青林堂
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青林書院」とは異なります。

青林堂
正式名称株式会社青林堂
前身大和書店
足立文庫
日本漫画社
三洋社
現況事業継続中
法人番号5011001012276
設立日1962年(昭和37年)
代表者長井勝一1962年 - 1990年
山中潤(1990年 - 1997年
福井源1998年
蟹江幹彦1999年 - 現在)
本社郵便番号150-0002
本社所在地東京都千代田区神田神保町1-55[要出典]
→千代田区神田神保町1-62 平川ビル
渋谷区初台1-47-1 小田急西新宿ビル8階
→渋谷区渋谷3-7-6 第6矢木ビル
従業員数3名
主要出版物ガロ(休刊)
ジャパニズム(休刊)
関係する人物長井勝一(創業者)
白土三平(創業者)
高野慎三ガロ編集者)
手塚能理子ガロ副編集長)
白取千夏雄(ガロ副編集長)
外部リンク ⇒GARO WEB 青林堂
Twitter青林堂
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株式会社青林堂(せいりんどう)は、東京都渋谷区に本社を置く[1]1962年創業の老舗出版社である[2]

漫画専門出版社の草分け的存在で「ガロ系」と称される一群の漫画作家を輩出し、日本漫画文化史上に一時代を築いたと言われる[2]
歴史
前史

1959年、貸本漫画出版社の「日本漫画社」を経営していた長井勝一の友人である小出英男、夜久勉の出資により、長井を業務責任者とし、青林堂の前身となる「三洋社」が設立される[3]。青林堂の成立時期に関しては、元・青林堂編集者の高野慎三によれば、定かではなく、1957年発行の貸本業界の機関紙『全国貸本新聞』の1962年には青林堂の広告が掲載されているが、それ以前にはないのでこの年が発足時期だろうと推測している。また、白土三平の『サスケ』が刊行されていたのと同時期に、長井が参加していた三洋社からは『忍者武芸帳 影丸伝』が続刊され、即ち『サスケ』と『忍者武芸帳』は三洋社と青林堂から同時期に出版されていたという。さらには、高野は青林堂の前身は新刊書店で長井の実姉の長井貴久子夫妻が経営していた「青林堂」であり、長井がかかわる前から存在していたように見え、青林堂を立ち上げたのはこの姉ではないかとも証言している。それは、貴久子が高野が入社した1966年当時、長井に対してオーナー然とした態度で接し、「石森さん」「赤塚さん」と親しげに口にしていたことなどから推測されたとしている[4]

三洋社では白土三平の『忍者武芸帳』や水木しげるの『鬼太郎夜話』などの貸本漫画を世に送り出しヒットさせた。特に白土の『忍者武芸帳』は1962年まで全17巻を刊行する。これは当時としても破格の大長編であり、貸本漫画最大のヒットとして金字塔を打ち立てる[5]

白土の『忍者武芸帳』は、それまでの荒唐無稽な忍者漫画とは異なり、作中で使用される忍術にも科学的考証による説明が与えられ、リアリティが醸し出されていた。手塚治虫によると、白土が登場してから子供漫画には重厚なドラマリアリティイデオロギーが要求されるようになったという[6]

『忍者武芸帳』で展開される階級闘争は、労働者階級の読者からインテリ層まで絶大な支持を受け、全共闘世代のバイブル的存在となる。また『忍者武芸帳』は安保闘争と関連づけて論じられることも多かったが、長井や白土本人は「読者が安保闘争に関連づけて読むのは勝手である」としつつも「あれと安保は余り関係がない」と語るなど、特に時流を意識していた訳でもなかったという[7]
黎明期

三洋社の解散後、長井勝一は1962年に神田神保町で新出版社「青林堂」を創業する[注 1]。当初は三洋社時代と同様に貸本漫画を中心に出版していたが、1964年7月24日より白土三平と共同で漫画雑誌『月刊漫画ガロ』を創刊する。当時は劇画ブーム前夜であり、『ガロ』は全共闘時代の大学生に強く支持され一世を風靡した[2]。後に7月24日は「劇画の日」と呼ばれるようになる[8]

元々『ガロ』は題材・内容と、そのスケールから連載する場所が無かった白土の漫画『カムイ伝』の連載の場を設けることが創刊の最大の目的であった。同時に、活躍の場を失いつつあった貸本漫画家への媒体提供と、新人発掘のためという側面もあった。また青林堂では商業的なメジャー系出版社の漫画事業と対極のスタンスで、掲載作品の作品性を重視する編集方針を取り、白土三平水木しげるといった有名作家から、つげ義春花輪和一安部慎一鈴木翁二古川益三蛭子能収根本敬山田花子ねこぢる山野一みうらじゅん内田春菊林静一丸尾末広近藤ようこ杉浦日向子やまだ紫矢口高雄ひさうちみちお久住昌之古屋兎丸福満しげゆきといった「ガロ系」と称される一群の漫画作家に表現の場を与え輩出し、日本漫画文化史上に一時代を築いた[2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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