『青少年のための管弦楽入門』(せいしょうねんのための かんげんがくにゅうもん、The Young Person's Guide to the Orchestra)は、イギリスの作曲家ベンジャミン・ブリテンが1945年に作曲した管弦楽曲。プロコフィエフの『ピーターと狼』と並んで、オーケストラの入門曲として非常に有名な作品である。
映像外部リンク 独特のタイトルで有名な曲である。変奏曲のそれぞれの変奏に、オーケストラで使用されるさまざまな楽器の独奏を配置する、という形式をとる。それぞれの変奏には解説が付いており、オーケストラの各々の楽器を紹介する形になっている。 英国放送協会(BBC)が制作した音楽教育映画 "Instruments of the Orchestra" (オーケストラの楽器)のために、1945年12月中旬から同月31日深夜にかけて作曲された。映画は翌1946年11月29日に公開された。映画ではマルコム・サージェントが指揮と解説(ナレーション)を行い、ロンドン交響楽団が演奏した。映画の公開に先立ち、同年10月15日に同じく指揮サージェント、解説エリック・クロージャー(後述)の下、リヴァプール・フィルハーモニック管弦楽団によって初演された。 ヘンリー・パーセルの劇付随音楽『アブデラザール』の「ロンド」の主題による変奏曲とフーガである。トゥッテイとアンサンブルからなる主題提示部、変奏とフーガからなる展開部、再現部、結尾部の4つから構成されている。曲の性格上、親しみやすいメロディを前面に押し出した、平明な音楽となっている。 パーセルの主題が、編成を変えて以下の順に提示される。Allegro maestoso e largamente 主題がオーケストラの各々の楽器で変奏される。変奏する楽器の順は以下のようになっている。 ブリテンのオリジナルな主題を用い、変奏において紹介された楽器の順に入ってフーガを形成した後、パーセルの主題との二重フーガに移行し、壮大なコーダで盛り上げて終える。二重フーガは再現部に相当し、そこからニ長調に転調する。Allegro molto
青少年のための管弦楽入門(全曲)
Benjamin Britten - The Young Person's Guide to the Orchestra 。Saraste 。WDR Symphony Orchestra - ユッカ=ペッカ・サラステ指揮ケルンWDR交響楽団、WDR Klassik公式YouTubeチャンネル
概要
オリジナル作品名:青少年のための管弦楽入門 - パーセルの主題による変奏曲とフーガ 作品34
原語曲名:The Young Person's Guide to the Orchestra - Variations and Fugue on a Theme by Purcell, op. 34(英)
演奏時間:15 - 20分(ブリテン指揮ロンドン交響楽団による自作自演盤では、解説ナレーションなしで16分35秒)
作曲時期:1945年12月
初演:1946年10月15日 サージェント指揮 、リヴァプール・フィルハーモニック管弦楽団
調性:ニ短調 - ニ長調
曲の構成
主題の提示
トゥッティ
木管合奏
金管合奏
弦楽合奏
打楽器合奏
トゥッティ
変奏
フルートとピッコロ Presto
オーボエ Lento
クラリネット Moderato
ファゴット Allegro alla marcia
ヴァイオリン Brillante: alla polacca
ヴィオラ Meno mosso
チェロ
コントラバス Cominciando lento ma poco a poco accel. al Allegro
ハープ Maestoso
ホルン L'istesso tempo
トランペット Vivace
トロンボーンとチューバ Allegro pomposo
打楽器 Moderato
ティンパニ
大太鼓とシンバル
タンブリンとトライアングル
小太鼓とウッドブロック(木魚)
シロフォン(木琴)
カスタネットとタムタム(銅鑼)
むち
フーガ
編成
フルート3(ピッコロ1)
オーボエ2
クラリネット2 B♭, A
ファゴット2
ホルン4 F
トランペット2 C
トロンボーン3
チューバ1
ティンパニ
打楽器群
シンバル
トライアングル
大太鼓
小太鼓
タムタム
タンバリン
シロフォン
ウッドブロック
カスタネット
むち
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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