霜の巨人
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リヒャルト・ワーグナーの『ニーベルングの指環』へのアーサー・ラッカムの挿絵における、巨人ファーフナーとファーゾルトがフライアを捕らえる場面。

霜の巨人(しものきょじん)は、北欧神話巨人。超人的な強さをもつ、大自然の精霊の集団の一員である。古ノルド語ではj?tunn(ヨツン、ヨトゥン、ヨートゥン)といわれ、時にはjotun(/?jo?t?n/[注釈 1]と発音される)のように英語化される。

霜の巨人は アース神族ヴァン神族とは反する立場にあるといわれている。しかし彼らは頻繁に交流したり、あるいは彼らは結婚さえしたりした。彼らの祖国は、高い山または密林によって人間の世界ミズガルズから隔てられた、古代北欧の宇宙論における9つの世界の1つ、ヨトゥンヘイムである。ニヴルヘイムウートガルズヤルンヴィドを含むその他の地名もまた、彼らに関係がある。いくつかの伝説や神話においては、彼らは人間と同様の背丈であると描写されている。

後の北欧の伝承において、「神秘的」を意味する語に由来するトロールと呼ばれた大自然の精霊は、j?tunn についてのより古くからの発想様式の多くを受け継いでいた。

また、南ノルウェーの山脈はノルウェー語でヨートゥンハイメン(Jotunheimen)、あるいはヨトゥンヘイム山脈と呼ばれている。
語源

古ノルド語において、彼らはj?tnar(単数 j?tunn)、あるいはrisar(単数 risi)、特別なものとしてはbergrisar、あるいはtursar(単数 turs)、特別なものとしてはフリームスルス(hrimtursar。霧氷の巨人)である。女巨人(en)はまた、gygrとも呼ばれる。

J?tunn(ゲルマン祖語の *etunaz)は、食う(英語 eat、ゲルマン祖語 *etan)と同じ語根である可能性がある。そして、混沌と大自然の破壊的な力を擬人化するという趣旨のもと、それゆえに「大食い」(glutton)または「人食い」の原義があった[1]。 同じ理屈を適用し、turs[注釈 2]は「渇き」(thirst)または「血への渇き」の派生語である可能性がある。単語「jotun」は巨人(より一般にはトロールとも呼ばれた)のこととして現代のノルウェー語にも残っており、現代のスウェーデン語デンマーク語ではjatteとjatteとに変化した。現代のアイスランド語のjotunnはその原義を保管している。

古英語において、「j?tunn」と同じ語源の単語は「eoten」であり、現代の英語の「ettin」がそれにあたる。古英語にはまた、同じ意味の、同じ語源の語である「tyrs」がある ⇒[1][リンク切れ]。

フィンランドの海の怪物と戦争の最高神は、単語「turs」に関係していると思われるイク・トゥルソ(Tursas)の名で呼ばれた。

サーミ語(またはフィン語)は、話語者らの神話にjiettanasという、数人の妻をもつ人食い人がいる。彼らは人間に捕らえられ食われることがあり得た。そして彼らの胃袋は金と銀で一杯だった。この単語がゲルマン語系の言語に由来したのか否かは不明である。

ヴァイキングのルーン文字 「?」は、Thurs (ゲルマン祖語の *Turisazより)と呼ばれ、後に文字「T」(en:Thorn (letter))へと発展した。

北欧の伝承における一種のトロールまたはニッセ(nisse)に対するノルウェー語の名「Tusse」は、古ノルド語「Turs」に由来している。
北欧の巨人
起源

最初に生きていた生物は、ギンヌンガ・ガップとして知られている太古の混沌の中で作られた、ユミルと呼ばれる巨人だった。彼が眠った時、巨人の息子と巨人の娘が彼の腋の下から生まれた。そして、彼の2本の足がまぐわい、6つの頭を持つ怪物を生んだ。これらの3体の生物は、フリームスルス(霧氷の巨人、または、霜の巨人)の血統を生じさせたと推測される。そしてアウルゲルミル、その子スルーズゲルミル、その息子ベルゲルミル(『古エッダ』の『ヴァフズルーズニルの歌』第29節による)は、霧と寒気と氷の世界ニヴルヘイムに住むようになった。神々はブーリを特定し、彼から自分たちの源が生じたと主張する。


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