静かなる決闘
監督黒澤明
脚本黒澤明
谷口千吉
原作菊田一夫
出演者三船敏郎
志村喬
三條美紀
千石規子
音楽伊福部昭
撮影相坂操一
『静かなる決闘』(しずかなるけっとう)は、1949年(昭和24年)3月13日公開の日本映画である。大映製作・配給。監督は黒澤明、主演は三船敏郎。モノクロ、スタンダード、95分、検閲認証番号:10202。
原作は菊田一夫の戯曲『堕胎医』で、梅毒に感染した青年医師の苦悩を描いたヒューマンドラマ。東宝争議の影響で東宝を脱退した黒澤が、初めて他社で製作した作品である。第23回キネマ旬報ベスト・テン第8位。 戦時中の野戦病院で軍医として働く青年医師の藤崎恭二は、患者の中田を手術中に、誤って自分の指に怪我をし、患者の梅毒に感染してしまう。復員後、父の産婦人科医院で働くことになったが、梅毒の感染を隠し、婚約者の美佐緒と結婚することが出来ずにいる。美佐緒は藤崎が自分に対して距離を置き、何時までも親しくなれないことに苦悩していた。ある日、藤崎が自分の病気の秘密を父親に告白しているところを、見習い看護師の峰岸るいに立ち聞きされてしまう。峰岸は元ダンサーで暗い過去を持ち、藤崎の日頃の誠実な行動と発言に反感を抱いていた。その後も藤崎は己の病と闘いながら、訪れる患者に対しては黙々と治療を続けていく。一方、秘密を聞いたことで藤崎に対するわだかまりが解けた峰岸は、人間的に少しずつ成長していくのであった。そんな折、藤崎は偶然元患者の中田と再会し、中田が梅毒を放置したまま結婚し、近々子供が生まれることを知る。 本作の原作である『堕胎医』は、千秋実が主宰する劇団薔薇座
ストーリー
スタッフ
監督:黒澤明
企画:本木荘二郎、市川久夫
原作:菊田一夫『堕胎医』より
脚本:黒澤明、谷口千吉
撮影:相坂操一
録音:長谷川光雄、須田武雄
照明:柴田恒吉、法島繁義
音楽:伊福部昭
美術:今井高一、荒木清
装置:石崎喜一
小道具:神田一郎
背景:西牧恭平
園芸:坂根音次郎
工作:田村達治
電飾:横手三四郎
技髪:牧野正雄
結髪:田中つねえ
衣裳:藤木しげ
音響効果:花岡勝次郎
移動:大久保松雄
スチール:椎名勇
記録:古川八千恵
編集:辻井正則
俳優事務:相川好子
製作主任:川本武男
キャスト
藤崎恭二:三船敏郎(東宝)
松本美佐緒:三條美紀
藤崎孝之輔:志村喬(東宝)
中田進:植村謙二郎
野坂巡査:山口勇
峯岸るい:千石規子(東宝)
中田多樹子:中北千枝子(東宝)
骨董屋:宮島健一
老兵:佐々木正時
巡査:泉静治
アッペの父:伊達正
係長:宮島城之
衛生係長:宮崎準之助
ギブスの青年:飛田喜佐夫
労働者:高見貫
アッペの母:須藤恒子
みいちゃん:若原初子
看護婦今井:町田博子
見習看護婦:松村若代
事務員:池上湧子
アッペの少年:松本茂
少年:工藤洋輔
作品解説