韓国の競馬
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韓国の競馬では大韓民国(以下 韓国)における競馬について記述する。なお、名称の表記は可能な限り漢字を優先し、地名、人名などは必要に応じて片仮名表記も併記する。大韓民国成立以前の1945年までの競馬については朝鮮の競馬を参照。
歴史

韓国馬事会#沿革も参照のこと。

1898年5月に行われたロバによる競馬が記録に残る最古のものである。

1920年賭博を伴う近代的な競馬が各地で行われる。

1922年:社団法人朝鮮競馬倶楽部が設立される。5月20日に初の公式競馬開催(後に「競馬の日」と制定)。

1928年:新設(シンソル)に競馬場開場。

1933年:朝鮮競馬令が施行され、全国の非法人競馬団体による競馬は禁止される。

1942年:朝鮮馬事会を設立。

1949年:朝鮮馬事会を韓国馬事会(以下 KRA)に改称。

1954年:新設からトゥクソムに競馬場を移転。

1962年1月20日に韓国馬事会法の制定、公布。

1989年:果川(クヮチョン)にソウルオリンピックの乗馬競技場を改装する形でソウル競馬場開場。トゥクソム競馬場廃止。

1990年:済州(チェジュ)競馬場開場。

1992年:政府監督部署が農林水産部から文化体育部へと移管。

1993年:単一馬主制[1]を廃止し個人馬主制に移行。

2000年:競馬場から競馬公園に名称変更。

2004年IFHAからパートIII国として承認される。

2005年釜山慶南(プサンギョンナム)競馬公園が開場。

2016年:IRPACから2016年7月1日以降のレースが国際セリ名簿基準書におけるパートII国として承認されることが発表される(実際に対象になるのは5レースのみ)[2]

2022年コリアカップコリアスプリント(共に韓国G1)が国際G3として施行。

特徴

現在のところ、国内の競馬場すべてにおいてダートコースで競馬が行われている。複数の競馬場すべてがダートのみという施行形態は、世界的にも珍しい。

済州馬(チョランマル)と呼ばれる、在来種ポニーによる競馬が行われている。済州馬は天然記念物に指定されており、種の保護育成の目的も兼ねている。

勝馬投票券の種類は単勝複勝馬番連勝複式馬番連勝単式ワイド三連勝複式三連勝単式。1人あたりの1レースにおける賭け金は10万ウォンを上限とし、500万ウォン以上または100倍以上のオッズの払い戻しの際は窓口で住所氏名の記入が必要となる。控除率は単勝と複勝が20%、馬連、馬単、ワイドが28%。

射幸産業委員会の指示により、年間売上に上限が課せられている。2011年度は7兆8308億ウォンに設定されている。

競走馬調教師騎手は競馬場単位での所属となる。馬主条件、預託料、進上金の割合など、さまざまなルールや運営形態が競馬場ごとに違っている。また、レースへの参加は原則として所属競馬場に限られ、他の競馬場での参加は交流競走に限定されている。

内国産馬[3]外国産馬は別々のクラス区分になっていて、混合戦のみ両者が出走可能。外国産馬の出走可能レース数はソウル競馬場が全体の23%、釜山慶南競馬場が30.3%と低い。これは内国産馬と外国産馬のレベルの差が顕著なため、内国産馬を保護、優遇するための措置である。

通年開催ではあるが、夏休み旧盆前、旧正月明け、年末にまとまった日数の休催日が設定されている。7月15日から8月15日までの約1カ月間はナイター開催が行われる。また、毎週金曜日から日曜日までの3日間で開催されるが、釜山慶南が金曜日・日曜日、済州が金曜日・土曜日、ソウルが土曜日・日曜日と、1日のうち同時開催されるのは2場までとなっている。
韓国競馬実績
競馬開催

売上は2002年の7兆6491億ウォンが過去最大であるが、その後5兆ウォン台前半まで落ち込む。一方で総入場人員は2001年の年間1336万人から順調に増加。2005年に釜山慶南競馬場が開場したことで売上も再び上昇に転じ、2010年には7兆5765億ウォンと、2002年に匹敵する売上にまで回復した。2010年の総入場人員は2095万人と、2001年比で50%以上伸びている。釜山慶南競馬場が開場したことで、2010年の開催日数は2004年比で約50%、施行競走数は約30%増加した。
生産

韓国でのサラブレッド生産は1992年時点ではわずか150頭余りの繁殖牝馬で行われているにすぎなかったが、その後急速に発展。2011年の繁殖牝馬登録頭数は2407頭と約16倍の規模に成長した。種牡馬頭数も102頭と、2004年の48頭から倍増している。生産頭数も2004年比で約30%増加した。それにともない、輸入競走馬はピーク時の3分の2程度に落ち込んでいる。なお、韓国の馬産は済州島が中心地で、繁殖牝馬の80%以上、生産農家の70%以上がこの地に集中している。
韓国の競馬場、各種施設
競馬場


ソウル競馬場 - 1989年開場。元ソウルオリンピック馬術競技会場。競馬開催は毎週土曜、日曜。

釜山慶南競馬場 - 2005年開場。元アジア競技大会馬術競技会場。競馬開催は毎週金曜、日曜。

済州競馬場 - 1990年開場。済州島にある済州馬専門の競馬場。競馬開催は毎週金曜、土曜。

永川競馬場 - ヨンチョン競馬場。2026年後半開場予定[4]

育成施設


元堂(ウォンダン)牧場
1984年開場。当初は育成牧場であったが、長水(ジャンス)育成牧場に機能移転後は競馬学校として利用されているほか、周辺住民に公園として開放されている。

済州育成牧場
1995年開場。生産の改善とKRA所属の競走馬のトレーニングを目的としている。2011年時点でKRA所有の種牡馬13頭が繋養されており、無料で種付けが行える。

長水育成牧場
2007年開場。競走馬の質的向上と地域均衡発展を図ることを目的としている。デビュー前の育成施設として、馬房の約6割を民間の育成業者に貸し付けている。これにより、競走馬の入厩からデビューまでの期間を2カ月程度早期化できたという。2011年時点でKRA所有の種牡馬4頭が繋養されており、無料で種付けが行える。セリも行われている。
場外馬券場
全国に合計31カ所の場外馬券場があり、KRA所有が15カ所、賃貸が16カ所。ソウル近辺に24カ所、そのほかの地方に7カ所存在する。周辺環境への影響に配慮し、社会福祉事業や文化スポーツ活動支援事業などを通じて、地元住民への還元を行っている。
日本との関わり
競走馬、種牡馬

日本の併合時代は馬匹資源の供給と馬政財源の拡大を目的に、李王家が所有していた蘭谷牧場[5]を中心に馬産が行われ、日本からトクマサハクシヨウなどが繁殖用に送り込まれた。しかし終戦後の混乱でその行方、最期は明らかではない。戦後は朝鮮戦争の影響、長年日本人主導で行われてきた競馬界への民族的反発などで韓国競馬は低迷。それらの事情もあり、1965年に日韓の国交が回復してもなお、長い間目立った交流は行われなかった。

日韓競馬界が再び交流するようになったのは1980年代に入ってからである。まず、1984年日本ダービーコーネルランサーが、当時の韓国大統領で同年に国家元首として戦後初めて日本を公式訪問した、全斗煥に寄贈された。1990年にはプレストウコウラッキールーラカツトップエース、ヤマノスキーが種牡馬として韓国に寄贈された。


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