頭垢
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頭垢

ふけ
概要
分類および外部参照情報
ICD-9-CM690.18
DiseasesDB11911
MeSHD063807
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頭垢(ふけ、雲脂、英:dandruff)とは、皮膚から発生する、うろこ状の白い老廃物。頭皮に生じた新陳代謝によって頭皮に存在する角質細胞が剥がれることにより発生する。
原因

健康な人の皮膚にもいる常在菌の一種であるマラセチアによる。その影響は個人差があり、またストレス気候ホルモンの変化などの影響を受けており、原因をはっきりさせることは難しい[1]。冬に悪化するなど季節の影響を受けている場合がある[2]。過剰な太陽光への曝露が原因となることもある[2]。過剰なシャンプーや、櫛の頻繁な使用、特定の化粧品、また頭皮への治療薬が、接触性皮膚炎を起こすこともある[2]

頭皮の角質層のバリアを構成している脂質が減少し、頭皮の水分が損失している[1]。天然保湿因子で、水分を吸収している[1]。不要に掻きむしることはさらにバリア機能を弱体化させる可能性がある[1]

乳児では皮脂が活発に分泌される[3]。(乳痂)脂漏性皮膚炎でも6か月から1歳までに完全に消失する[4]
種類.mw-parser-output .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .trow>.thumbcaption{text-align:center}}ヒトの頭垢、走査型顕微鏡画像乾性フケ

フケ自体では障害にすぎないのか、病気なのかと議論されている[2]。単なるフケでは、脂漏性皮膚炎で生じるような紅斑はない[5]。単なるフケでは炎症は最小限だが、脂漏性皮膚炎では頭皮以外にも及び、炎症を起こしている[2]。フケが出るとき、しばしば痒みを伴う[1]。脂漏性皮膚炎はフケの重症型と考えられるが、ただのフケとの関連性については明確な定義はなく混乱がある[1]
脂漏性皮膚炎
位置づけマラセチア菌

フケ症は他の皮膚疾患が認められる場合を除き、脂漏性皮膚炎の軽症型に位置づけられる[6]

脂漏性皮膚炎では、頭だけでなく顔や耳の後ろ、胸の前部にも症状が出ることがあり、これは脂ぎっていたり、乾燥していたりする[5]。マラセチア(: Malassezia、癜風菌)と呼ばれる真菌類が、皮脂のトリグリセリドを分解して、オレイン酸アラキドン酸を作り出し、炎症を生み、表皮のバリア機能を壊し角質層を異常な状態にする[7]。しかし、マラセチアは脂漏性皮膚炎を生じない健康な皮膚にも存在する菌であるため、個々人の感受性が要因であるとされる[7]。フケ症の既往歴のある人では、オレイン酸を塗るとフケと酷似した病変を生じさせるが、既往歴のない人ではそうではない[5]
鑑別疾患

脂漏性皮膚炎と鑑別すべき疾患に尋常性乾癬や頭部白癬などがある[6]。以下のように、これらでもフケが生じることがある。

乾癬は脂漏性皮膚炎と症状は似ているが、フケはより厚い[3]


白癬は、(感染性の)真菌が原因で、円状に紅斑を呈す[3]ステロイド外用薬を使うと悪化する[3]

接触性皮膚炎

シャンプーでは、強い界面活性剤や残留成分が閾値を超えれば誰にでも起こりうる接触性皮膚炎を起こすことがあり、アトピー性皮膚炎の人のように皮膚バリア機能が低下して刺激に弱くなっているため起こりやすくなる[3]。アレルギー性の接触性皮膚炎では、髪染めに使われるパラフェニレンジアミンは原因となりやすい[3]。髪染めによるアレルギーでは生え際、顔にも症状を起こし、紅斑だけでなく、丘疹、びらんなどを生じうる[3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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