飛込競技
飛び込み台
統括団体世界水泳連盟
通称飛び込み、ダイビング
特徴
身体接触無
男女混合有
実施状況
オリンピック1904年-
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高飛び込み
飛込競技(とびこみきょうぎ、または単に飛込・ダイビングとも、英: diving)は、水泳競技の一種。一定のルールの下で演技の完成度を競う採点競技である。1m・3mの高さの「飛び板
(英語版)」からその弾力性を利用して跳ね上がって飛び込む飛板飛込と、5m・7.5m・10mの「飛び込み台(英語版)」から飛び込む高飛込の2種目がある。それぞれ、個人競技と2人一組で飛び込むシンクロナイズドダイビングがおこなわれる。飛込競技は勝負が決するまでの時間がもっとも短い競技であり、わずか2秒弱の中に高度な技を行なう採点競技である。水しぶきをあげない入水をノースプラッシュと呼び、高い評価点となる。さらに、唇を弾くような音がするだけで全く水飛沫が上がらない入水を「リップ・クリーン・エントリー」といい、これは最高の入水方法である。
近代オリンピックでは1904年のセントルイスオリンピックから行われ、アメリカのグレッグ・ローガニスは、1984年ロサンゼルスオリンピックと1988年ソウルオリンピックの高飛び込みと飛び板飛込みで4つの金メダルを獲得し、飛込み界で伝説の選手になっている。
アメリカが最も多くの金メダルを獲得しているが、近年は国を挙げて育成環境を整えた中国の力が群を抜いており、2008年北京オリンピックでは全8種目中7種目で金メダルを獲得している。 たかとびこみ(英: platform diving)。弾力のないコンクリート製の飛び込み台から飛び込む競技で、競技者は助走を経て、または飛び板の先端に立つか逆立ち姿勢から空中で体勢を整えた後に水面に入る。空中で回転したり、ひねりを加えたり、体を丸めたりといった様々な演技を行い、そのできばえで得点を得る。10mからの自然落下でも入水時に時速50km程度となり、より高くジャンプして飛び込む場合はそれ以上になる。衝撃や恐怖心の克服が必要である。 とびいたとびこみ(英: springboard diving)。弾力性の高い飛び板を使用し、この上で競技者は助走・ハードルステップを経て、または飛び板の先端に立ってその弾力を十分に利用して跳ね上がり、空中で体勢を整えた後に水に入る。空中で回転したり、ひねりを加えたり、体を丸めたりといった様々な演技を行い、得点を得る。高飛び込みに比べて飛び板の弾力を利用するため、技術力が必要であり、ベテランになると高飛び込みから飛び板飛び込みへ移行する選手が多い。 オリンピックでは3m、世界選手権では1mと3mが行われる。 飛び板はDURAFLEX社が世界水泳連盟の公式サプライヤーを務めており、同社のマキシフレックス モデルBが国際競技で使用されることから事実上の世界標準である。 男女とも、3m飛板飛込と10m高飛込の2つの種目がある。2名の選手は型を含めて同じ演技を行う。1998年にオーストラリアのパースで開催された世界選手権で初めて行われ、2000年のシドニーオリンピックからオリンピック正式種目となった。2名の選手が同時に演技を行い、その演技の完成度と同調性(シンクロナイズゼーション)により順位を競う。得点の占める割合は演技が40%、同調性が60%で良い演技をしても2名のタイミングが合っていなければ高い得点を得ることができない。 男女ペアでおこなうシンクロナイズドダイビング競技である。体格・筋力に差があることが多いので同調性を取るのが非常に難しい。 男子1名、女子1名を含む最少2名から最大4名で1チームを組み、次の順で競技を進める。 