非SI単位
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非SI単位(ひ SI たんい)(non- SI unit)とは、主としてメートル法による単位であるが、国際単位系(SI)に属しない様々な単位である。メートル法以前から汎用されていた単位(度 (角度)分 (角度)秒 (角度)など)、メートル法以後のメートル系の単位(ヘクタールリットルトンオングストロームエルグダインバーン重量キログラムなど)が含まれる。

非SI単位を広義に「SIではない単位」とした場合には、尺貫法による単位やヤード・ポンド法による単位など古今東西の無数の単位を含むことになるが、通常はそれらを取り立てて非SI単位とは呼ばない。非SI単位の対義語は、「SI単位」である。

日本の計量法における法定計量単位は、SI単位を基本にしているとうたわれることが多いが、実際には多数の非SI単位を含んでいる(後述)。

以下に、非SI単位を列挙するが全てを尽くしているわけではない。
非SI単位の2つの分類

国際度量衡委員会(CIPM)は、SI国際文書の第9版(2019年)に至って、非SI単位のうちSIと併用できる単位を少数(15単位)に限定し[1][2]、その第1版(1970年)以来の、実験的に求められる単位、暫定的に併用できる単位、CGS単位、その他の単位などを一切、国際文書に記載しないこととした。そのため、ここでは、便宜的に、非SI単位を次の2つに分類する。

SIと併用できる非SI単位、すなわちSI併用単位であり、全部で15単位ある。詳細はSI併用単位を参照。

1970年(第1版)から2006年(第8版)までのSI国際文書に記載されていた非SI単位[3][4]。この記事において記述する。

2006年第8版に掲げられていた非SI単位

国際単位系(SI)国際文書第8版(2006年)(廃版)第4章の表7、表8、表9に掲げられていた単位である。正式にはSIとの併用が認められていないが、SIとの換算数値を明記することにより、使用が許容されていた単位である[5]

表7 SI単位で表される数値が実験的に求められる非SI単位[6]
 SIとの併用が認められている単位  4単位:電子ボルトダルトン統一原子質量単位天文単位(ただし天文単位は2014年の補遺によって、SI併用単位に格上げされていた[7]。) 自然単位系  4単位:速さの自然単位(真空中の光の速さ)、作用の自然単位(換算プランク定数)、質量の自然単位(電子質量)、時間の自然単位 原子単位系  6単位:電荷の原子単位(電気素量)、質量の原子単位(電子質量)、作用の原子単位(換算プランク定数)、長さの原子単位・ボーア(ボーア半径)、エネルギーの原子単位・ハートリー(ハートリーエネルギー)、時間の原子単位

表8 その他の非SI単位[8] 9単位: バール水銀柱ミリメートルオングストローム海里バーンノットネーパベルデシベル


表9 CGS単位系およびCGSガウス単位系に属する非SI単位[9]  10単位:エルグダインポアズストークススチルブフォトガルマクスウェルガウスエルステッド 10単位

  (注)このうちガル(Gal)については第9版表8の欄外注に掲げられており、やや特別な扱いになっている。

以上の表7、表8、表9の単位のうち、天文単位(ただし2014年の補遺によって既にSI併用単位となっていた[7]。)、ダルトン電子ボルトネーパベルデシベルの6単位(およびガル)は、第9版(2019年)のSI併用単位に格上げされ、残りの単位は全て第9版からは削除された。
2006年よりも前に掲げられていた非SI単位

国際文書の1970年の第1版以降、1998年の第7版までの国際文書に掲げられていた単位である[10]。SIと併用できる単位、実験的に得られる単位、CIPMとしては使用を推奨しない単位、使用を避けるべき単位など様々であった。以下の分類では、国際文書の版によって扱いが異なるため、重複がある。

SIと併用できる単位:SI併用単位#SI文書における位置づけの推移を参照。

実験的に得られる単位:SI併用単位#SI文書における位置づけの推移を参照。


暫定的にSIと併用できる単位:海里ノットアールヘクタールバールオングストロームバーンガルキュリーレントゲンラドレム

特別の名称を持つCGS単位:エルグダインポアズストークスガウスエルステッドマクスウェルスチルブフォトガル

その他の非SI単位の例:キュリーレントゲンラドレムX単位ステールγ磁束密度の単位、=1ナノテスラ (nT) = 10?9 T )、γ(質量の単位、= 1マイクログラム (μg) = 10?9 kg)、ラムダ、ジャンスキーフェルミ、メートル系カラットトル標準大気圧カロリーミクロンキログラム重

法定計量単位である非SI単位

日本の計量法法定計量単位として認めている非SI単位は次のようになっている。太字になっているものは、SI国際文書の第9版(2019年)が認めるSI併用単位である。
計量法第3条、別表第1関係

この別表第1は表題が「SI単位に係る計量単位」となっているが、実際には多くの非SI単位が混在している(計量法#SI単位との関係による分類[11]。以下の非SI単位は、別表第1における列挙の順序である[12]。メートル毎時、グラム毎リットル、毎分、毎時、ワット時、クーロン毎キログラム毎時、レントゲン毎秒のような単位の組み合わせとなっているものはここには掲げていない。

質量:トン

時間:分、時 

角度:度、分、秒

体積:リットル

圧力:バール

放射能:キュリー 暫定的使用、SI単位はベクレル(Bq)


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