この項目では、「地方病」とも呼称される病気の総称について説明しています。甲府盆地(山梨県)における日本住血吸虫症については「地方病 (日本住血吸虫症)」をご覧ください。
風土病(ふうどびょう)とは、ある限られた地域の気候、土壌、生物相などの自然条件と住民の風俗、習慣などがあいまって起こる病気の総称。地方病(ちほうびょう)とも呼ばれる。 代表的なものではコレラやマラリアが挙げられている。その地域に存在する寄生虫などのもので感染するものもある。日本では成人T細胞白血病が九州や四国に多い。また、風土病のうち、短期間で伝染病が広がることをエピデミック(epidemic)という。 かつてニューギニア島の風習であるカニバリズムによって、クールー病が多発した。 土壌中のミネラル成分に偏りがある地域や海から遠いために海藻成分を摂取しにくい場所では、地域固有の栄養障害が頻発する傾向がある。中国の黒竜江省や江蘇省でみられたセレン欠乏症や、モンゴル国でみられたヨウ素欠乏症などが知られる。このような場合、住民に恒常的にミネラルを添加した食塩またはサプリメントを摂取させることで、発病率を低下させることができる。 高緯度地方では多発性硬化症が多い[1]。 山梨県では甲府盆地の低湿部を中心に日本住血吸虫病の有病地で、特に近代以降には流行し「地方病」と呼ばれた。江戸時代から存在は知られていたが、明治期には県による医学的な原因調査が行われ、死亡患者の病理解剖で寄生虫卵が発見されると原因は新種の寄生虫であるとする仮説が立てられた。大正期には宮入慶之助により日本住血吸虫の中間宿主が巻貝の一種であるミヤイリガイ(宮入貝)であると突き止め、大規模なミヤイリガイの駆除が行われて撲滅される。 八丈小島はマレー糸状虫症(島民からは「バク」と恐れられた)の有病地であったが、佐々学のフィールドワークから始まる治療により撲滅された。
要因の一例
感染症・伝染病
風習
栄養障害
地理的条件
風土病の例
脚注[脚注の使い方]^ “多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13) ? 難病情報センター
^ 藤田拓男『新カルシウムの驚異 : 人類の未来をささえるカルシウム』講談社〈ブルーバックス〉。 [要ページ番号]
^ a b ⇒1,紀伊半島のALS : 紀伊 ALS/PDC -紀伊半島における筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症複合- 三重大学大学院地域イノベーション学研究科・紀伊難病研究センター
関連項目
エンデミック
村社会
農本主義
マラリア
ツツガムシ病
地方病 (日本住血吸虫症)
八丈小島のマレー糸状虫症
外部リンク
『風土病』 - コトバンク
.mw-parser-output .asbox{position:relative;overflow:hidden}.mw-parser-output .asbox table{background:transparent}.mw-parser-output .asbox p{margin:0}.mw-parser-output .asbox p+p{margin-top:0.25em}.mw-parser-output .asbox{font-size:90%}.mw-parser-output .asbox-note{font-size:90%}.mw-parser-output .asbox .navbar{position:absolute;top:-0.90em;right:1em;display:none}
Size:13 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef