IQOSやgloなど、タバコ葉を加熱する方式のたばこについては「加熱式たばこ」をご覧ください。
様々な電子たばこ。
電子たばこ(でんしたばこ、英語: electronic cigarette, e-cigarette, e-cig)とは、リキッド(フレーバー)を蒸発させた水蒸気を吸引する器具で、紙巻きたばこに似た形状の器具や、ペンに似た形状の器具など、色んな形状の器具がある[1]。マイクロプロセッサで電熱線に通す電流を制御する。英語圏の俗語では、器具のほうは「ヴェポライザー(Vaporizer)
(英語版)」や「ヴェイプ(VAPE)」とも呼ばれる。電子たばこから出た水蒸気を吸うという意味で「ヴェイピング(Vaping)」という言葉もある[2]。リキッド(主に液体)を、電熱線の発熱により蒸発・気化させ、エアロゾル状(霧状・水蒸気)にして利用者が吸引する器具のこと。
たばこ事業法のたばこ製品や喫煙具類などに分類されず、雑貨類に分類されるので二十歳未満でも購入可能。だが、基本的に販売する販売店側が、二十歳未満が購入しない様に、規制(注意喚起)している場合が殆ど。
用いられる液体はニコチンを含み、プロピレングリコール、グリセリン(グリセロール)、水、香料からなる。任意でニコチンを追加することもできる[3]。(ただし日本国内で市販されているのはニコチンを含まない液体。後述。)
構造
器具は、メーカーや製造時期により設計が異なるが、一般的には電池、電熱線、マイクロプロセッサ、液体を保持するための綿状の構造体、筒状の構造体、などから成る。設計の違いにより第一世代、第二世代、第三世代...などと呼ばれている。 >#第1世代と第2世代、#第3世代
第一世代の製品の構造の例
部品群の例
別の製品の構造の例
有害性
有害性については、様々な議論があったが、2019年に世界保健機関(WHO)は、電子たばこや加熱式たばこは健康上のリスクを減らすわけではなく有害であるとする報告書を発表し、紙巻きたばこと同様に規制を行うべきとの見解を示している[4]。>#健康への悪影響
また大抵、リチウムイオン二次電池を内蔵しており、電池の品質不良や携帯時に受けた衝撃などによって発火・爆発事故を起こすリスクがある。> #爆発事故の危険性
歴史
1965年に米国のハーバート・A.ギルバートが電熱式の霧状たばこの米国特許を取得。マイクロプロセッサを持つ電子たばこは、2003年に中華人民共和国の漢方医、韓力(ホン・リク) によって初めて実用化され「Electronic atomization cigarette」(電子噴霧喫煙具)として特許を取得した。 >#歴史
日本
日本ではニコチンを含有する電子たばこ用の液体は、薬事法にて「医薬品」とされるため、日本国内では市販されていない。ただし、国外からの個人輸入は可能である[5][6]。なお、日本ではタバコ葉の成分を摂取するプルームや、iQOS(アイコス)といった製品が販売され、「電子たばこ」として取り上げられているが[7]、こちらは世界的に見ると「電子たばこ」ではないので加熱式たばこにて分けて記載する。たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約がその第1条で、たばこ製品として対象にしているのは、葉タバコを原料とした製品であることからも、この両者は異なる。
日本での路上での使用の可否も、各自治体によって異なる[8]。
この項目での「たばこ」の言及は、主に使い捨ての紙巻きたばこ (cigarette) を指す。有害性については液体式の研究についてである。「加熱式たばこ」を参照
「vape」「vaping」という表現
喫煙禁止 No Smoking と並んで示された No Vaping。
英語では、電子たばこ(器具)は、俗語では vape(発音:veip:ヴェイプ)と呼ばれている。オックスフォード大学出版局の『オックスフォード英語辞典』では、2014年の英単語(Word of the Year 2014)として vape が選ばれた[9]。
『オックスフォード英語辞典』には、vapeの意味するところとして、noun(名詞)としての用法の「電子たばこあるいは類似の機器」および、verb(動詞)としての用法「電子たばこあるいは類似の機器によって作られた蒸気を吸い込んだり吐き出したりする行為」が挙げられている[10]。電子たばこ蒸気を吸い込んだり吐き出したりすることは、動名詞で表現し「vaping ヴェイピン(グ)」となる。
ニコチンを使用できない日本向けの製品として、ファッションプロデューサーのニコラ・フォルミケッティが手掛けた「DR.VAPE」として製品名にも利用されている。
vapeの語源は、vapor(蒸気)[注 1]、あるいは、vaporize(気化する)であるとされている[10]。 最初に電熱式の霧状たばこを作ったのは、米国のハーバート・A.ギルバートである[11]。
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