食用ギク
100 gあたりの栄養価
炭水化物
食物繊維3.40 g
脂肪0 g
タンパク質1.4 g
ビタミン
ビタミンC(13%) 11.0 mg
ミネラル
ナトリウム(0%) 2.0 mg
カリウム(6%) 280.0 mg
カルシウム(2%) 22.0 mg
マグネシウム(3%) 12.0 mg
リン(4%) 28.0 mg
鉄分(5%) 0.7 mg
他の成分
水分91.5 g
灰分0.60 g
『五訂増補日本食品標準成分表』より
単位
μg = マイクログラム (英語版)
食用菊(しょくようぎく)とは菊の一種で、特に食用として栽培されている菊を指す。標準和名をショクヨウギクといい、食菊、料理菊とも呼ばれる[1]。
料理のつまに使われるつま菊などの小輪種、花びらのみを食用とする大輪種に大別される[1]。生態、形態上で観賞用のキクとの明確な相違はなく、苦味が少なく、味や香りが良いものを選抜改良したのが食用として栽培されている[2][3]。花弁の色や品種はさまざまで、「阿房宮」「蔵王」「高砂」など、異なった特性を持つ多くの栽培品種が存在する[1]。食材としての旬は、10 - 11月とされる[2]。 花を利用するキクの成立については諸説あるが、キク科植物研究の第一人者である北村四郎によれば、中国の唐代かそれ以前に、北方原産のチョウセンノギク
利用史
菊そのものは、古代より中国で延命長寿の花として菊茶・菊花酒、漢方薬として飲まれていた。その中でも食用菊は、苦味が少なく花弁を大きく品種改良された種[6]。奈良時代に、日本で現在でも食用菊として栽培されている「延命楽(もってのほか・カキノモト)」が中国から伝来した[7]。平安中期の927年に行われた延喜式の典薬寮の中に「黄菊花」の名が示されている[8]。食用としては、江戸時代から民間で食されるようになったとされており[9]、1695年に記された『本朝食鑑』に「甘菊」の記述が見られる[10]。また、松尾芭蕉は、菊を好んで食したらしく、1690年(元禄3年)晩秋に近江堅田で句に詠んでいる[10]。 多年生草本。草丈は50 - 100センチメートル (cm) になり、茎は分枝する傾向が強い[4]。葉は互生し、葉身は深い切れ込みが入る。花芽はふつう短日条件になると、枝先に形成する[4]。花は八重咲きで黄色の品種が主流であるが、紅紫色の品種もある[4]。観賞用のキクよりも花弁に厚みがあって香りがよく、苦味が少ないのが特徴[11]。地下茎は、低温で短日条件になる晩秋のときにロゼット状となって休眠状態に入るが、越冬後の高温で長日条件となる春になると萌芽が始まって茎が伸長する[4]。繁殖は、親株を株分けするか、挿し芽を育苗することで増やせる[4]。 菊そのものの解毒効果に関しては、株式会社ポーラの研究により、生体内の解毒物質「グルタチオン」の産生を高めることが発見されている[12]。また、食用菊としては、可食部分に含まれるトリテルペンアルコールに抗炎症作用があることが示されている[1]。
形態・生態
効能・栄養素