに使われた。
キャスト・スタッフ
キャスト


大鶴義丹 …鹿月六雄(主人公)。伝説の記録に挑む。首都高の記録が更新できず引退するが…。

岡安由美子 …主人公の彼女。引退した主人公の代わりに伝説に挑むが…。[5]

坂井徹 …ATS-BMのオーナー兼メカニック

的場浩司 …挑戦者。主人公引退3年後、新たな伝説を作る。しかし、その伝説には裏があった…。

浅野愛子 …挑戦者の彼女。主人公の彼女(首都高現役時)の妹。

徳丸純子 …主人公が首都高を引退した後の彼女。中古車屋でスカイラインR31GTS-Rに目がくらむ主人公を横目にファミリアを主人公に勧める。

木之元亮交通機動隊クラウンで取り締まる。首都高ランナーを追いかけ回せるぐらい速い。F1レーサーの友人の折り紙付きテクニックの持ち主。

伊藤克信 …13.9kmレースの仕切り役。中古車販売店経営・レース前後パーソナル無線でDJもする。[6][7]

主題歌


小西麻衣子「Mr.Juggler」

スタッフ


監督:金澤克次

脚本:斉藤猛

音楽:山崎稔

カースタント:タカハシレーシング

技斗:高瀬将嗣

助監督:伊藤正治、工藤雅典、村松弘之、井上慎介

音響効果:渡部健一

リーレコ:宇田川章

サウンドアドバイザー:中山義廣

プロデューサー:奥村幸士

製作協力:オリエント21

製作:にっかつ

配給:シネ・ロッポニカ

首都高速トライアル2

VHS:1990年7月6日発売。

にっかつが東映Vシネマの成功を真似て[2]、1990年早春、オリジナルビデオの製作・販売に乗り出すと発表[2]。劇場公開された前作『首都高速トライアル』のビデオが好調なセールスを記録していたことから、ビデオ専用のオリジナル映画シリーズ「にっかつビデオフィーチャー」の第一弾に選ばれた[2]。東映Vシネマの製作費は当時8,000万円程度だったが、本作はそれよりやや安い6,000万円で製作された[2]。撮影はビデオではなく、16ミリフィルム[2]。東映Vシネマの成功は、テレビ局や出版社と共同出資し、多角的な展開を行ったことが成功の一因と評価されたが、にっかつは全額自己負担でもあり、先行きを不安視された[2]
あらすじ

RSからGT-Rへ。最強マシンを引っ下げて、あの「首都高速トライアル」が帰ってきた。

走り屋たちの憧れのまと、順一が持つ高速道路区間記録。物語は、その記録に挑戦を続けるレーサー志望の孝広と、彼を挑発しながら、自らも記録更新を狙い名をあげようとする沢木の3人の男の戦いを軸に熱いドラマが繰り広げられていく。


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