頭痛
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頭痛

概要
診療科神経学
分類および外部参照情報
ICD-10R51
ICD-9-CM784.0
DiseasesDB19825
MedlinePlus003024
eMedicineneuro/517 neuro/70
Patient UK頭痛
MeSHD006261
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頭痛(ずつう)とは、頭部に感じる痛みのうち、表面痛でないもの。様々なタイプの痛みを含んだ幅の広い症状概念である。ありふれた症状である一方、これを主症状とする致命的疾患もあり、他方で原因が特定できないことも多いという、症候学上非常に重要な症状。
疫学

頭痛はありふれた症状で、外来初診患者の約10%が頭痛を主訴とする[要出典]。

日本人の3 - 4人に1人(約3000万人)が「頭痛持ち」である。そのうち2200万人が緊張性頭痛、840万人が片頭痛[1]、1万人が群発頭痛といわれる。クモ膜下出血脳腫瘍による頭痛は、毎年約1万人 - 3万人に発生する。

日常生活に支障ある頭痛を、世界中で最低40%の人が経験する[要出典]。

男性よりも女性のほうが頭痛の症状を訴えることが多く、筋緊張性頭痛の6割、片頭痛の8割が女性である。[要出典]

女性が訴えることが多い頭痛の1つに生理時に伴うものがあるが、これは生理中にエストロゲンが血中から減少し、それがセロトニンに何等かの影響を与えて片頭痛を引き起こしやすくなるからではないかとも考えられている[要出典]。
原因
血管拡張
片頭痛など。有力なのは後述の「三叉神経血管説」。血管収縮による頭痛はないとされる。
精神・筋の緊張
肩こりからくる筋緊張性頭痛など。筋緊張性頭痛では、『ストレス → 筋収縮 → 頭痛 → ストレス』という悪循環が生じる。
牽引性
頭蓋内の痛覚感受組織がひっぱられたり圧迫されて起こる(例:脳腫瘍、頭蓋内血腫、低髄液圧症候群)[要出典]。
炎症性
髄膜炎クモ膜下出血などでは、痛覚閾値の低下のために頭痛が起こる[要出典]。いわゆる髄膜刺激症状のひとつとして起きる。
神経痛
頭部を支配する感覚神経である三叉神経や上部頸髄神経の損傷は頭部の神経痛を引き起こす。
関連痛
耳・鼻・歯などの疾患による痛みの関連痛となる。
頭痛の誘因となりうる食品
食品中に含まれる物質が、血管作動作用をもたらすことがあり、この血管作動作用には、血管拡張作用と血管収縮作用(収縮作用消失から拡張への反転)があり、どちらも片頭痛発作の誘因となりえる[2]。頭痛の誘因となりうる食品は、片頭痛#原因を参照のこと。

心因性などを原因とする例は、下記参照。
危険な徴候

頭痛は、緊急に集中治療を施さなければ死に至る疾患の表徴であることがある。その疾患とはクモ膜下出血髄膜炎、大きな脳出血の3つである。脳腫瘍も放置すれば確実に死に至るが、緊急度では前3者には遠く及ばない。また、重度の緑内障発作であった場合には、生命には影響しないが失明の危険が大きく、緊急度は高い。

それらの疾患を示唆する徴候は以下の通りである[要出典]:

今までに経験したことがないような頭痛か、今までの頭痛で最悪の頭痛 (first, worst):クモ膜下出血、髄膜炎

高齢者の初発頭痛:脳出血

5歳未満の初発頭痛

持続進行性の頭痛(経過観察中の悪化など):髄膜炎、脳腫瘍

突発(何時何分に起きた、何をしている時に起きたと正確に言える):クモ膜下出血

全身症状(発熱、るいそう、痙攣)

神経症状(麻痺複視)・精神症状などを伴う(特に1時間以上持続):脳出血

項部硬直がみられる(髄膜刺激症状がある):クモ膜下出血、髄膜炎

眼底検査で鬱血乳頭がみられる:本節すべて

担癌患者、免疫不全者、妊婦の初めての頭痛

発熱・発疹を伴う:髄膜炎

未明・早朝からの頭痛

運動、性行為、バルサルバ法により誘発された頭痛

頭を振ると頭痛がとてつもなく増強する(Jolt accentuation):髄膜炎

明るい物を見ると頭痛が増強する:緑内障、クモ膜下出血

虹彩が円盤状でなく球面状になっている:緑内障

最近の頭部外傷 : 硬膜下血腫

プライマリ・ケアにおいて頭痛を診療する医療従事者は、以上の徴候を見逃さないことが防衛医療の上でも重要である。特に急速に増悪する頭痛、病歴のつじつまが合わない、以前と違う、神経局在所見、睡眠から覚醒させるほどの頭痛がある場合は頭部CTが施行される場合が多い。危険な二次性頭痛を疑う兆候としてはSNOOPというものが提唱されている[要出典]。

SNOOP内容
Systematic symptoms全身性症状(発熱、倦怠、るいそう、筋痛)、全身性疾患(悪性疾患やAIDS)
Neurological神経欠落症状
Onset abrupt突然の発症、雷鳴頭痛、急速に悪化
Older40歳以上の新規発症
Pattern change以前と異なる頭痛(頻度、持続、性状、重症度)

一次性頭痛

頭痛は大きく、基礎疾患のない一次性頭痛と、別の原因疾患による二次性頭痛に分けられる[3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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