防災
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による災害を防ぐために設置される[1] 防波堤。.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル 災害

防災(ぼうさい)とは、狭義には災害予防及び災害応急対策をまとめた概念である[2]。これに災害復旧(被災前の状態に戻す意味)を含める場合もある[2]。つまり「防災」には災害を未然に防ぐ被害抑止のみを指す場合もあれば、被害の拡大を防ぐ被害軽減や、被災からの復旧まで含める場合もある[3][4]。さらに地域防災計画などでは被災地に新たにより良い社会を創出する復興まで含める場合もある[2]

災害の概念は広いので、自然災害のみならず、人為的災害への対応も含めることがある。類義語として、防災が被害抑止のみを指す場合に区別される減災、防災よりやや広い概念である危機管理などがある。
防災と危機管理
防災上の危機管理の要素

防災上の危機管理の要素は時系列でみると準備、緊急対応、収束の3つの局面からなる[2]
準備
防災上の準備は、予測、備え、点検訓練の3つの要素からなる[2]。予測は自然災害や事件・事故などの危機の予測である[2]。予測された危機に対する人、物、金、情報、仕組みなどの用意が備えであり、災害時に支援する側に回ることができるかや二次災害が発生するかといった分岐点にもなる[2]。点検訓練は準備している備えに実効性があるか確認することである[2]
緊急対応
緊急対応は、発生した危機による被害をいかに少なくするかをいう[2]
収束
収束は平常時に戻るための段階であり、原因の究明、緊急対応の不備の点検、対策の検討実施などからなる[2]

災害は人口減少、財政悪化、感染症のまん延、企業の転出、犯罪の発生など複次的な多様な危機とも関連がある[2]
防災の種類とマネジメント災害管理・緊急事態管理のサイクルにおける4つのフェーズ

災害の防止策は大きく2つに分けられる[5]
被害抑止被害が生じないように講じる対策。土地利用の管理、河川の改修、建物の耐震化、災害の予報・警報など。

被害軽減被害が生じてもそれを少なくし、立ち直りがスムーズになるよう講じる対策。災害対応マニュアル[6] や防災計画[7] の作成、防災システムの開発、人材育成、災害の予報・警報など。

一方、災害発生後の対応も大きく2つに分けられる[5]
応急対応救助、消火、医療、避難所の運営など。

復旧復興住宅や生活の再建、心のケアなど。

これらに加えて、誘因たる外力を知ることも重要である。具体的には、自然災害のメカニズムやそれを抑止する技術の研究、災害の予測(ハザードアナリシス)、それらの知識の普及(防災教育)などである[8]

行政や企業などの組織が行う総合的な防災では、知識や技術、資金や利害関係の調整が求められるため、経営管理(マネジメント)的な視点が必要となる。そのため、この分野において防災はクライシスマネジメント(危機管理)・リスクマネジメントの一部として認識されている。

ディザスターマネジメント(災害管理)またはエマージェンシーマネジメント(緊急事態管理)においては、上記の行為は右図のように1つの循環の中に位置付けられる。この図では被害抑止や被害軽減はリスクマネジメント、応急対応や復旧・復興はクライシスマネジメントの範疇に定義しているが、より広く定義する場合もある[5]

また、災害のリスクについて理解を深め、その深刻さや受け入れ可能性(深刻さに応じた防災目標)、信頼できる警報のあり方、避難指示に従ってもらう方策、避難を引き出す方法などについて、実行しながら改善検討を重ねていくことをリスクコミュニケーションという[9]。これに対し、災害発生後の被災現場で災害時特有の心理状態にある被災者に配慮しながら情報提供を行う方法について実行しながら改善検討を重ねていくことをクライシスコミュニケーションという。
被害抑止・被害軽減災害における外力の大きさと発生頻度の関係(河田・2003年の図[5] を改変)「減災」も参照

防災の施策は大きく、構造物によって災害の誘因たる外力を防ぐハード(hard)面の対策と、知識や制度により災害の素因たる防災力を向上させるソフト(soft)面の対策に2分される。外力が小さいければ大部分をハード面の対策で防ぐことが可能だが、外力が大きくなるほどソフト面の対策が果たす役割が大きくかつ重要になってくる。なお、特徴としてハード対策は管理が専門的で行政が担うものが多いのに対し、ソフト対策は管理が非専門家にも開かれており住民やコミュニティが担うものが多い[10][11][12][13]

ハード面

水害や土砂災害[14]に対する治水構造物の設置、斜面改良

建築物土木構造物における、耐震化(制震免震を含む)、防火化、消防設備の設置

防災拠点防災倉庫、避難場所など)の整備や防災実働機関の設備整備

防災無線の整備、通信設備の耐災害化

災害医療設備の整備

ソフト面

建築物や土木構造物における法的規制(耐震基準設定、防火基準設定、避難設備基準設定など)

防災を考慮した都市計画の設定

地域主体での防災まちづくり活動

水害や土砂災害における危険箇所への法的規制(建築制限、危険箇所指定など)

水害・土砂災害・風害・雪害に対する保安林の設定

災害時の行政から住民への周知体制の整備(広報車、サイレンなど)

災害時の防災担当機関から報道機関への連絡体制、報道体制の整備

災害医療体制の整備

災害を想定した体制の整備、防災訓練避難訓練による避難経路の確認など)

行政によるハザードマップ作成、公表

学校教育地域行政企業での防災教育


江戸時代後期の日本で備後福山藩によって建造された砂防堰堤堂々川砂留群」/土砂災害の防止を主目的とする。

津波を防ぐための水門「びゅうお
静岡県沼津港にて2004年平成16年)竣工。

地下式防火水槽
2006年(平成18年)、日本。

日本の消防庁が制定した津波警戒標識2008年(平成20年)に国際標準化された。

地震対策を呼びかける看板
2011年カナダ

避難経路の標識/2006年、日本。

ハザードマップ
富士山火山防災マップ。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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