雷酸
識別情報
CAS登録番号506-85-4
雷酸(らいさん、英: fulminic acid)は、化学式が HCNO で表される化合物である。1824年にユストゥス・リービッヒによって初めて発見された。この1年後にフリードリヒ・ヴェーラーによって発見されたシアン酸 HOCN の異性体で、初めて異性体の存在が発見された化合物である。 雷酸とその塩(雷酸塩)は非常に危険な爆薬で、しばしば他の爆薬の起爆薬として使用される。液体も蒸気も有毒である。 フリードリヒ・ヴェーラーはシアン酸塩の性質を研究しており、ユストゥス・フォン・リービッヒは雷酸塩の研究を行なっていた。シアン酸塩と雷酸塩は同じ化学的組成を示すにもかかわらず、雷酸銀は爆発性を持つがシアン酸銀は持たないという違いがあった。これは激しい論争を起こしたが、結論として異性体というものの存在を認める形で決着がついた。つまりシアン酸もイソシアン酸も雷酸とは構造異性体の関係にある。
性質
異性体の存在
出典
F. Kurzer (2000), ⇒“Fulminic Acid in the History of Organic Chemistry”, J. Chem. Educ. 77: 851?857, doi:10.1021/ed077p851
F. Kurzer (1999), “The Life and Work of Edward Charles Howard”, Annals of Science(英語版
関連項目
雷酸塩
フリードリヒ・ヴェーラー(シアン酸アンモニウムの研究) - 化学史上無機化合物から有機化合物を合成した最初の例
ユストゥス・フォン・リービッヒ(雷酸の研究)
表
話
編
歴
水素の化合物
二元化合物
CH4
SiH4
GeH4
SnH4
PbH4
HAt
HBr
HCl
HF
HI
HN3
H2O
H2O2
H2O3
H2S
H2S2
H2Se
H2Te
NH3
PH3
AsH3
SbH3
BiH3
多元化合物
H[AuCl4]
HBF4
HCN
H2CS3
H[CuCl2]
H2[CuCl4]
HNC
H2[PtCl4]
H2[PtCl6]
HSCN
H2SiF6
HSNC
オキソ酸
H3AsO4
H5As3O10
HBiO3
HBO2
H3BO3
HBrO
HBrO2