難治性疾患克服事業(なんじせいしっかんこくふくけんきゅうじぎょう)は、「症例数が少なく、原因不明で、治療方法が確立しておらず、生活面への長期にわたる支障がある疾患」に対して行われる厚生労働省による研究事業。目次 研究班を設け、原因究明と治療法確立に向けた臨床的立場から研究を行う事業。患者の年齢性別地域の実態把握により治療法開発、対症療法の進歩が図られている。 厚生労働省による原因究明・治療法などの研究が行われるが、患者自己負担分が国の公費で負担されるのは、特定疾患治療研究事業の対象疾患のみである。
1 沿革
2 臨床調査研究分野130疾患
3 横断的研究分野
4 重点研究分野
5 研究奨励分野・臨床調査研究分野130疾患以外の48疾患(2009年現在)
6 難治性疾患克服研究事業:対象は臨床調査研究分野の130疾患
7 脚注
8 関連項目
9 外部リンク
沿革
1972年(昭和47年) - 特定疾患調査研究事業として開始。
1998年(平成10年) - 公募制による重点研究開始[1]。
1999年(平成11年) - 厚生科学研究の中に位置づけ、他の分野との一体化した研究と公募による課題選択の競争的研究開始。特定疾患対策研究事業と改称[1]。
2003年(平成15年) - 組織改編。難治性疾患克服研究事業と改称[1]。
2009年(平成21年) - 研究奨励分野を設置(臨床調査研究分野130疾患以外)。今まで組織体系的な研究が行われていなかった疾患に対しての患者と病態の実態把握開始[1]。
臨床調査研究分野130疾患
現在130疾患が指定されている。
指定された130疾患にはさまざまな医学医療・福祉介護面で難病対策が実施されている。
臨床調査研究分野は概ね疾患系統別に研究班が設けられ、それぞれ毎年各班に重点疾患が設けられている。
難治性疾患克服研究班の一覧(2009年現在)
血液系疾患
免疫疾患調査研究班
内分泌系疾患調査研究班
代謝系疾患調査研究班
神経・筋疾患調査研究班
視覚系疾患調査研究班
聴覚、平衡機能系疾患調査研究班
循環器系疾患調査研究班
呼吸器系疾患調査研究班
消化器系疾患調査研究班
皮膚・結合組織疾患調査研究班
骨・関節系疾患調査研究班
腎・泌尿器系疾患調査研究班
スモン調査研究班
横断的研究分野
基盤研究
社会医学研究
生体試料等の収集に関する研究
重点研究分野
研究奨励分野・臨床調査研究分野130疾患以外の48疾患(2009年現在)
2009年に創設
難治性疾患克服研究事業:対象は臨床調査研究分野の130疾患
脊髄小脳変性症
シャイ・ドレーガー症候群
モヤモヤ病(ウイルス動脈輪閉鎖症)
正常圧水頭症(NPH)
多発性硬化症
重症筋無力症
ギラン・バレー症候群
フィッシャー症候群
慢性炎症性脱髄性多発神経炎
多発限局性運動ニューロパチー
単クローン抗体を伴う末梢神経炎