雪崩
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「雪崩」のその他の用法については「雪崩 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
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雪崩の瞬間

雪崩(なだれ、: Avalanche)とは、山岳部の斜面上に降り積もった重力の影響により「なだれ(傾れ、頽れ)落ちる」自然現象である。
種類ブロック雪崩・両白山地主稜線にて全層雪崩は土砂を巻き込みながら斜面を下る・北アルプス扇沢付近にて雪崩発生箇所・伊吹山東面の急斜面

雪崩の始動の仕方によって点発生/面発生、積雪のどの範囲が雪崩れたかによって表層[1]/全層、積雪の湿り気により乾雪/湿雪、雪崩の形態により煙型/流れ型/複合型、などに分類でき、これらを組み合わせて表現する。これらとは別に懸垂氷河などの崩壊に伴う氷雪崩や雪庇の崩落によるブロック雪崩なども存在する。大量の水を含んだ雪が流動する雪崩をスラッシュ雪崩という[2]

よく登山者スキーヤーバックカントリーをする人が遭遇するものには点発生表層雪崩(スラフ)、面発生表層雪崩(スラブ)があるが、特に広範囲で一斉に雪崩が発生する面発生表層雪崩は危険度が高い。なお、大規模な煙型乾雪表層雪崩のことを特に泡雪崩といい、富山県(黒部地方)などではホウと呼ばれ恐れられている。

急斜面(傾斜30度くらい)でも起こりやすい。
発生条件

雪崩の発生条件は様々で、単純な一般化は難しいが、降り積もった雪粒同士の結合がなんらかの外的要因(重力、圧力、気温の上昇など)によって壊された際に発生すると言える。

雪崩が発生する危険な状態に対する注意喚起として、日本では気象庁が雪崩注意報(なだれ注意報)を発表している。なお、雪崩では注意報は発令されるが警報は存在しない[3]

厳冬期、急激な気温の変化は、積雪内部に大きな温度差を生じさせる。これは「しもざらめ雪」と呼ばれる弱層が形成されることが多い。また、一度に大量の降雪があると、弱層の上に積もる雪に荷重が増す。 急な斜面の場合、弱層は支持力を失いやすくなり、雪崩が発生する危険も非常に高くなる。砂防堰堤を越える大規模雪崩(南アルプス北沢峠付近平右衛門谷)

このように、気象や気温の変化がきっかけとなる事の他、大きな雪崩の多くは、35から45の急斜面で発生している。また、樹林帯のなかに一部分だけ樹木の生えていない斜面があったら、そこは雪崩が頻繁に起こっていることが多いものである。そのほか、雪庇や障害物のない広大な斜面、沢筋なども発生の確率が高くなる。砂防堰堤治山ダムは、雪崩防止目的で設置されたものでないため、豪雪地帯ではこれらの施設に積もった雪によって逆に大規模な雪崩が発生する場合がある。

雪が積もり、雪崩が起きそうならば、そこへは不用意に入らず、雪崩を1回でも発見したらそこは雪崩多発の危険地帯であり再び雪崩が起きる可能性がある為、進まずにすぐ引き返すか安全な場所に避難するように注意が呼びかけられている。

なお、映画などに出てくるように「大きな声を出したら雪崩に遭う」ということはないが、音の発生源が地表に衝撃を与える物であった場合は雪崩の発生する可能性が高い。
対策

雪崩を予測するのは困難なので、山スキーは100%安全とは決して言えない。良い雪崩対策とは、ルート選択や、雪塊・気象条件・人為的要因の調査を含めた継続的な取り組みを行う事である。次のような習慣は危険を避けるのに役に立つ。もし地元当局が雪崩危険度を発表しているならば、それを調べて注意しておくべきである。以前に通った人の足跡が残っていても、自分自身で安全を確認することなしに、その足跡をたどって歩いてはいけない。その足跡が付けられた時とは雪の状況が変わっている可能性が高いからだ。地形を観察して、植生が失われていたり傷ついたりしている場所、地上に足掛かりになるものが少ない場所、雪庇や氷の下などは明らかに雪崩の通り道である。他人が雪崩を引き起こすかもしれないので、他人の下を移動する事は避ける。
雪崩予防(アバランチコントロール)「雪崩対策(英語版)」も参照アメリカ、カリフォルニア州インヨー郡にあるインヨー国立森林公園のマンモス山(英語版)では、農務省林野局の職員がM40 106mm無反動砲を使ってアバランチコントロールを行っている。

