離断性骨軟骨炎
離断性骨軟骨炎のMRI像では骨髄浮腫が検出される
概要
診療科整形外科学
分類および外部参照情報
ICD-10M93.2
離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん、英:osteochondritis dissecans; OCD、独:Osteochondritis dissecans, nach Konig)は、肘関節、股関節、膝関節などの部位に好発する骨端症 osteochondrosis [1]の一種で、野球肘、テニス肘などはこれに含まれる。 10代の男性に好発するが、高年齢者、小児にも生じる。最も好発する部位は膝関節の大腿骨顆間窩の内側顆に面する壁である。肘関節では上腕骨小頭部に最も多い。 跳躍をともなう競技の選手では膝離断性骨軟骨炎が多く見られ、スポーツ外傷、循環器障害などによるものとされる。膝離断性骨軟骨炎では、膝の屈伸時に一定の角度を超えて伸展できないロッキングと呼ばれる症状を呈する。 肘関節に発生するものとしては、野球肘、ゴルフ肘、テニス肘の呼称で広く知られる上腕骨外側上顆炎、上腕骨内側上顆炎がある。 疼痛は主に運動痛で、一般に軽度であるが、無腐性壊死avascular necrosis
概要
X線像は特異的で、関節面に一致して円形もしくは楕円形の周囲輪郭が硬化した透明像を認め、内部には後に遊離体となる骨硬化像が確認できる。
治療に際しては早期の安静や固定により経過をみるが、大きいものでは病巣部の摘出を行い、その後の欠損部には骨移植を施す。小範囲の病巣部は切除のみ行う。あるいは関節鏡視下での穿孔術によっても治癒する。
また、2013年3月13日に株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリングの再生医療製品自家培養軟骨「ジャック」が膝関節の離断性骨軟骨炎を適応対象とした医療機器に指定されている[3]。 関節遊離体 loose body of the joint は生体組織由来の関節腔内遊離体の総称で、関節ネズミ(英:joint mouse、独:Gelenkmaus
関節遊離体
基礎疾患によるが、遊離体自体の特有症状は嵌頓症状で、激しい関節痛と顕著な運動制限が突然に起こる。骨組織を含む遊離体は単純X線で認められるが、他の場合には陰性もしくは二重関節造影により診断する。
脚注[脚注の使い方]^ 骨端炎ともいう。発育期において骨端部、あるいは骨突起部の骨壊死を生ずる疾患の総称。
^ 変形性関節炎、奇形性関節炎ともいう。関節に慢性の退行性変化および増殖性変化が同時に起こり、関節の形態が変化する疾患。
^ ⇒自家培養軟骨ジャック:保険収載のお知らせ (PDF) - 2013年3月13日
参考文献
『南山堂 医学大辞典』 南山堂、2006年3月10日発行 ISBN 978-4-525-01029-4
関連項目
人間の関節一覧
変形性膝関節症
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