食の安全
用語
食中毒
食中毒(しょくちゅうどく)とは、病原微生物やその代謝産物、有毒有害な化学物質等の毒素を含む飲食物をヒトが口から摂取した結果として起こる疾病(中毒)の総称である[1]。その症状は下痢や嘔吐、発熱などに代表される[2]。 食中毒は、その原因になった因子・物質によって5つに分類される。 に大別される。なお、食物アレルギーは食中毒に含まれない。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}かつては、食中毒が発症した患者から健康な第三者へと感染が及ばないものといわれていた。しかし、食中毒患者が発生した後従前の対応方法で医療行為を行った結果、対応を行った医療関係者にまで食中毒患者と同じ疾病に罹患する事態がたびたび発生するようになった[要出典]。国内外の報告を持ち合わせて調査した結果、病原性大腸菌(O157など)やノロウイルスが患者から患者へ感染することが判明した。それ以降、多くの国々は「食感染症」として伝染病に準ずる対策がとられるようになった。 食中毒の直接の原因は、飲食物などに含まれていた有害・有毒な原因物質を摂取することによるが、その原因物質が直接に毒物として作用する場合と、原因物質が微生物であり、その増殖によって感染症を発症する場合に分けられる。 梅雨で高温多湿となる夏期に、もっとも食中毒の発生件数が多くなる。そのほとんどは細菌性食中毒である。しかしこれ以外の季節でも、冬期には貝のカキが原因とみられるノロウイルスが原因の食中毒が多く発生する。また、キノコやフグなどによる自然毒食中毒は、それぞれその食材の旬にあたる秋から冬にかけて多く発生する。 食中毒には数多くの原因菌などがあるがその中の代表的なものを以下に示す。 2006年度は、患者数別では、ノロウイルス、カンピロバクター、サルモネラ属菌の順であり、この3種が8割を占めた(厚生労働省 2007)。 細菌産生毒素の生理活性による食中毒。食品摂取時点で細菌類が不活化していても発症するため、抗生物質は効かない。毒素が熱に弱い場合には調理時の加熱により不活化する。
分類
因子・物質による分類
細菌性食中毒
ウイルス性食中毒
化学性食中毒
自然毒食中毒
寄生虫性食中毒
その他
発症様式による分類
毒素型食中毒 - 原因物質が毒物として作用。
化学性食中毒や自然毒食中毒はすべて毒素型食中毒である。
感染型食中毒 - 病原体への感染による作用。
細菌性食中毒やウイルス性食中毒では、その原因病原体によってタイプが異なり、感染型食中毒を起こすものと、毒素型食中毒を起こすものがある。細菌性の毒素型食中毒の場合、原因病原体が食品中で増殖するとともに毒素を産生し、その食品を汚染することで食中毒の原因となる。この場合、増殖後に加熱などにより病原体を不活化しても、毒素が残っていれば食中毒が発生する。
中間型食中毒 - 細菌性食中毒では、病原体が消化管内で増殖する際に初めて毒素を産生するものがあり、生体内毒素型食中毒と呼ばれるが、これは感染型と毒素型の中間に位置する。
代表的な食中毒
細菌性食中毒
毒素型
黄色ブドウ球菌 - おにぎり、すし、おつくり。皮膚常在菌が食品へ移行し食品表面で増殖、毒素を産生する。潜伏期間が短く1?5時間、耐熱性毒素のため調理加熱程度で不活化できない[3][* 1]。耐熱性毒素ST(エンテロトキシンの一種)による。
ボツリヌス菌 - 発酵食品、いずし類、真空パック食品、キャビアの瓶詰め、ソーセージ。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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