非写実的レンダリング
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非写実的レンダリング (Non-Photorealistic Rendering、NPR) とは、非写実的なコンピューターグラフィックレンダリングのことである。ノンフォトリアリスティックレンダリングとも言う。

非写実的レンダリングは、写実的レンダリング以外の全てを含むため、様々な画風・用途 (漫画、イラスト、スケッチ、セルアニメ、テクニカルイラストレーション水彩油絵水墨画日本画点描ドット絵など) のために様々な手法が存在する。
目次

1 3DCGにおけるNPRレンダリング技法

1.1 レンダリング手法

1.2 シェーディングモデル

1.3 シェーディング補助手法

1.4 カメラ投影

1.5 エフェクト


2 2DにおけるNPRレンダリング技法

3 出典

4 外部リンク

3DCGにおけるNPRレンダリング技法
レンダリング手法
大域照明 (グローバルイルミネーション、GI) レンダリング
一般的な物理ベースの大域照明レンダラー (Arnold、V-Ray、Cycles等) を使って非写実レンダリングを行うことも可能である。ただし、大域照明レンダリングを行う場合、シーンに光が増殖しないようにシェーダーが
エネルギー保存の法則を満たす必要があるほか、重点サンプリングのためにシェーダー (OSLシェーダー、レンダラー固有のC++シェーダー等) でライトベクトルが使えないなどの制限が存在し[1]、使える非写実的シェーディングモデルが限られてくる。
局所照明 (ローカルイルミネーション) レンダリング (ラスタライザとレイトレーサのハイブリッドレンダリング)
RenderMan/REYES (廃止)やその互換実装 (3DelightのRSLモード (廃止) 等)、Mental Ray (開発終了)、Maya Software、3ds Max Scanline、Blender Internal (廃止)などが、このレンダリング手法に対応している。シェーディング言語としては、RSLシェーダーやMetaSLシェーダーが使われている。エネルギー保存の法則を満たす必要が無いため様々な非写実的シェーディングモデルが使いやすいものの、反射回数を増やす場合、アーティファクトが起こりやすくなり、反射回数を減らす場合、補助ライトを増やす必要がある。
ラスタライズレンダリング
ゲームエンジンなどで使われている。シェーディング言語としては、GLSLシェーダーやHLSLシェーダーが使われている。ラスタライズだけでなくレイマーチングや画面空間レイトレーシングなどと組み合わせる事もある。アーティファクトが起こりやすい。
ベクターレンダリング
ベクターレンダラー (Maya Vector、BlenderのFreestyle等) が存在し、エッジレンダリングやベクター画像出力のために使用されている。
シェーディングモデル
物理ベースシェーディング (PBS)
物理ベースシェーディングを非写実的3DCGの作成に使うことも可能である。物理ベースシェーディングを使用した非写実的3DCGには、例えば、ピクサーディズニーのアニメーション映画がある[2]
セルシェーディング
セルシェーディングはアニメやセルアニメ風のCGに良く使われているシェーディング法であり、シェーディング結果を主色と陰色に変換する。セルシェーディングを使用した非写実的3DCGには、例えば、アークシステムワークスのセルアニメ風3Dゲーム (GUILTY GEAR Xrdドラゴンボール ファイターズ等) がある。GUILTY GEAR Xrdでは、「影の入りやすさ」に相当するセルシェーディングの閾値を頂点カラーで制御している[3][4]ほか、「ハイライトの入りやすさ」をテクスチャで制御している[4]
Gooch shading(英語版)
主にテクニカルイラストレーションに使われるNPRシェーダーであり[5]、寒色と暖色を指定して、二値化の代わりに寒色から暖色の間のグラデーションを生成する。
ランプシェーダー (Ramp Shader)
二値化や単純なグラデーションの代わりに任意の傾斜 (Ramp) を使うシェーダーであり、セルシェーディングやGooch shadingよりも自由な表現が可能。テクスチャルックアップによる実装もある (ランプテクスチャ)。
Half-Lambert / Wrapped Diffuse シェーディングモデル
非写実的な表面下散乱シェーディングモデル。Half-LambertはValveの初代ハーフライフで使われていたものであり、Wrapped DiffuseはHalf-Lambertを拡張したもの[6]。ハーフライフだけでなく、他のValve製のゲーム (Team Fortress 2[7]など) でも使用されている。エネルギー保存の法則を考慮していないため、エネルギー保存の法則を満たすには正規化が必要となる。
Dota 2ヒーローシェーダー
ValveのDota 2で使われていたNPRシェーダーであり、Marmoset Toolbagなどのツールでサポートされている[8]。物理ベースシェーディングと同じくメタルネス (金属さ、金属度) を導入している[9]ものの、ラフネス (マイクロファセット理論における粗さ) は不使用となっており、フレネル反射の調整はフレネル強度 (リムライトマップ) で行っている[9]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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