クセノポンの著作
ソクラテス関連
ソクラテスの思い出
ソクラテスの弁明
饗宴
『饗宴』(きょうえん、希: Συμπ?σιον, シュンポシオン、英: Symposium)は、クセノポンによるソクラテス関連著作の1つ。 クセノポンがまだ幼少期だった頃(紀元前422年[1])に催されたとされる饗宴について、「クセノポン自身」が「饗宴の出席者」として見聞きしたものを描くという体裁になっているため、『ソクラテスの思い出』『ソクラテスの弁明』のような確度の高いソクラテスの言行録ではなく、(クセノポン自身の見聞きした実際のソクラテス像や伝聞情報がいくらか反映されているにしろ)『家政論』と同じく、「それなりに虚構性の高い内容の思想書」と呼ぶべき作品となっている。 クセノポンがあえてソクラテスの名を用いて、しかも『ソクラテスの弁明』と同じくプラトンの同名作品(『饗宴』)に被せる格好で、こうした作品を書いた理由としては、『ソクラテスの弁明』の場合と同じく、プラトンが描くソクラテス像が、実像とかけ離れてしまっていることに対する対抗措置・修正措置という面を挙げることができる[1]。(『家政論』もまた、一説にはプラトンの『国家』に対するアンチテーゼだと言われている[2]。) また、冒頭の「立派(美善)な人々の、真面目な行いのみでなく、遊びでなされる行いもまた、記憶されるに値すると私には思われる」という一文から察せられるように、酒が入った饗宴という場面設定だからこそ、他では書けないような一味違った含蓄・価値のある踏み込んだ言動・思想について書くことができるという、クセノポン自身の考えが反映されたものだとも言える。
概要
構成