この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律
日本の法令
通称・略称障害者差別解消法
法令番号平成25年法律第65号
種類社会保障法
効力現行法
成立2013年6月19日
公布2013年6月26日
施行2016年4月1日
所管障害者政策委員会
内閣府
[共生社会政策担当統括官職]
主な内容障害者差別の解消に向けた法律。障害者に対する合理的配慮の策定。
関連法令障害者基本法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法、児童福祉法、難病法、障害者の権利に関する条約、障害者総合支援法、障害者虐待防止法
条文リンク障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(しょうがいをりゆうとするさべつのかいしょうのすいしんにかんするほうりつ、英語: Act for Eliminating Discrimination against Persons with Disabilities[1]、平成25年法律第65号)は、障害者基本法の基本的な理念に則り、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを踏まえ、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項、行政機関等および事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置等を定めることにより、障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする、日本の法律である(法律第1条)。通称は障害者差別解消法、障害者差別禁止法。
主務官庁は内閣府に設けられた障害者政策委員会。内閣府共生社会政策担当統括官付障害者施策担当官が事務局を務め、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課をはじめ各省庁と連携して執行にあたる。 法は、以下の通り、事業者及び行政機関等に対し、不当な差別的取扱いを禁止し、合理的配慮を提供すべきことを定めている[2]。 障害者に対して、正当な理由なく、障害を理由として、財・サービスや各種機会の提供を拒否する又は提供に当たって場所・時間帯などを制限する、障害者でない者に対しては付さない条件をつけることなどにより、障害者の権利利益を侵害すること。
法律構成
第一章 総則(第1条―第5条)
第二章 障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(第6条)
第三章 行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置(第7条―第13条)
第四章 障害を理由とする差別を解消するための支援措置(第14条―第20条)
第五章 雑則(第21条―第24条)
第六章 罰則(第25条・第26条)
附則
法律概要
障害者権利条約・障害者基本法に実効性を持たせるための国内法整備として制定された。
法律の理念を実現するために、障害を理由とする差別の解消を推進することが明記された。
国の行政機関の長および独立行政法人等は、障害を理由とする差別に関し、職員が適切に対応できるように必要な職員対応要領を作成する(第9条)。地方公共団体の機関も同様に、地方公共団体等職員対応要領を定めるよう努める(第10条)。
国(主務大臣)は、事業者が適切に対応するために必要な指針(対応指針)を定める。国(主務大臣)は、事業者による障害を理由とする差別に関し、特に必要があると認めるときは、対応指針に定める事項について、当該事業者に対し、報告を求め、または助言、指導もしくは勧告をすることができる。これに従わず、虚偽の報告をした時は、罰則の対象となる(第11条、第12条)。
国及び地方公共団体は、障害者およびその家族その他の関係者からの障害を理由とする差別に関する相談に的確に応ずるとともに、障害を理由とする差別に関する紛争の防止または解決を図ることができるよう必要な体制の整備を図る(第14条)。
障害者に対する「合理的配慮」については、この法律では特段の定義は無いので、障害者権利条約第2条の定義によって定められる。
差別の禁止等
不当な差別的取扱い