陽はまた昇る_(2002年の映画)
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陽はまた昇る
Dawn of a New Day: The Man Behind VHS
監督
佐々部清
脚本西岡琢也
佐々部清
原作佐藤正明
『映像メディアの世紀』
製作厨子稔雄
小松茂明
出演者西田敏行
渡辺謙
緒形直人
真野響子
篠原涼子
國村隼
江守徹
倍賞美津子
石橋蓮司
夏八木勲
仲代達矢
音楽大島ミチル
撮影木村大作
編集大畑英亮
製作会社「陽はまた昇る」製作委員会
配給東映
公開 2002年6月15日
上映時間108分
製作国 日本
言語日本語
興行収入4.2億円[1]
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ポータル 映画
プロジェクト 映画

『陽はまた昇る』(ひはまたのぼる)は、2002年に公開された日本映画ビデオテープカセット規格「VHS」開発プロジェクトの実話を描いたルポルタージュ『映像メディアの世紀[注 1]』(佐藤正明著)を脚色した物語。佐々部清の監督デビュー作。第15回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(作品賞)を受賞した。

『映像メディアの世紀』は、高度経済成長終端期の日本で展開された家庭用ビデオテープレコーダー(VTR)の開発競争(ビデオ戦争)を描いたノンフィクション作品である。同書をもとにした本作では、日本ビクター(のちのJVCケンウッド)のほか、ソニー、松下電器産業(のちのパナソニック)などの社名、ロゴデザイン、実際の機種名がそのまま用いられている。ただし登場人物のうち、実在人物の名はほとんど変えている(松下電器相談役松下幸之助のみ実名のままとなっている)ほか、できごとの時期や時系列などに史実との相違がある。
ストーリー

1973年昭和48年)。日本ビクターは経営不振に陥っていた。ビデオカメラの技術者で、数年後の定年退職を待つ身だった本社開発部員の加賀谷は、長らく空席だった横浜工場ビデオ事業部の事業部長に任命される。現場一筋でマネジメント未経験だった加賀谷の任務は、不採算部門であるビデオ事業部のリストラを実行することだった。ビデオ事業部はテレビ放送業務などに用いられるU規格のテープおよび機器などを生産していたが、不良品続きで返品率が50パーセントを超える月もあり、同業他社の同規格品に押されて、業績が先細っていた。当初、人員整理にやって来たと決めつけられた加賀谷は工場内でまったく歓迎されなかった。加賀谷は不良品生産の原因を部署間や業者間のコミュニケーション不足とみて、従業員や取引業者の顔と名前を丹念に記憶し、しきりに声をかけることで人間関係を徐々に円滑化し、問題を改善に導く。

手応えを感じた加賀谷は、独断でビデオ事業部の一部署・ビデオ開発課を工場敷地内の空き倉庫に移転し、自身の元部下・江口たちを呼び寄せる。幹部の方針に反する人員増強だった。しかし彼らは加賀谷から何の計画も提示されず、顧客から送られた業務用ビデオカメラやVTRの故障修理に明け暮れ、開発とは名ばかりの日々を送ることになり、加賀谷の目的をいぶかしがる。加賀谷は業績赤字の解消をじっくり待ち、幹部の好印象を得てから、中断したままのビデオカメラの小型化の研究を再開させるつもりでいた。加賀谷は本社に出向き、「家庭用ビデオカメラ」を念頭に「カラーテレビ普及後の需要品として、VTRを家庭向けに生産・販売できれば、5000億円規模の成長産業になる」とビデオ事業部への予算増強を訴える。しかし彼の早すぎた構想は経営合理化を至上とする幹部たちにほとんど理解されなかった。そんな中、部品の仕入れ先だった町工場・門脇工業が火災で全焼。主力製品だったU規格が一時生産不能になってしまう。赤字解消計画が暗礁に乗り上げたため、加賀谷と事業部次長の大久保は打開策を練る。

加賀谷家では、ある日加賀谷が持ち帰った業務用U規格VTRを使って、妻・圭子がテレビ番組を録画して上映会を開き、近所の人たちに喜ばれていた。その様子を見て「家庭向けテレビ番組録画用VTR」の可能性を確信した加賀谷は、工場内に「システム開発課」を新設する。それもまた開発とは名ばかりの、店舗・事業所向けVTRの営業・販売を担当するセクションだった。営業担当に回された技術者たちは、他社製品を含めたVTRの出張修理を引き受けるうち、顧客から従来のVTRの不満を聞きつけるようになる。


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