雪崩を予防したり、その破壊力を弱めるための方法はいくつかあり、それらは、雪崩が人々に対する深刻な脅威となっている地域、たとえばスキー場・山奥の町・道路鉄道などで用いられている方法である。広く雪崩の予防や雪崩被害を軽減する方法の総称としてアバランチコントロールと呼ばれる事もある。

アバランチコントロールには、後述の#雪崩と戦争にも取り上げている方法より見出された砲撃爆薬を使って人工的に雪崩を起こして人為的に雪を取り除く方法が用いられる事がある。これらは雪崩発生の恐れがある大量積雪となる前に、あらかじめ小さな雪崩を起こすために行う事もある。なお、日本では火薬類取締法の制約を受けるために、爆薬ではなく煙火玉(花火の一種)が用いられる。そのほか、日本の事例としてスキー場では公認スキーパトロール要員によってスキーで雪庇や雪面に切れ目を入れて人工的に雪を崩すスキーカットと呼ばれる方法や、スコップで雪庇を崩す方法も行われる[4][5]防雪フェンス(スイス)

防雪フェンスや軽い壁を立てて、雪の積もる場所を変える方法もある。雪は壁の周り、中でも卓越風の風上側に溜まっていく一方、フェンスの風下には雪が溜まりにくくなる。これは、本来積もるはずであった雪がフェンスの所で積もってしまう事と、フェンスの所で雪を失った風によって元々あった雪が飛ばされる事による。十分な密度の森林があれば、それによって雪崩の強度は著しく弱められる。森林に降った雪は森林に留まるし、雪崩が起こった際には木々に当たって雪崩が減速される。スキー場建設の際に行われているように、植林したり森林を保存しておく事により、雪崩の強度を弱める事が出来る。スキー場以外でも、鉄道沿線に植林する事で雪崩被害を予防する方法がとられている例がある。たとえば北海道の函館本線目名駅から倶知安駅を経て銀山駅あたりに至るまで、雪崩対策のための鉄道防雪林が造成されており、雪崩防止のみならず、吹雪の防止、吹き溜まりの防止の効果があるとされている[6]

雪崩の衝撃力を弱めるために人工的な障壁を立てておく事は有効である。そういった障壁にはいくつかのタイプがある。一つ目のタイプとしては防雪ネットで、これは基礎と支え線で地面に固定したいくつかの支柱の間に網を張るというものである。別のタイプの障壁は頑丈なフェンス状の構造物(防雪フェンス)で、鋼鉄や木、あるいはプレストレスト・コンクリートなどで作られる。これらのフェンスは、通常は桁の間に隙間があり、傾斜に対して直角に作られ、傾斜の下の方にあるものほど桁の数を増やして作る。しかし頑丈な障壁を作ると景観には悪い。何列も作らねばならないような場所では特にそうである。さらにこうした障壁は高額であり、また暖候期に入って岩とともに流下する雪崩に対しては脆い。こうした障壁は、それらを用いて雪崩の方向を逸らして他の方向へ向かわせる事も出来るにもかかわらず、通常は建物や道路・鉄道など、守りたい物件のすぐ上に作られる場合が多い。しかし、障壁は雪崩の直撃を受けると破壊される場合がある[7]。雪崩の持つ巨大な力を、まともに力で受け止めようとするのは難しい。

最後のタイプとしては、雪崩を止めるか、あるいは雪崩の向かう方向をそらすための障壁がある。こうした障壁は、コンクリート・岩のほか、自然地形も利用して作られる。場合によっては、雪崩を弱めるために、その経路上に土塁を築く事もある。現在の日本の鉄道における雪崩対策は、雪崩を障壁で止めるという考え方ではなく、雪崩の力にまともに対抗せず、頭の上をやり過ごすという対策が主流になっている。そこで使われているのはスノーシェルターやスノーシェッドと呼ばれるもので、これは線路の上を雪崩が通過するように、庇(ひさし)や屋根を設けるという対策である[7]


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