阿久根台風
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阿久根台風
昭和20年台風第20号
発生期間
1945年10月4日?14日
寿命約10日
最低気圧969hPa
最大風速
(気象庁解析)?
最大風速
(米海軍解析)?
被害総額?
死傷者数死者377人
行方不明者74人
負傷者202人[1]
被害地域日本

阿久根台風(あくねたいふう、昭和20年台風第20号、国際名:ルイーズ/Louise)は、1945年10月10日に鹿児島県出水郡阿久根町(現在の鹿児島県阿久根市)付近に上陸して日本を縦断した台風

規模や勢力は大きなものではなかったが、9月に大被害をもたらした枕崎台風(昭和20年台風第16号)から1ヶ月もたたないうちにほぼ同じ経路を取って通過したこと、また、台風の接近前から前線活動により雨が降り続いていたことから、九州から中部地方にかけての各地に河川の氾濫や土砂災害・浸水被害をもたらした。目次

1 概要

2 被害状況

2.1 沖縄(米軍)の被害

2.2 鹿児島県の被害

2.3 広島県の被害

2.4 兵庫県の被害


3 関連する被害

4 阿久根台風を題材とした作品

5 脚注

6 外部リンク

概要 阿久根台風の進路図。米軍の合同台風警報センターのデータに基づくもので、日本の気象庁による経路図[1]とは相違がある。

10月4日、サイパン島の東海上で発生[1]。北西に進み、10月9日には沖縄本島の東で停滞した後、発達しながら北よりに進路を変えた[1]。10日14時、鹿児島県阿久根付近に上陸[1]。台風は九州を斜走し、周防灘から中国地方を通って日本海に出た[1]。その後、能登半島付近を通って津軽海峡の西海上で消滅した[1]

九州や中国地方では暴風が吹き[1]、鹿児島県枕崎では最大瞬間風速51.6m/sを記録した[1]。西日本各地では8日から9日にかけて大雨が降り[2]、九州から中部地方にかけての期間降水量は200?300mmになった[1]兵庫県では水害により特に大きな被害が出た[1][3]
被害状況

被害状況として、理科年表には以下の数字が挙げられている[1]

死者 - 377人

行方不明者 - 74人

負傷者 - 202人

住家損壊 - 6,181棟

浸水 - 174,146棟

阿久根台風の接近前から、前線の影響で雨が降り続いており[1][4]、また阿久根台風通過の直前(10月1日?7日)には台風19号が遠州灘沖から三宅島付近を通過している[4]

枕崎台風の被害から立ち直る前に襲来したさらなる台風は[3]、各地で河川の氾濫[3]、橋梁の流出[3]、土砂災害[3]、家屋の流失[1]や浸水被害[1]をもたらした。被害額は当時の金額で1億8700万円[5]

被害が大きくなった原因には、戦争による国土の荒廃も挙げられる[3]。戦時中に行われた山林の過剰な伐採は、山地の崩壊や河川の氾濫を招いた[6][7]。海岸部では防潮林松根油の採取などのため壊滅している場合もあった[8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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