第1ラウンド:女子3m飛板飛込、第2ラウンド:男子3m飛板飛込、第3ラウンド:ミックスシンクロナイズド3m飛板飛込、第4ラウンド:女子10m高飛込、第5ラウンド:男子10m高飛込、第6ラウンド:ミックスシンクロナイズド10m高飛込 競技者は全ての種目で指定の日時までに「演技種目申込用紙(ダイブシート)」を提出することで演技種目を申告する。実際の競技会で申告した演技種目と異なった演技をすると大幅な減点となる。 この段階で、演技種目の選択、順序(得意な演技を先にするか後にするか)などの駆け引きが始まっている。飛板飛込み、高飛込み共に、「自由選択飛び」もしくは「制限選択飛び」にて競技が行なわれる。 競技種目制限選択飛自由選択飛合計 数字は演技の数であり、大会により数が変わることがある。現在のオリンピックや世界選手権の個人種目では自由選択飛びのみで行われている。 すべての演技種目には演技番号が付けられていて、競技会中のアナウンスなどは演技番号で紹介される。演技番号は、3?4桁の数字とアルファベットで表される。尚、捻り技のみ数字4桁で、後は全て3桁の数字である。それぞれの数字には技の種類、アルファベットには飛び込む時の姿勢の型が表されており、各数字の内容は以下の通り。 群演技種目名英語名説明 記号型名英語名説明 演技内容の数字の見方については、以下の例を参照。 競技者は全ての種目で競技開始の24時間前までに「演技種目申込用紙」を大会記録本部に提出しなければならず、提出後の変更はできない。予選と決勝の変更は可能である。開始の姿勢・アプローチ・踏切・空中演技・入水などの要素を評価し採点する。 全ての演技には、難度に応じて「難易率」が決められており、難しい演技ほど難易率が高い。男子は3.4、女子は3.0以上が高難度の目安となる。難易率は高さによっても違う。 ジャッジは演技全体の印象に基づき、以下の基準で0点から10点までの採点を行う。 英語名得点 (例)難易率2.0の演技の場合 ハイダイビング(英: high diving)。日本ではplatform divingを「高飛込」と訳すことが既に定着しているため、本競技は英語そのままで呼ぶ。 自然環境(断崖絶壁)からの飛び込み 競技方法や採点は前述の飛込競技をベースにしているが細部で微妙に異なり、世界水泳連盟 (WA) によって飛込競技とは別に競技規則が定められている。
高飛込
飛板飛込飛び板飛び込み
シンクロナイズドダイビングシンクロナイズドダイビング
ミックスシンクロナイズドダイビング
ミックスチームイベント
競技方法
競技内容
自由選択飛びは難易率に係らず、演技内容を自由に選択し演技すること。
制限選択飛びは演技総数の難易率の合計値(1種目平均1.9)が決められており、その合計値を超えないように演技を選択しなければならない。主に基礎的な演技を行なう為シンプルな演技が多いが、わずかなミスが致命傷となる。
競技種目一覧表
男子1m飛板飛込-66
3m飛板飛込5611
10m高飛込4610
シンクロ飛込246
女子1m飛板飛込-55
3m飛板飛込5510
10m高飛込459
シンクロ飛込235
演技番号
技の種類
第1群前飛込みForward飛込台から前に向いて踏切り前方に回転する
第2群後飛込みBack飛込台から後ろに向いて踏切り、後方に回転する
第3群前後飛込みReverse飛込台から前に向いて踏切り、後方に回転する
第4群後踏切前飛込みInward飛込台から後ろに向いて踏切り、前方に回転する
第5群ひねり飛込みTwist第1群から第4群までの種目に捻りを加える
第6群逆立ち飛込みArmstand飛込台上で逆立ちをしてから演技を行う(高飛込のみ)
基本姿勢の型
A伸び型Straight腰および膝を曲げず両足をそろえた型。宙返りにはあまり適さない。
B蝦型Pike身体を腰で折り、膝を曲げず両足をそろえた型。柔軟性が必要。
C抱え型Tuck身体を小さく丸め、膝を曲げた型。最も宙返りに適する形。
D自由型FreeA・B・Cいずれの型を組み合わせても良い。(ひねり技のみ。)
数字3桁+英字1桁の場合(その1)
