顔_(松本清張)
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著者
松本清張
発行日1956年10月10日
発行元大日本雄弁会講談社ロマン・ブックス
ジャンル短編集
推理小説
日本
言語日本語
形態上製本
ページ数245

ウィキポータル 文学

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『顔』(かお)は、松本清張が1956年10月に出版した短編集松本清張による初めての推理小説短編集として、1956年10月、講談社ロマン・ブックスより刊行された。第10回(1957年)日本探偵作家クラブ賞受賞作。

及び当該短編集に収録された表題作の短編小説
収録作品

(初出:『小説新潮』1956年8月号)

殺意(初出:『小説新潮』1956年4月号)

なぜ「星図」が開いていたか(初出:『週刊新潮』1956年8月)

反射(初出:『小説新潮』1956年10月号)

市長死す(初出:『別冊小説新潮』1956年10月号)

張込み(『小説新潮』1955年12月号)

評価

本短編集により1957年3月、第10回日本探偵作家クラブ賞を受賞した。日本探偵作家クラブ会長・木々高太郎は、清張の作品のいずれを選ぶか種々意見は分かれいろいろ議論された結果、『顔』その他として、圧倒的な支持により全会一致で受賞が決定した旨を述べた、という[1]
書誌情報

顔(1956年10月、
大日本雄弁会講談社ロマン・ブックス)

日本推理作家協会賞受賞作全集 9 顔(1995年5月12日、双葉文庫ISBN 978-4-575-65808-8

小説「顔」


作者
松本清張
日本
言語日本語
ジャンル短編小説
推理小説
発表形態雑誌掲載
初出情報
初出『小説新潮』 1956年8月号
刊本情報
収録『顔』
出版元大日本雄弁会講談社
出版年月日1956年10月
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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「顔」(かお)は、松本清張の短編小説。『小説新潮』1956年8月号に掲載、1956年10月短編集『顔』に収録された。

またはそれを原作とする映画テレビドラマ
あらすじ

東京の劇団で役者として活動する井野良吉に、映画出演の話が舞い込んだ。しかし良吉には、全国的に顔が売れることを恐れる理由があった。良吉は9年前に、妊娠したからと結婚を迫るガールフレンドの山田ミヤ子を殺していたのだ。

9年前、温泉旅行を口実にミヤ子を連れ出した良吉は、殺害の前に、ミヤ子の知り合いである石岡貞三郎に顔を見られていた。この9年間、良吉は興信所を使って、貞三郎の動向を調べ続けていた。これまでは、島根県に住む貞三郎と顔を合わせる心配はなかったのだ。

良吉は、ミヤ子の親戚を装って、貞三郎を京都に呼び出した。ミヤ子の殺害犯を見つけたので面通しをして欲しいという口実で、貞三郎を殺すことが目的だった。しかし、貞三郎は途中で偶然に出会った良吉の顔に気づかなかった。貞三郎は犯人の顔を覚えていない。安堵した良吉は殺害計画を中止し、映画スターとして脚光を浴び始めた。

その映画を見た貞三郎は、良吉の些細な仕草から、自分が目撃した殺人犯が良吉であることを思い出すのだった。
登場人物
井野良吉
東京の劇団「白楊座」所属の俳優。北九州からの上京前、島根県
大国村の山中にミヤ子を連れ出し殺害した過去を持つ。
石岡貞三郎
現在は八幡市のY電機黒崎工場勤務。郷里は島根県で、9年前に山陰本線の列車内でミヤ子から声をかけられる。
山田ミヤ子
八幡市の大衆酒場「初花酒場」の女給。井野良吉の子を妊娠したと告げ出産を訴える。
田村
刑事部長。9年前のミヤ子殺害事件の当時の捜査主任。石岡貞三郎の相談を受け「梅宮利一」という男の手紙に不審を持つ。
エピソード

著者は本作について「人間が出世するには地道に、辛抱強い長い時間が必要である。それでも出世できる者は幸運である。だが、もっと仕合わせなのは、きわめて短い時間に本人も予想しなかった出世に遇うことであろう。突然変異的に出世するという職業はなんであろうか。いろいろ考えたが、やはり映画俳優の世界が適切のようだ。他の芸術の世界にも無くはないが、それには当人にそれまでの蓄積がなければならない。本人でさえ思いがけなかった出世となると、映画で急激に人気を博す職業のほうが似合いのようだ。そこでこれには『顔』という題をつけた。意味は二通りある。彼はその銀幕の顔によって出世を獲得したが、もう一つの顔は暗い過去をもっていた」と記している
[2]

書誌情報(小説「顔」)

顔(1956年10月10日、
大日本雄弁会講談社ロマン・ブックス)

森?外・松本清張集(1957年2月15日、文芸評論社)

探偵小説傑作選 1957年版探偵小説年鑑(1957年7月10日、宝石社)

顔・白い闇 : 他三篇(1959年5月10日、角川文庫

松本清張集(日本推理小説大系11)(1960年6月2日、東都書房

松本清張短篇総集(1963年4月10日、講談社)

松本清張短編全集5 声(1964年3月25日、カッパ・ノベルス

松本清張短編全集5 声(2009年1月20日、光文社文庫ISBN 978-4334745332


張込み 傑作短編集〔五〕(1965年12月17日、新潮文庫ISBN 978-4-10-110906-0

松本清張(現代推理小説大系9)(1972年4月8日、講談社)

松本清張全集 第36巻 地方紙を買う女 短編2(1973年2月15日、文藝春秋ISBN 978-4-16-509360-2

松本清張傑作総集T (1993年10月20日、新潮社ISBN 978-4103204305

松本清張小説セレクション32 短篇T(1995年1月20日、中央公論社ISBN 978-4124033427

日本推理作家協会賞受賞作全集 9 顔(1995年5月12日、双葉文庫ISBN 978-4-575-65808-8

鬼畜 松本清張映画化作品集1(2008年6月20日、双葉文庫、ISBN 978-4575512069

松本清張傑作選 時刻表を殺意が走る - 原武史オリジナルセレクション(2009年5月、新潮社ISBN 978-4-10-320434-3

松本清張傑作選 時刻表を殺意が走る - 原武史オリジナルセレクション(2013年2月16日、新潮文庫ISBN 978-4-10-110973-2


関連項目

いもぼう - 小説では、いもぼうを食べようと京都の「円山公園の傍にある料理屋」に入った先での会話がハイライトとなる。松本清張作品では後に『球形の荒野』『混声の森』にも登場する。

映画


監督
大曽根辰夫
脚本井手雅人
瀬川昌治
製作岸本吟一
出演者岡田茉莉子
大木実
音楽黛敏郎
撮影石本秀雄
配給松竹


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