養護学校
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この項目では、日本の学校制度について説明しています。世界的な観点からの記述については「特殊学校」をご覧ください。

通常の学校に併設される「学級」の「特別支援学級」とは異なります。
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特別支援学校(とくべつしえんがっこう、英語: special support school)とは、障害者等が「幼稚園小学校中学校高等学校に準じた教育を受けること」と「学習上または生活上の困難を克服し、自立が図られること」を目的とした日本学校である。

2007年文部科学省の「特別支援教育の推進について(通知)」では、これまでの視覚障害者盲学校(もうがっこう)・聴覚障害者学校(ろうがっこう)・養護学校(ようごがっこう)[注釈 1](これらを包括して、特殊教育諸学校と称していた[1])における取り組みを推進しつつ、さまざまな障害種に対応可能な体制づくりが重要とされ同年に整備された[2]。2007年3月31日以前は、盲学校・聾学校・養護学校は、特殊教育(現在の特別支援教育)を行う学校として個々の学校種として法令に規定されていたが、2007年4月1日からは同一の学校種となった。なお、個別の学校名の末尾に盲学校・聾学校・養護学校が付くものもあるが、これらも学校教育法における特別支援学校である。
概要
特別支援学校の制度

特別支援学校は、視覚障害者聴覚障害者知的障害者肢体不自由者、または病弱者身体虚弱者を含む)に対し、幼稚園小学校中学校または高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上または生活上の困難克服自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的としている(学校教育法第72条)。教育活動は、特別支援教育の理念に則って行われる。

特別支援学校には、幼稚部小学部中学部高等部、「高等部の専攻科」があり、入学資格はそれぞれ幼稚園小学校中学校高等学校、「高等学校の専攻科」に準じている。

学級には、単一の障害を有する幼児児童生徒(以下、本項では生徒)で構成される「一般学級」と、複数の障害を有する生徒で構成される重複障害学級がある[注釈 2]。1学級の定員は15名(千葉県や奈良県など、定員を15名より少なくしている自治体もある)で、複数の教員担任することが多い。また自宅からの登校が困難でなおかつ重度の障害児のために、教員が生徒の自宅へ出向く訪問学級を置いているところもある。さらに短期間ながら医療的支援を必要とする場合に、そのような機能を持つ別の特別支援学校への一時的な転学も珍しくはない。

学校教育法の改正により、2007年3月31日まで「盲学校」「聾学校」「養護学校」に区分されていた制度は、2007年4月1日から「特別支援学校」に一本化された。この名称の変更は、各学校間の機能的差異に基づく区分を名目上撤廃するものである。そこで各特別支援学校においては、文部科学大臣の定めるところにより、視覚障害者聴覚障害者知的障害者肢体不自由者、病弱者(身体虚弱者を含む)に対する教育のうち、当該学校が行うものを明らかにするものとされている(学校教育法第73条)。またこれらの教育は、障害の種類によらず一人一人の特別な教育的ニーズに応えていくという特別支援教育の理念に基づいて行われるとされる。異なった2種以上の障害者等に対する教育を行ってもよい。ただし、公立学校においては、教職員への労務費を法律に基づいて厳格に計算しなければならないため、主として行う教育が定められる[3]。なお、複数の教育領域を1校で扱っている学校は「併置校」と呼ばれる(ただし、複数の教育領域を扱っていることを標榜していても、実情としては1つに偏っている場合は、「併置校」という扱いは受けない)。

また、特別支援学校は在籍する生徒に教育を施すだけでなく、地域の幼稚園、小・中・高等学校の要請に応じて在籍する生徒の教育に関する助言・援助、いわゆる「センター的機能」も担うよう定義されている[4]。従来の障害[注釈 3] に加えて、今まで見過ごされていた発達障害[注釈 4]などの子供たちにも、地域や学校で総合的で全体的な配慮と支援をしていくことになる[注釈 5]。だが、発達障害者は特別支援学校の教育対象ではないため、実際に発達障害の児童・生徒をどの教育領域の特別支援学校で対応するかが明確ではないという指摘もある(知的な遅れがないから、知的障害の学校ではなく、また肢体不自由でもないから残る病弱の領域とする専門家もいるが、定義自体はなされていないため、そのカテゴリ化も不明確なままである。現状では主として知的障害者の特別支援学校が助言・援助を行い、ほかの校種は主に発達障害との重複障害者に関する助言・援助を行っている)。

特別支援教育への関心の高まりとともに、各都道府県では特別支援学校の増設、分校の増設、高等学校への分教室の併設などが行われた。主に高等学校の統廃合で使われなくなった校舎を改築して特別支援学校を新設した。

小学部・中学部の在学者の年齢は小学校・中学校よりも幅広いことが多い。意図的に高年齢の生徒を迎え入れている例もあるなど、年齢主義の影響から脱している部分も多い。小学部に学齢超過者が在籍している例も見受けられる。
特別支援学校に入学可能な障害の程度

特別支援学校に入学可能な障害の程度は学校教育法施行令 第二十二条の三で定められている。なお、この障害の程度はかつてはいわゆる「就学基準」として位置づけられていたが、一定の障害のある者は原則として特別支援学校に就学するという従来の就学先決定の仕組みが改められたことに伴い、就学基準としての機能は持たなくなった[6]

特別支援学校に入学可能な障害の程度(旧就学基準)[7]区分障害の程度
視覚障害者両眼の視力がおおむね〇・三未満[注釈 6] のもの又は視力以外の視機能障害が高度のもののうち、拡大鏡等[注釈 7] の使用によつても通常の文字、図形等[注釈 8] の視覚による認識が不可能又は著しく困難な程度のもの
聴覚障害者両耳の聴力レベルがおおむね六〇デシベル以上のもののうち、補聴器等の使用によつても通常の話声を解することが不可能又は著しく困難な程度のもの
知的障害者一 知的発達の遅滞があり[注釈 9]、他人との意思疎通[注釈 10] が困難[注釈 11] で日常生活を営むのに頻繁に援助を必要とする[注釈 12] 程度のもの
二 知的発達の遅滞の程度が前号に掲げる程度に達しないもののうち、社会生活への適応が著しく困難[注釈 13] なもの
肢体不自由者一 肢体不自由の状態が補装具[注釈 14] の使用によつても歩行、筆記等日常生活における基本的な動作[注釈 15] が不可能又は困難な程度のもの
二 肢体不自由の状態が前号に掲げる程度に達しないもののうち、常時の医学的観察指導[注釈 16] を必要とする程度のもの
病弱者一 慢性呼吸器疾患腎臓疾患及び神経疾患悪性新生物その他の疾患の状態が継続して医療又は生活規制を必要とする程度のもの


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