雑誌
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書店の書棚に並ぶ雑誌(フランス・フォルバッハ

雑誌(ざっし)は、逐次刊行物であり、定期刊行物である出版物の一種。一般に流通している、漫画小説を含む娯楽雑誌だけではなく、報道、それらを包含した総合雑誌、各種の趣味雑誌や専門雑誌学術研究誌や官公庁誌なども含めた様々なジャンルに存在する。広義ののうち雑誌は、単行本を中心とする書籍・図書[1]と並ぶ二大情報源である。
特徴

雑誌の特徴としては以下のことが挙げられる。

週刊、月刊、隔月刊、季刊、年刊などのように定期的に刊行される。

一定の編集者と読者を持つ。

複数の記事が一定の編集方法の元に同時に掲載されている。

仮綴じ冊子の形態をとることが多い。

こうした特徴により、速報性の点で日刊新聞には及ばないが、書籍・図書よりは優位にある。また書籍・図書に比べて刊行が容易であり、書籍・図書として発行するには難しい狭い専門分野の情報や娯楽情報の提供などに利用されている。

雑誌と書籍の中間的な存在としてムックがあり、流通上は雑誌として扱われている。
創刊と休刊・廃刊

雑誌の刊行を始めることを「創刊」(第1号は「創刊号」)、刊行の中断は「休刊」、終了は「廃刊」と呼ぶ。休刊と称していても、実際には復刊せずそのまま廃刊となることも多い[2]

長期にわたって大部数で刊行が続く雑誌もあれば、流行の変化や出版不況などを背景に休廃刊したり、紙媒体ではなくオンライン配信に移行したりする雑誌もある。
日本の雑誌の号数と発売日の関係

日本の雑誌では、過去には雑誌によって号数の表記基準が異なり、中には実際の発売時期より数か月先の号数を表記する雑誌も現れるなどして、書店・読者の混乱を招いた。このため1986年11月に日本雑誌協会が制定した自主規程「雑誌作成上の留意事項」により、以下の範囲で発売日より先の日付・号数も付けることができるように決められた。その結果、現在は雑誌の新しさを演出するために発売日よりも前倒しで表記する雑誌が多い。なお発売日と同じ号数を表記しても構わない。

週刊誌 - 発売日から15日先までの月日

旬刊誌・隔週刊誌・月2回刊誌 - 発売日から1か月先までの月日

月刊誌・隔月誌 - 16日発売以降は、2か月先までの月(45日先まで)

委託扱いの日本の雑誌の返本

週刊誌 - 発売日から45日(増刊号は60日)

月二回刊行誌・隔週誌・月刊誌 - 発売から90日

隔月誌 - 発売から120日

ムック・コミックス - 返品義務なし

通常雑誌コードの下にL-mm/ddと表示されており発売年(年末の場合は翌年)のmm月dd日にまでが期限という意味である。しかし、大規模ではない書店では通常バックナンバーを保存する余裕がないため、新号発売前日の夜には全て回収され、箱詰めうえ翌朝に新号を納本にきた出版取次業者に渡されることが多い。
歴史

雑誌は、百科事典の誕生と同様、新しい知識や情報、視点を広く一般に開示、紹介するものとして出発した。世界で最初の本格的な雑誌は1665年仏国パリで創刊された『ジュルナル・デ・サバン』(fr:Journal des scavans)と、同年に英国ロンドンで創刊された『フィロソフィカル・トランザクションズ』(The Philosophical Transactions)だと言われている。初めて「magazine」の語を使用したのは1731年にロンドンで創刊された『ジェントルマンズ・マガジン』(en:The Gentleman's Magazine)である。日本で最初の本格的な雑誌は、1867年慶應3年)10月に洋学者柳河春三が創刊した『西洋雑誌』だと言われ、「Magazine」の訳語に「雑誌」を用いている。総合雑誌としては明六雑誌が初になる[3]
種類
一般誌
市販目的の雑誌全般を指し、その範囲は極めて広い(
#一般誌の分類)。刊行頻度としては週刊から季刊程度までの間にほとんどが納まり、月刊のものが最も多い。
学術雑誌
学術論文を主として掲載。自然科学分野では特に重要なメディアとなっている。
官公庁誌
中央官庁地方公共団体によって刊行されるもの。一部は市販もされるが、一般の出版取次には乗らないものが多い。
団体・協会誌
多くが会員への配布を目的とし、市販されない。機関紙(機関誌)を参照。
同人誌
同好者が自身の作品を発表するために発行するもの(同人誌の中には、シリーズ化や定期刊行がなされず、「雑誌」とは言えない刊行物も含まれる)。
企業誌
PR誌社内報、技報など。
一般誌の分類

総合誌

総合月刊誌

総合週刊誌(男性週刊誌)

実話誌


写真週刊誌

女性週刊誌


専門雑誌

文芸雑誌

小説誌


経済誌(ビジネス誌)

科学誌

天文雑誌

医療雑誌


パソコン雑誌

歴史雑誌


趣味・娯楽

ファッション雑誌

漫画雑誌

スポーツ雑誌

サッカー専門誌

バスケットボール専門誌


模型雑誌

ゲーム雑誌

アニメ雑誌

自動車雑誌

オートバイ雑誌

カメラ雑誌

鉄道雑誌

音楽雑誌

旅行雑誌


情報誌

テレビ情報誌

FM情報誌

求人情報誌

タウン情報誌

パチンコ・パチスロ情報誌

映画情報誌


子供誌

少年雑誌

学年誌



「雑誌ジャンル・カテゴリー区分」による分類

日本雑誌広告協会雑誌分類認定委員会が定めた、「雑誌ジャンル・カテゴリー区分」[4]。分類項目は2021年7月時点のもので、ジャンル名・カテゴリ・対象読者の性別・ビークル・雑誌発行社の順に並べてある。なお、ティーンズは19歳以下、ヤングは20-24歳、ヤングアダルトは25-39歳、ミドルエイジは40-59歳、シニアは60歳以上を対象の目安とされている。

総合月刊誌

一般週刊誌

写真週刊誌

女性週刊誌

男性ヤング誌

男性ヤングアダルト誌

男性ミドルエイジ誌

女性ティーンズ誌

女性ヤング誌

女性ヤングアダルト誌

女性ミドルエイジ誌

女性シニア誌

ビジネス・マネー誌

モノ・トレンド情報誌

スポーツ誌

自動車誌

オートバイ誌

パソコン・コンピュータ誌

生活実用情報誌

食・グルメ情報誌

ナチュラルライフ誌

ビューティコスメ誌

マタニティ子育て誌

健康誌

ブライダル情報誌

旅行・レジャー誌

エリア情報誌

文芸・歴史誌

テレビ情報誌

エンターテインメント情報誌

ゲーム・アニメ情報誌

少年向けコミック誌

男性向けコミック誌

少女向けコミック誌

女性向けコミック誌

車内・機内・会員誌

フリーマガジン

建築・住宅誌

業界・技術専門誌

介護

子供誌

アウトドア

住(インテリア・エクステリア・雑貨)


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