電動歯ブラシ(でんどうはぶらし、英語: electric toothbrush)とは、歯を磨くために、電気の動力により自動でヘッドが高速で動く歯ブラシのことである。 ヘッドの動きはスライド(往復振動)式と回転式(時計回りと反時計回りに交互に回転する)、両者を組み合わせたものに大別される。稼働周波数(つまり速度)により音波速歯ブラシ、超音波歯ブラシと呼ばれる製品もある。 音波速歯ブラシの動きは可聴範囲内の周波数(つまり、20 ? 20,000 Hz、または 1 分間に 2,400 ? 2,400,000 回の動き)であることに対し、超音波歯ブラシの動きはこれを超える周波数で動くので「超音波」という用語が付けられている。超音波歯ブラシの標準的な周波数は 、1.6MHz(つまり 1 分間に 192,000,000回の動き)である。 音波速以下の振動は電動機によって生成される。超音波歯ブラシの超音波は、圧電結晶によって生成される。最近の電動歯ブラシは通常、使用の合間で充電台に置かれている際に、非接触充電によって充電される二次電池によって電力を供給される。また、イオン効果をうたった製品や舌苔除去効果のある舌ブラシを搭載する製品など多機能化も進んでいる。 価格帯も広く、100円ショップで購入できるものから数万円するものまである。 手動歯ブラシに比べて歯垢除去の効果は高いが、手動歯ブラシ同様、歯の汚れている部分、汚れやすい部分にしっかりと毛先をあてることが大切である。 電動歯ブラシの最も初期の例は、Tomlinson Moseley によって製造された。Motodent として販売され、1937年 12月 13日に Moseley の会社、Motodent Inc.によって特許が出願された[1]。1954年にスイスで Philippe Guy Woog 博士が Broxodent を発明した[2]。Woog の電動歯ブラシは当初、Broxo S.A. 向けにスイス (後にフランス) で製造された。Broxodent 歯ブラシは一般的なコンセントに差し込まれ、線間電圧で作動した。電動歯ブラシは当初、障害者や歯列矯正患者[3]の器具として開発され、その後一般を対象に製品化された。 Broxo Electric Toothbrush 電動歯ブラシは、1960 年に E. R. Squibb And Sons Pharmaceuticalsによって米国で発売された[4]。発売後、米国では Squibb によって Broxo-Dent または Broxodent という名前で販売されていた[4]。1980 年代に、Squibb は Broxodent 製品ラインの販売を ブリストル・マイヤーズ スクイブ のSomerset Laboratory 部門に移管した[5]。 ゼネラル・エレクトリック社の Automatic Toothbrush 歯ブラシは 1960 年代初頭に発売された[6]。コードレスで、ニッケル・カドミウム蓄電池を使用していた。携帯可能であったが、かなりかさばり、2つの単1電池の懐中電灯の柄ほどの大きさがあった[7]。当時のニカド電池はメモリー効果に悩まされていた。GE の Automatic Toothbrush には、柄を直立に保持する充電台が付属していた。これらのほとんどは充電台に保管されていたが、ニカド電池の耐用年数を最大限に延ばす最良の方法ではない。また、初期のニカド電池は耐用年数が短い傾向があった。電池は 本体内に密閉されており、電池が故障した場合は全体を廃棄する必要があった。 浴室環境での AC 線間電圧器具の使用には問題があった。1990 年代初頭までに、UL および CSA の安全機関は浴室で使用する線間電圧器具を認定しなくなった。以降、新しい浴室用電化製品は、低電圧(通常は 12 V、16 V または 24 V)で作動させるために降圧変圧器を使用する必要があった。
概要
歴史Motodent 電動歯ブラシ。本歯ブラシの特許は 1937 年に出願された。