障害(しょうがい)とは、物事の達成や進行の妨げとなること、または妨げとなる原因のことである。障礙(しょうげ、略字で障碍)は、仏教用語として煩悩障など心を覆い隠し悟りを妨げている要素を指して用いられたことから、邪魔するなどといった意味で使われ、明治時代にはしょうがいと読まれるようになった。その後、日本では妨げというような意味では、それらの表記は区別されず用いられた。
1940年代の当用漢字表や、障害の表記が採用されると、障碍の語はあまり用いられなくなった。身体機能の障害に対して、法令などで障害の語が当てられるようになった。近年、障害者の表記を巡って議論がある。
なんらかの障害によって発生するダメージやトラブル、問題が生じたという意味。また、支障をきたしている状態も指す。医学的には、生理的な機能障害のimpairmentと、その結果ものごとを遂行するための能力障害disabilityが日本語では区別されておらず、また精神障害では、変調を意味するdisorderに障害の語があてられる。社会福祉のモデルとしては、社会的な制約を取り払うためにdisabilityに焦点を当てた政策が考えられる。
表記・用法.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。障害
「障害」あるいは「障碍」は共に、同じ「さわり・妨げ」という意味がある。現在のような「身体の器官や能力が機能していないこと」という特定の意味ができたのは後年である。
「障碍」と「障害」を、いずれも「しょうがい」と発音するのは日本に特有である。中国語では前者は「チャンアイ」(zhang'ai)、後者は「チャンハイ」(zhanghai)と、また朝鮮語ではそれぞれ「チャンエ」(??; jang'ae)、「チャンヘ」(??; janghae)と、発音上も区別する。
「障がい」と表記されることもある。
なお、「碍」は「礙」の略字であるが、煩雑を避けるため、以下「碍」で統一する。 障碍あるいは障礙は、仏教用語から転じた邪魔すること、さわりといった意味で用いられ、平安末期以降、明治時代まで「しょうげ」と読まれた[1]。明治時代には、次第に漢音で「しょうがい」と読むことが増え、大正時代には「障害」の方が一般的となった[1]。 仏教用語で、障碍とは、煩悩障と所知障の2つであり、心を覆い隠し悟りを妨げている2つの要素を意味する。 障害は、江戸末期には使用された例がある[1]。その後、当用漢字表や、国語審議会による法令用語改正例によって障害を採用し、障碍の表記は廃れていった[1]。 日本では、1945年内閣告示の当用漢字表と、1956年の国語審議会報告「同音の漢字による書きかえ」によって「障碍」の表記が公的に否定され、「障害」に一本化された。 但し、1981年内閣告示の常用漢字表により旧当用漢字表における強制性が弱められたことに伴い、「障碍」が用いられる場合がある[注 1]。兵庫県宝塚市は2019年4月から公文書などでの表記を「障碍」に変更した[2]。 2010年の常用漢字表改定の際に「碍」の字を常用漢字に追加することが検討されたが見送りとなった。2021年、東京パラリンピック開催を前に文化庁で同じく追加を検討していたが見送りの方針となった[2]。 障碍物など、明治時代から多用された語である。
用語の歴史
当用漢字(常用漢字)
障碍の現在の用法
馬術の障害飛越競技(Show jumping) - コース内に「障害」を配置
東京都馬術連盟
競馬の障害競走(Steeplechase) - コース内に生垣・土塁・水濠などを配置
中央競馬では1969年まで「障碍」表記を公式に使用していた。
陸上競技の障害走(Hurdling) - コース内にハードルを配置
運動会などの障害物競走(Obstacle course)
特別支援教育分野において、障害のある子どもにとっての学習阻害要因は、障害そのものを含め、「ノイズ」と呼称する事がある。