本来の表記は「尋常性?瘡」です。この記事に付けられた題名は技術的な制限または記事名の制約により不正確なものとなっています。
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尋常性ざ瘡
(にきび)
14歳の思春期・男性の頭部に出現したにきび。
軽度の炎症を起こしている。
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野皮膚科学, 家庭医療
ICD-10L70.0
尋常性?瘡(尋常性ざ瘡、じんじょうせいざそう、英語: Acne vulgaris, 略語: AV)は、顔や背と胸に見られる炎症性皮膚疾患の一つ。単に?瘡 / ざ瘡 / 座瘡(ざそう、Acne)または、面皰(めんぽう)と表記されることもある。一般的に青少年の顔面に生じる皮膚病をにきびと呼び、それ以外は吹き出物(ふきでもの)とすることが多い。にきびの語源は諸説ある[1]。「尋常」は、普通にという意味[2]。ざ瘡は、医薬品を処方する際の便宜上、表在性皮膚感染症に分類されることが多いものの、感染症とする根拠はない[3]。語源となっているアクネ菌(英語版)は、皮膚の常在菌である。日本では90%以上の者が経験する疾患であることから、「にきびは青春のシンボル」とも言われている[4]。
治療では、1990年代以前は、抗生物質内服で炎症のあるニキビが治療対象だったが、2008年には日本でもレチノイド(ビタミンA誘導体[5])のアダパレンが承認され炎症前の治療が可能となり、抗生物質による耐性菌増加の懸念から代わりに過酸化ベンゾイルが用いられるようになった[6]。抗生物質のみの使用は推奨されず、3か月をめどに使用を判定し維持期にも使用しない[4]。アメリカのガイドラインで推奨度とエビデンスレベル共に最も高いのは、「抗生物質と過酸化ベンゾイル併用」もしくはアゼライン酸である[5]。こうした薬剤は皮膚を乾燥させる傾向にあり、ニキビの人に適した保湿剤が役立つ[7]。ティーツリー配合ジェル[8]、紅茶や[9]緑茶成分の入った化粧水[10]の有効性も報告されている。
目次
1 症状と徴候
2 原因
2.1 要因
3 診断
3.1 WHO国際疾病分類(ICD-10)
3.2 鑑別疾患
3.3 重症度判定
4 治療
4.1 医薬品による治療
4.1.1 抗生物質内服
4.2 栄養素の外用・内服
4.3 民間療法
5 各国のガイドライン
5.1 コクラン・レビュー
6 疫学
6.1 有病率
7 社会と文化
8 注釈
9 出典
10 参考文献
11 関連項目
12 外部リンク
症状と徴候 断面の模式図 黒にきびを潰して出てきた皮脂の塊(角栓)
前額部(おでこ)、頬、口の周り、下顎、背中や胸の中央など皮脂分泌量の多い皮膚に生じる発疹で、面皰と呼ばれる毛包に角質や皮脂が詰まった皮疹で下述の種類がある[11]。臨床的には、「非炎症性ざ瘡」と「炎症性ざ瘡」に大別される[12]。
白ニキビ - 毛穴に皮脂が詰まる。患部が膜で覆われて表面はまだ閉じており、発疹は白から乳白色。皮脂の栓は押し容易に圧出しない。
黒ニキビ - 毛孔が閉鎖している。白ニキビが少し進行した状態で、皮脂が盛り上がり穴があくことで患部を覆う被膜が開き、内容物が酸化して黒っぽく変色。皮脂の栓は押し容易に圧出する。
赤ニキビ[13] - 黒ニキビが更に進行した状態で、毛穴に詰まった皮脂に雑菌やアクネ菌が繁殖。