電磁調理器
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出典検索?: "電磁調理器" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2018年7月)
電磁調理器(赤い部分は動作中のラジエントヒーター(RH)で、従来の電気コンロの効率を改善したもの。右手前と左奥が誘導加熱(IH)部で、動作中に発光することはないが、通電状態を示すために電気コンロを模して加熱部周辺が光る機能を持たせたものもある) 卓上電磁調理器

電磁調理器(でんじちょうりき)とは、内部に配置されるコイルに流れる電流により、所定の種類の金属製の調理器具を自己発熱させる、加熱のための器具である。加熱原理は誘導加熱英語: induction heating、IH)であり、IH調理器とも呼ばれる。ガスを使用せず、電力のみで動作する。一般的には、コンロ型をしている調理器具を言う。IH炊飯器などの、同じ加熱原理を用いる機器を含めることもある。

IHクッキングヒーターと言った場合は、コンロ型の調理器を限定して指す場合が多い。目次

1 特徴

2 加熱原理

3 他の方式のコンロと比較した場合の特質

3.1 安全性

3.2 清掃性

3.3 加熱調理の特徴

3.4 使用可能な調理器具

3.5 熱効率

3.6 換気・空調

3.7 災害

3.8 電磁波

3.9 騒音

3.10 日本の規制や規格等

3.11 調理品の食味


4 指摘されている問題点

4.1 CO2排出量

4.2 安全性

4.3 宣伝文句


5 日本国内のIH調理器メーカー

6 脚注

7 参考文献

8 関連項目

9 外部リンク

特徴

電磁調理器は、電気コンロ同様に電力により加熱を行う。燃焼を伴わないため、室内の空気を汚さず、火事対策が簡略化できる(=内装制限の緩和)などのメリットがある。また、安定した加熱管理制御が容易に行えるため、スープなどの液体の加熱に適している。その反面、等をガラストップ(コイル)から遠ざけてしまうと、誘導加熱および鍋釜等の温度検出ができず、加熱を停止させてしまう機種が多い。また、フライパンを使った場合に、調理ムラを生じ易いといった欠点がある。

なお、専用のステンレスポットを用いる湯沸用の小型電磁調理器を、電磁式サーバー(デンジサーバー)といい、ホテルや旅館といった宿泊施設などで用いられる。
加熱原理詳細は「誘導加熱」を参照

電磁調理器では、欧米で鉄部品を中性雰囲気で加熱する手法として産業用途で日本より早く普及し始めた。インバータにより商用電力から変換して得た数十kHz交流電流を、電磁調理器の天板の内部に近接して配置されたコイル(通常は視認できない)に流し、その電流と同じ周波数で交番する磁束を生成する。天板上に適切な材質(ある種の金属)製の鍋釜等を配置すると、磁束が及ぶ領域に位置する鍋釜等の底板が自己発熱し、調理が可能となる。この熱は、磁束の時間変化により、電磁誘導の原理によって誘起された渦電流が金属の電気抵抗により熱に変換されたジュール熱や、交番している磁束が底板の磁性体に生じさせる熱(ヒステリシス損)である。

鍋釜それ自体が熱を発する自己発熱であるために、電磁調理器では、投入電力からみた熱効率は高い。しかし、電気エネルギー熱エネルギーへ変換するため、火力発電所発電された電力であれば、熱エネルギーへの再変換となり、結果として、発電所まで含めた総合エネルギー効率は、火を使用する調理機器と比べ、約6%程度低くなる。
他の方式のコンロと比較した場合の特質
安全性

住宅火災の原因のトップクラスはガスコンロによる火災であり[1]、対してIHは火がないため、着衣等に火がつく心配がなく、立ち消えの心配もない。人体に有害な窒素酸化物も腐臭剤由来の硫黄酸化物やPM2.5も発生しない。

ただし、誤った使用法等のために火災はおきている。また、ガスコンロに比べ、作動していることが明確ではなく、また、ガスコンロのガラストップ同様に天板等には高温となる領域もあるため、特有の注意が必要である。調理を目的に鍋等が加熱されることはもとより、その鍋等の下面に位置する(していた)天板にも、鍋底などからの熱が伝わり、高温となる。特に、天板は調理後も暫く高温であり、その範囲も認識されにくいため、注意を要する。また、熱で溶ける樹脂製の調味料入れ等を置くと、溶けてくっついてしまう。

電磁調理器では、天板は、磁束を通す必要があることや、耐久性などの理由で、ガラスなど放熱性に劣る材質が使用されることが多い。そのため、多くの器具では、使用者に注意を促す対策がとられている。例えば、鍋等を置く位置に、高温である可能性を示す注意表示(「高温注意」など)がプリントされていたり、作動中や温度が高い間、ランプの点灯または明滅により、高温となる位置(鍋等を置く位置)等を目立つようにされている。なお、ガスコンロの天板にもガラスが採用されており、バーナーを出すための穴が開いているため耐荷重は同じガラスを用いた電磁調理器より劣る。さらに、電磁調理器では、質量が小さい(軽い)調理器具を使用するときに、鍋底と天板との間の水気による横滑りを注意する必要がある。テーブルの上においたお椀が自然と滑り出す原理と同じである。うっかり幼児が触るとやけどを招く。
清掃性

電磁調理器では天板が平らであり、調理後の掃除が簡単である。この点は、電磁調理器は、ラジエントヒーターと共に、ガスコンロやシーズヒーター(電熱線を収めた金属管)と比べ、格段に優れている。なお、ガスコンロもガラストップコンロが主流となっているが、燃焼口廻り(バーナー部・五徳部)がある限り、この差は埋まらない。ただし、調理後熱いうちは、やけどに注意が要る。また、味噌ケチャップをこぼしたまま放置しておくと、熱で変質し、黒い塊になってこびりつく恐れがある。また、裸火が無いため、の飛び散りを防ぐ目的で、鍋等の近くにボール紙等を使用することも可能で、実際に日用品店やホームセンターなどでコゲ付き防止用のシートが発売されていることが多い。ただし、オールメタルタイプでは、市販のアルミ製のガード等をコイルの近くに置くと、加熱される可能性がある。

電子機器でもあるため、フィルター部の目詰りの清掃が必要な機種では、怠らずに内部で発生する熱を逃がさないと、不具合の原因となる。

IHクッキングヒーターの製品では、電気抵抗式ヒーターのグリル部分に、取り外せないシーズヒーターが中間の高さに突き出しているものが多い。清掃は取扱説明書の指示に従わなければならない。
加熱調理の特徴

電磁調理器では、原理上、容易に出力(火力)を制御することができる。このため、概要にて上述したように、電磁調理器では、安定した加熱管理制御が容易に行える。とろ火から、素早く湯沸かしできるハイパワーまで、出力制御の幅は広い。

電磁調理器では、加熱が調理器具の底部のみで行なわれるため、調理器具の底部以外の部分が余り熱くならない。このため、鍋等の持ち手も熱くなりにくい。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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