例)113C1:演技群(1群?4群)1:途中宙返りの有無(0=無し、1=アリ)3:宙返り数(0=無しを基準に、半回転毎に+1(1回転は「2」)となる)C:飛込み姿勢(A?D)上記の演技内容は「前飛込・途中宙返り・1回転半・抱え形」=「前途中宙返り1回半・抱え型」となる。
数字3桁+英字1桁の場合(その2:6群の高飛込みの逆立ち飛込みのみの表示の仕方。尚、6群には途中宙返りは無い。)
例)622B6:6群2:1群?3群2:宙返り数(0=無しを基準に、半回転毎に+1)B:飛込み姿勢(A?D)上記の演技内容は、「逆立ち飛込み・後飛込・宙返り1回転・えび型」=「逆立ち後宙返り・えび型」となる。
数字4桁+英字1桁
例)5132D5:5群?6群1:1群?4群3:宙返り数(0=無しを基準に、半回転毎に+1)2:捻り数(0=無しを基準に、半回転毎に+1「1回半捻りは「3」)となる)D:飛込み姿勢上記の演技内容は、「捻り飛込み・前飛込み・宙返り1回転半・捻り1回転・自由型」=「前宙返り1回半1回捻り・自由型」となる。(尚、「宙返り1回転半・捻り1回転」は、"宙返りを1回転半している最中"に"捻りを1回転半行う"演技のことであり、"宙返りを1回転半"した後に"1回転半の捻り"の演技を行うことではない。)
採点
難易率
(例) 107B(前宙返り3回半えび型)の難易率は1mが3.3、3mが3.1、10mが3.0である。
採点方法
個人種目では、審判長1名が演技の審判を、5名または7名の審判員が演技の採点を行う。審判長は採点しない。
個人種目で審判員が7名の場合は、最高点から上位2つと最低点から下位2つを除く残りの3個の採点を合計し、難易率を掛けた値が得点となる。各審判員は、10点を最高得点に0.5点単位で採点する。
シンクロ種目は、審判長1名と、演技(エクスキューション execution)を採点する審判員4名または6名、同調性(シンクロナイゼーション synchronicity)を採点する審判員5名で行われる。審判員が11名の場合は、エクスキューションは向かって左側の選手を採点するE1?E3と右側の選手を採点するE4?E6に内部的に分かれているが、シンクロナイゼーションはS1?S5の全員が両選手の同調性を採点する。そして、E1?E3、E4?E6、S1?S5の最高点と最低点を除く5個の採点の平均点を3倍して難易率を掛けた値が得点となる。
シンクロ種目の制限選択飛びでは演技の難度に依存せず難易率は2.0固定となるが、自由選択飛びは通常通り演技に設定された難易率を適用し、各審判員は10点を最高得点に0.5点単位で採点する。
採点の評価値
最高だ!引くところがないExcellent10点
10点ではないが素晴らしいVery good9.5点?8.5点
よくできているGood8.0点?7.0点
まあまあできているSatisfactory6.5点?5.0点
未完成であるDeficient4.5点?2.5点
ほとんど失敗Unsatisfactory2.0点?0.5点
まったく失敗したものCompletely failed0点
個人種目5名審判員の場合 (5.5 + 5 + 6 + 5.5 + 5) × 2.0(難易率)= 32.00(得点)
個人種目7名審判員の場合 (5.5 + 5 + 5.5 + 5 + 6 + 5.5 + 5) × 2.0(難易率)= 32.00(得点)
シンクロ種目11名審判員の場合 ([E1?E3] 8 + 8.5 + 8.5 + [E4?E6] 7 + 6.5 + 6.5 +[S1?S5] 8.5 + 8.5 + 8 + 8 + 7.5) ÷ 5 × 3 × 2.0(難易率)= 47.40(得点)
ハイダイビング
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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