食糧自給率
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食料自給率(しょくりょうじきゅうりつ)とは、1国内で消費される食料のうち、どの程度が国内産でまかなわれているかを表す指標。食料を省略して自給率と言われる場合もある。
目次

1 指標の種類

1.1 総合食料自給率と品目別自給率

1.1.1 総合食料自給率

1.1.2 品目別自給率


1.2 国際連合食糧農業機関の指標

1.2.1 Standardization of Food Balance Sheets

1.2.2 Import Dependency Ratio

1.2.3 Self-Sufficiency Ratio

1.2.4 Analysis of the Pattern of Per Caput Food Supply



2 主要国の食料自給率の推移

3 地域別の食料自給率

3.1 日本の食料自給率

3.1.1 低下の要因

3.1.2 食料自給率の問題点

3.1.2.1 カロリーベース

3.1.2.2 安定供給

3.1.2.3 そのほかの議論



3.2 イギリスの食料自給率

3.3 スイスの食料自給率

3.4 ノルウェーの食料自給率

3.5 韓国の食料自給率

3.6 中国の食料自給率

3.7 台湾の食料自給率

3.8 ロシアの食料自給率


4 脚注

5 参考文献

6 関連項目

7 外部リンク・記事情報

指標の種類
総合食料自給率と品目別自給率

食料自給率には総合食料自給率と品目別自給率がある[1]
総合食料自給率

総合食料自給率とは個別の品目ではなく食料全体を通した一定のものさしで計算される食料自給率をいう[1]

総合食料自給率にはカロリーベース総合食料自給率と生産額ベース総合食料自給率の2種類がある。

カロリーベース総合食料自給率カロリーベース総合食料自給率は熱量換算で指標化した食料自給率である[1]

カロリーベース総合食料自給率=1人1日当たり国産供給熱量÷1人1日当たり供給熱量[1]

国産供給熱量=純食料×単位カロリー国産単価×品目別自給率(×飼料自給率・原料自給率)[1]

純食料=(国内生産量?輸出量)+(輸入量?非食用?減耗?非可食部分)[1]

畜産物の飼料の多くに輸入飼料をあてている場合には生産が成立しないので飼料自給率を乗じる[1]。加工品については原料自給率を乗じる[1]


供給熱量=純食料×単位カロリー[1]

なお、国民1人1日当たりの供給カロリーとは国産供給カロリー+輸入供給カロリー+ロス廃棄カロリーの合計である[2]




生産額ベース総合食料自給率生産額ベース総合食料自給率は金額換算で指標化した食料自給率である[1]

生産額ベース総合食料自給率=国内生産額÷国内消費仕向額[1]

国内生産額=食料(国産)×国産単価(?輸入飼料額・輸入原料額)[1]

畜産物の飼料の多くに輸入飼料をあてている場合には生産が成立しないので輸入飼料額を控除する[1]。加工品については輸入原料額を控除する[1]


国内消費仕向額=食料×単価[1]



品目別自給率

小麦など、特定の品目ごとの食料自給率である[1]。算出にあたっては、品目の重量を使用する(重量ベース)。

品目別自給率=国内生産量÷国内の消費仕向量[1]

国内消費仕向量=(国内生産量?輸出量)+輸入量[1]


国際連合食糧農業機関の指標

国際連合食糧農業機関(FAO)のwebサイト[3]にあるFood Balance Sheet: A Handbook(食品バランスシートハンドブック)[4]IV. Applications and Uses for Food Balance Sheets Data(4章 食糧バランスシートデータへの応用と用途)[5]には以下の4種類をあげている。
Standardization of Food Balance Sheets

標準化した食品のバランスシート
Import Dependency Ratio

輸入依存率 (IDR)

IDR=(輸入:Imports÷(生産:production+輸入:imports?輸出:exports))×100

Self-Sufficiency Ratio

自給率 (SSR)

SSR=(生産:production÷(生産:production+輸入:Imports?輸出:exports))×100

Analysis of the Pattern of Per Caput Food Supply

食品供給のパターン分析
主要国の食料自給率の推移

日本の農林水産省が推計した、1965年から2007年までの主要国の食料自給率は以下の通りである。これは経済統計のように各国がそれぞれ計算して発表したものではない[6]

主要国の食料自給率比較国名カナダオーストラリアフランスアメリカドイツイギリスイタリアスイス日本
生産額ベース
(2009年)121%128%83%92%70%58%80%70%70%
カロリーベース
(2011年)258%205%129%127%92%72%61%57%39%
出典:農林水産省試算[7]

主要国の食料自給率(カロリーベース食料自給率)(単位:パーセント)国名19651970197519801985199019952000200520102015
アメリカ117112146151142129129125123
カナダ152109143156176187163161173
ドイツ666873768593889685
スペイン9693981029596739673
フランス109104117131135142131132129
イタリア887983807772777370
オランダ696572727378727062
スウェーデン9081999498113798981
イギリス454648657275767469
スイス???????5957
オーストラリア199206230212242233261280245
韓国?80?70?63515145
日本73605453534843404039
出典:農林水産省試算[8]

各国の自給率の推移

イタリア・韓国・日本が下降、イギリスは回復。米・仏は食料大国。

総合食料自給率では下降していたイタリアは、穀物ではほぼ維持。英・独も穀物はほぼ自給自足。

地域別の食料自給率
日本の食料自給率 日本の食料自給率 1965年73% - 2010年39%
各食料に続く%値(青字)は自給率、括弧内の%値(赤字)は総供給熱量に対する割合。黄色の部分が輸入食料である。

日本は世界最大の食糧輸入国であり、平成20年(2008年)財務省貿易統計によると、食糧輸入額は約5兆6000億円で世界全体の10%を占めている[9]

日本の食糧自給率は、カロリーベース総合食料自給率で39%(平成26年(2014年)度)、生産額ベース総合食料自給率では64%となっている[10]


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