雪だるま
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この項目では、雪を固めて作られた像について説明しています。その他の用法については「雪だるま (曖昧さ回避)」をご覧ください。
雪だるまの例(中谷宇吉郎雪の科学館石川県加賀市)にて)

雪だるま(ゆきだるま、雪達磨)は、を固めて作られる「だるま」の(ような)形をした雪像日本以外にも同様のものはあり、「雪人」または「雪男」(など)、「雪人形」([注 1]など)などと呼ばれている(日本語で「雪男」というときは、いわゆる「インドやアメリカの雪山に棲む未確認生物の巨人」を指すのが一般的である。これについては、イエティの項も参照されたい)。この項目では、西洋のものであっても、便宜上「雪だるま」と呼称を統一する。
歴史

雪で何らかの形の像を作ることは、雪の降る土地で慣例的に行われてきたと考えられるが、その始まりは明らかではない。古代から粘土で(呪術目的だけでなく、遊具としての)人形が作られていたことを考えれば、雪の人形が早い時期から作られていたと想像するのは無理なことでない。しかし、雪という一過的な材料や、人形という遊戯的性格から、いつごろから作られていたのか知るのは困難である。

ハーグ王立図書館蔵の時祷書(1380年頃)には、欄外には雪だるまが描かれており、これが現在知られている最古の視覚史料であるという[1]
形状



カナダの雪だるま

ドイツの雪だるま

現代の日本では、(江戸期の絵画とは異なり)雪玉を二段に重ねた形が主流である。大きめの玉を下段とし、上に小さめの玉をのせて頭とし、木炭などで眉・目・鼻・口などを形作る。頭には、帽子としてバケツをのせることもある。棒を二本、腕として下段の玉の左右に刺したり、また手袋やマフラーをつけることもある。

西洋のものは、三段のものが多い(二段も少なくなく、また三段以上のものある)。一番上の玉は頭で、目、鼻、口を付ける。鼻としてニンジンを刺したり、マフラーや蝶ネクタイを付けたり、ボタンをつけたり、シルクハットやとんがり帽子をかぶせたりもする。箒を持たせていることもある。

日本天気予報では降雪の俗した記号として通用しており日本放送協会気象庁の天気予報でも降雪を二段の雪だるまアイコンで表している。
雪だるまの作り方雪の上で転がされる雪玉

さらさらした雪ではなく、多少水分を含んだ雪が適している。

現代の雪だるまの作り方は、まず手のひらで小さな雪玉を作り、その雪玉を平地の固まっていない雪の上でコロコロと転がす。まんべんなく雪が付くように転がすと、どんどん雪玉は大きくなるので、程よい大きさの雪玉を二つ作り、それを上下に重ねて上記のように飾ると完成となる。全体の大きさは最後に決定される。大きさを競い合うことも多々ある。

冬の風物詩として雪国子供達に親しまれる雪だるま作りだが、近年では交通事故にあう心配の無い安全な場所で行う必要がある。
イベントゼクセロイテンで燃やされる藁製の雪だるま(2007年)

スイスチューリヒで行われる春祭りゼクセロイテン(アレマン語版、ドイツ語版、英語版)(アレマン語: Sachsiluute):冬の象徴である雪だるま(ベーグ(ドイツ語版)(アレマン語: Boogg)と呼ばれる)を藁で作って、薪を高く積み上げた上に立たせて焼く。(この雪だるまには二本の腕と足があり、箒を持っている)

雪だるま祭り:毎年2月に、石川県白山市白峰地区と同市桑島地区でそれぞれ行われる祭り。

慣用句大きくなった雪玉増加する雪玉

雪玉を坂の上から転がすと、円周に雪がついて大きくなり、大きくなった円周にさらに雪がついて大きくなるという増え方をするため、一回転でくっつく雪の量は後になるほど、どんどん増える。直径が大きくなる度合も後になるほどどんどん加速して、転がる速度も加速して、止めようがない。英語ではこうした加速度的に増加する様子を「雪男、雪人(snowman)」ではなく名詞の「雪玉」と同じ綴りの「snowball」という動詞であらわす。日本語では借金などが「雪だるま式に増える」という言い方をする。
雪だるまにまつわるエピソード

豪雪地帯として知られる山形県最上郡大蔵村では巨大の雪だるまである"おおくら君"が1995年より毎年作られている。これは周辺から大型トラックで雪をかき集めて制作されており、1995年に当時のギネス世界記録に認定された[注 2][2][3][4]
雪だるまをテーマにした関連事項

Snow Man - 2020年にデビューした9人組音楽グループ。

雪だるま」 - ハンス・クリスチャン・アンデルセン童話

フロスティ・ザ・スノーマン」 (1950) - クリスマスソングの定番で、『フロスティ・ザ・スノーマン?温かい雪だるま』 (1969) というアニメ化作品も存在する。


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