電子
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電子
核外電子の軌道の例 1sは最もエネルギー準位が低くすべての中性原子が備える。右下のπと書かれた軌道はベンゼンなどの分子に見られる。
組成素粒子
粒子統計フェルミ粒子
グループレプトン
世代第一世代
相互作用弱い相互作用
電磁相互作用
重力相互作用
反粒子陽電子 (e+
 
)
理論化ウィリアム・クルックス(1875年頃)
発見ジョセフ・ジョン・トムソン(1897年)
記号e−
 
質量

9.1093837015(28)×10?31 kg[1]0.51099895000(15) MeV/c2[2]
電荷e
−1.602176634×10?19 C[3]
磁気モーメント−9.2847647043(28)×10?24 J/T[4]
カラー持たない
スピン1/2
レプトン数1
バリオン数0
弱アイソスピンLH: ?1/2, RH: 0
弱超電荷LH: −1/2, RH: 0
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電子(でんし、: 西: : electron)とは、宇宙を構成するレプトンに分類される素粒子である。素粒子標準模型では、第一世代の荷電レプトンに位置付けられる。電子はスピン 1/2 のフェルミ粒子であり、電荷は −1 である。ワインバーグ=サラム理論における弱アイソスピン弱超電荷は、左手電子が −1/2, −1/2 であり、右手電子は 0, −1 である。記号は e あるいは右肩に−を付け加え、e−と表記されることもある。また、反粒子として陽電子も存在する。
諸定数
電荷

電子の電荷は符号が負で大きさは電気素量に等しい。その値は

− e = − 1.602   176   634 × 10 − 19   C {\displaystyle -e=-1.602~176~634\times 10^{-19}\ {\text{C}}}

である[3]。電気素量のSI単位クーロンによる値は定義値である。
質量詳細は「電子質量」を参照

電子の質量 me は

m e = 9.109   383   7015 ( 28 ) × 10 − 31   kg = 0.510   998   950   00 ( 15 )   MeV / c 2 {\displaystyle {\begin{aligned}m_{\text{e}}&=9.109~383~7015(28)\times 10^{-31}\ {\text{kg}}\\&=0.510~998~950~00(15)\ {\text{MeV}}/c^{2}\\\end{aligned}}}

である(2018 CODATA[1][2])。陽子の質量 mp に対する比は

m e / m p = 5.446   170   214   87 ( 33 ) × 10 − 4 {\displaystyle m_{\text{e}}/m_{\text{p}}=5.446~170~214~87(33)\times 10^{-4}}

である(2018 CODATA[5])。

電子の比電荷

e / m e = 1.758   820   010   76 ( 53 ) × 10 11   C   kg − 1 {\displaystyle e/m_{\text{e}}=1.758~820~010~76(53)\times 10^{11}\ {\text{C}}\ {\text{kg}}^{-1}}

である(2018 CODATA[6])。
コンプトン波長

電子のコンプトン波長 λe は

λ e = h m e c = 2.426   310   238   67 ( 73 ) × 10 − 12   m {\displaystyle \lambda _{\text{e}}={\frac {h}{m_{\text{e}}c}}=2.426~310~238~67(73)\times 10^{-12}\ {\text{m}}}

である(2018 CODATA[7])。
古典半径

電子の古典半径 re は

r e = α λ e 2 π = 2.817   940   3262 ( 13 ) × 10 − 15   m {\displaystyle r_{\text{e}}=\alpha \,{\frac {\lambda _{\text{e}}}{2\pi }}=2.817~940~3262(13)\times 10^{-15}\ {\text{m}}}

である(2018 CODATA[8])。
トムソン断面積

トムソン断面積 σe は

σ e = 8 π 3 r e 2 = 6.652   458   7321 ( 60 ) × 10 − 29   m 2 {\displaystyle \sigma _{\text{e}}={\frac {8\pi }{3}}\,{r_{\text{e}}}^{2}=6.652~458~7321(60)\times 10^{-29}\ {\text{m}}^{2}}

である(2018 CODATA[9])。
磁気モーメント

電子の磁気モーメント μe は

μ e = − 9.284   764   7043 ( 28 ) × 10 − 24   J   T − 1 {\displaystyle \mu _{\text{e}}=-9.284~764~7043(28)\times 10^{-24}\ {\text{J}}\ {\text{T}}^{-1}}

である(2018 CODATA[4])。ボーア磁子 μB に対する比は

μ e / μ B = − 1.001   159   652   181   28 ( 18 ) {\displaystyle \mu _{\text{e}}/\mu _{\text{B}}=-1.001~159~652~181~28(18)}

である(2018 CODATA[10])。
大きさ

電子の大きさ(内部構造)については、標準模型においては内部構造のない点として扱われるが、それを超える模型において電子が大きさを持つかどうか・内部構造を持つかどうかは判明していない。これまでに高エネルギーの電子の衝突実験で電子に大きさがある兆候は見つかっていないし、電子を大きさのない素粒子として扱って矛盾のない量子論(量子電気力学)もほぼ完成している[11]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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