韓国ドラマ(かんこくドラマ)は、大韓民国(韓国)で製作されたテレビドラマのこと。略称は韓ドラ。
韓国ドラマにはジャンルに時代劇も含められることがあるが、本稿では現代劇を中心に述べる。 全体的にテーマの暗いものが多く、『出生の秘密』や『異母兄弟』をテーマに据えた、メロドラマの作風がほとんどを占めており、主要登場人物は極貧あるいは、大富豪や社長という設定が数多く用いられる[注 1]。登場人物達の派閥争いが多いのも特徴で、特に時代劇作品では李氏朝鮮期に数多くの派閥争いが繰り広げられていたことから多く行われている。 韓国で芸能活動経験を持つ笛木優子曰く、視聴者の意見を非常に大切にしているという。雑誌などで今後の展開を予想する企画があれば、その中の意見を重視して今後の展開を作るうえ、スタッフが電子掲示板の書き込みを常に気にしているそうである。このため死ぬ展開が予定されていた登場人物が視聴者の意見により死ななかったり、その逆もありえるという[1]。それ故台本[注 2]は撮影直前に演者に渡され、放送当日中に収録を行うなど制作環境は非常に過酷であり、加えて放送回数も多いため(後述)、俳優やスタッフが倒れることも珍しくなく、酷い時には過労死した事例もある[2]。 ドラマの放送は1話につき60?70分となっており、これを週2回(2日連続の同一時間)放送することが多い。2018年から2020年までは、CMの放送が無いKBS 1TVを除き、35分分割の1話2部構成を採っており、それの間にも間接広告を挿入する形式となっていた。また、平日19時台に1話あたり40?45分で週5日放送される帯ドラマ(イルイルドラマ)もある。1作品の話数も長く、一般的な長編ドラマは、50話台程度の制作となっている。長編ドラマで日本の1クール分に相当するのは「ミニシリーズ」と呼ばれ、全16話(8週)で固定されているが、評価が好調な場合は、最大20話台前半まで延長されることがある。イルイルドラマは120話程度放送されることが多い。 なお、日本より放送コードが厳しいことがあり、喫煙や刃物の犯罪目的の使用や銃器が出るシーン、出血描写はモザイク処理されるほか、外部版権キャラクターのイラストおよび造型物全般や登場人物の衣装までにもぼかしがかけられることが多い。その一方、プロダクトプレイスメントが積極的に行われており、登場人物の勤務先や小道具に実在の協賛企業が用いられているが、企業名の台詞での発言は行っていない[3]。 韓国のテレビ番組や有料動画配信サービスにおけるコンテンツの場合、視聴推奨年齢制度[注 3]が2002年から導入されており、ドラマの場合は15歳以上推奨が一般的[注 4]だが、表現の度合いや教養的要素によっては、12歳以上[注 5]や19歳以上[注 6]を推奨した作品もそれなりに存在する。 2000年代までの作品は韓国放送公社(KBS)、文化放送 (MBC)、SBSの地上波3大テレビ局が主に制作されているが、それに加え、2010年代以降はケーブルテレビ向け放送のCJ ENM[注 7]やENAに加え、同時期に行われた規制緩和[注 8]により、新たに開局した新聞社系総合編成チャンネル(JTBC、TV朝鮮、チャンネルA、MBN)が制作した作品もある[5]。
概要