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この項目では、気象現象について説明しています。その他の用法については「雪 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}雪が降る街路雪が降り積もった公園アメリカニューヨーク市庁舎付近で猛吹雪雪の結晶/大きさは端から端まで約0.6mm雪の降る様子

雪(ゆき)は、大気中水蒸気から生成される結晶から落下してくる天気

その結晶は主に板状、柱状、針状の六角形や不定形な粒状からなる。おおむね気温が-5より低いとひとつひとつの結晶が降る乾いた雪となるが、やや高い温度では集まり雪片をつくり、水分を含む湿った雪になることがある。直径1cmに満たないような小さなものを「粉雪」、綿状に集まったものを「牡丹雪、ぼたん雪、ぼた雪」と呼ぶなど、気温や湿度によって違う雪の性状はいくつかの呼び分けがある[1][2]

低い温度では降り積もって地表を覆い積雪になり、長く残ると根雪万年雪となり、暖かい季節になるとゆっくりと解け出す。北極南極、一部の山岳地帯では長年蓄積し変性して氷河をつくる。積雪や吹雪交通の支障など人間活動に影響を与える一方、スキースノーボードなどのスポーツは雪を利用して行う。
性質降り積もった雪
降水現象

雪そのものや積雪と区別するために、雪が降る現象のみを指して降雪(こうせつ)と呼ぶ場合もある。雪は降水現象のひとつで、固体)の降水のひとつ。雪は比較的柔らかい氷の結晶の集合であり、比較的硬く地面で弾む氷霰(氷あられ)やその大きくなった(ひょう)、凍雨と異なる。雪霰(雪あられ)は比較的高い気温で雪片が大きく成長融合したもので、雪と同じように白色不透明だが、雪とは異なって球状や円錐状の塊で、降るのは対流性の積乱雲などに限られる。細氷は、直径30 - 200 μm程度で雪に比べて非常に小さい。なお、(みぞれ)はと雪が混在して降る天気をいう[2]
性状による分類

雪の状態を細かに表した、淡雪、薄雪、粉雪、細雪、どか雪、べた雪、ぼたん雪、綿雪(わたゆき)などの表現がある。降雪に関しては、慣習的に以下の7つの分類が存在する。

こな雪(粉雪)さらさらとした粉末状で、乾燥した雪。寒冷な地域に多い。パウダースノー。アスピリンスノー(北海道方言)[3]
たま雪(玉雪)球形をした雪。雪のシーズンの初めや終わりの時期、また雪雲のでき始めている先端部分などで見られる。
はい雪(灰雪)空中をすらっと降りてくるのではなく、灰のようにひらひらと舞いながら降りてくる雪。やや厚みがあり、日光に当たると陰影ができて灰色の影ができる。
一般的な降雪としてはこれが最も多い。
わた雪(綿雪)手でちぎった綿の様に大きな雪片からなる雪。水分を含み、重みのある雪。降雪地帯の中でも温暖・多湿な地域に多い。
もち雪(餅雪)融解が始まっており、水分を多く含む雪。雪の塊は餅のように柔らかく自由に形状を変えられる。
べた雪もち雪よりも水分が多く、べちゃっとした雪。団子状に固まっていることもある。ぼた雪、ぼたん雪。
みず雪(水雪)べた雪よりもさらに融解が進み、水気の多い雪。みぞれと同じ。

また、日本雪氷学会では、雪質によって積雪を9つに分類している(→詳細は積雪を参照)。

農林省の積雪地方農村経済調査所(通称、雪害調査所)では以下のように分類していた[4]

乾雪(かわきゆき)灰雪最も細かく風にとぶもの
粉雪灰雪よりもやや大きいもの
玉雪最も大きく円い塊となり飛ぶもの
綿雪綿のようにふかふかしたもの
潤雪(ぬれゆき)餅雪つかむと軽い手触りのもの
濡雪ややべたつくもの
水雪もっと水分が多いもの
締雪(しまりゆき)小締雪(こじまりゆき)しまり加減による
硬締雪(かたしまりゆき)同上
潤締雪(ぬれしまりゆき)潤締雪 (べたしまりゆき)
水締雪 (みずしまりゆき)
粒雪(ざらめゆき)小粒雪(こざらめゆき)
大粒雪(おおざらめゆき)
凍雪(こおりゆき)小凍雪(こごおりゆき)
硬凍雪(かたごおりゆき)
氷板(ひょうばん)全く氷化したもの

こういった分類や名称は、地域によっても独特なものがある。また太宰治の小説「津軽」の冒頭では、津軽の雪として7種類の雪の名称が紹介されている。ただしこれらは、明確な定義がないため天気予報などの正確性が要求される場面では用いないこととされている[5]

ここまでは日本語での雪の分類について述べたが、日本語以外の言語、特に北米や北欧などの雪の多い地域では、雪に関してさらに多様な表現をするところがあるほか、雪を表す言葉の体系が根本的に異なる言語もある。例えば、エスキモーの中のある言語では雪の形態ごとに呼称が存在し、「雪」を表す総称が存在しないという[* 1]言語的相対論サピア=ウォーフの仮説なども参照)。
雪の結晶の形状詳細は「雪の結晶の観察と研究の年表」を参照

雪の結晶は、成長過程の大気中の環境条件によりその形を大きく変える。そのパターン(晶癖)は研究によりいくつかの類型が知られている。小分類では121種類ある[6][7]

基本的な形状として、平らな六角形の「角板」、柱状の六角形の「角柱」、細長い「針」がある。Kobayashi (1961)によれば気温と、湿度(過冷却水の飽和水蒸気圧に対する氷の飽和水蒸気圧の差)に相関性がある。0から-4 ℃付近では「角板」、-4 から-10 ℃付近では湿度が低いと「角柱」、中程度では角柱が中空になった「骸晶角柱」、高いと「針」や針が中空になった「鞘」、-10 から-22 ℃付近では湿度が低い方から順に「厚角板」「骸晶厚角板」「角板」「扇形」、-22 ℃以下では湿度が低い方から順に「角柱」「骸晶角柱」「鞘」になる。また、-12 から-15 ℃付近の高湿度では「樹枝状」が発達する[8]

雪は、入ってきた太陽光)をほとんど吸収することなく散乱光として送り出す。太陽光には幅広い波長の光が含まれるが、波長が違っても散乱強度に大きな差がなくまんべんなく散乱するという性質のために、真っ白い色に見える。大量の積雪は日光の下でみを呈することがある。晴れた空の下で雪洞などの雪を下から見ると青く見えやすい。これはのもつ光の吸収特性によるもので、青色にあたる波長0.45 μm付近の光が最も吸収が少なく透過しやすいためである。ただし氷に気泡や土砂などが混じると青みは失せて見える[9]

雪が大気中の浮遊物を取り込み、変色した例も数多く報告されている。例えば、朝鮮半島では古くから、黄砂が混じった黄色あるいはみがかかった雪が降ることがあった。これは日本でも報告されており、江戸時代の書物に「紅雪」「黄雪」などなどの記述が残っている[10]。また、2007年2月にロシアのオムスク州で、2018年には東ヨーロッパ諸国でオレンジ色の雪が降ったが、カザフスタン北アフリカの嵐で発生した風成塵が運ばれたものと考えられている[11][12][* 2]
雪の降り方積雪地域の季節変化(NASA Blue Marble冬の日本海の筋状雲、収束雲と低気圧による渦状の雲 2018年2月(NASA Aqua/MODIS
世界の気候と雪

現在の平均的気候では雪は一般的に、北極および南極の両極を中心とした高緯度の地域、また中低緯度の高地で見られる。


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