防御率
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この項目では、野球の投手の防御率について説明しています。サッカー・アイスホッケー等のゴールキーパーの防御率については「防御率 (ゴールキーパー)」をご覧ください。

防御率(ぼうぎょりつ、Earned Run Average / ERA)は、野球クリケットなどにおいて、投手が規定イニングで与えた自責点を平均した数値である。

自責点が少ないほど低い数値になるため、数値が低いほど成績が優れていることになる。
概要

以下の計算式で算出する。

防御率 = 自責点 × 9 ÷ 投球回

防御率は、投手の自責点を1試合相当(9イニング)で表す。投球回に分数(.mw-parser-output .frac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .frac .num,.mw-parser-output .frac .den{font-size:80%;line-height:0;vertical-align:super}.mw-parser-output .frac .den{vertical-align:sub}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}1⁄3、2⁄3)を含む場合は、整数部分だけでなく分数部分も含めて計算する。一般的に、上記の式で算出された数値の小数第3位を四捨五入し、第2位までの値を表示する(第2位までに割り切れる場合は、残りの桁は0で埋める)。防御率をランキングで表示するとき、小数第2位まで同じ値だが厳密には値が異なっているような投手が2人以上いる場合には、小数点以下第3位以降も異なる値になるまで表示する。

イニングの途中で走者を残したまま投手が交代した場合、その走者の得点は、交代前の投手に失点および自責点として記録される(例外あり。自責点も参照)。従って、救援投手は見掛けの防御率が実情を反映していない場合があり(例えば、防御率が0.00だとしても、交代前の投手が許した走者を得点させている場合がある)、防御率では評価しにくい。

チーム防御率も上式によって算出できる。その場合は、「自責点」と「投球回」をそれぞれ「チームの自責点」と「チームの投球回」に置き換える。ただし、チームの自責点の値は、そのチームの投手全員の自責点の合計値とは異なる場合がある(自責点も参照)。一方、チームの投球回は、投手全員の投球回の合計値をそのまま用いる。
備考

上記の定義式は定義を正確に表しただけのものであるが、除算を先に行うことになっている。このため、電卓が普及する以前は、計算を簡便にするために、投球回の分数部分を端数処理して整数に直してから計算していた時期がある。また、自責点を投球回で割った数値を四捨五入してから9を掛けるというような計算も公式に行われていた。従って過去の選手の記録では、現在の規定による計算とは異なった数値が公式記録とされていることがあり、注意が必要である。

日本プロ野球では、1983年から

防御率 = (自責点 × 9 × 3) ÷ (投球回 × 3)

という式で防御率を定義するようになった。自責点53、投球回1932⁄3の場合、防御率は2.46になる。

それ以前には、1963年までの端数切り上げの時代、1964年から1982年までの四捨五入の時代と、時期によって計算式が異なるので、通算成績を算出する場合には、最後の実働シーズンの規定によって計算することになっている。

計算方法の関係上、少ないアウトしか取ることができずに自責点が付いた投手は、防御率の数値が50以上、あるいはまれに100以上といった大きな数値になることもある。大野豊がプロ1年目のシーズン(1977年)に防御率135.00(投球回1⁄3、自責点5)を記録した例などがある。

また、アウトを1つも取ることができなかった投手は投球回が0(記録上は0⁄3)となるため、防御率を計算できない(ゼロ除算になってしまうため)。この場合は、数字の代わりに横線など何らかの記号(防御率を「無限大」と見なして「∞」とすることもある)で表記する。
日本プロ野球
最優秀防御率詳細は「最優秀防御率 (日本プロ野球)」を参照
個人通算記録

順位選手名防御率
1
藤本英雄1.90
2野口二郎1.96
3稲尾和久1.98
4若林忠志1.99
5V.スタルヒン2.088
6村山実2.092
7別所毅彦2.18
8荒巻淳2.230
9杉下茂2.232
10金田正一2.34

順位選手名防御率
11杉浦忠2.39
12皆川睦雄2.42
13渡辺省三2.44
14小山正明2.45
15中尾碩志2.48
16江夏豊2.49
17川崎徳次2.53
18秋山登2.60
19長谷川良平2.646
20藤村隆男2.652


2023年シーズン終了時。2000投球回以上[1]

個人シーズン記録

順位選手名所属球団防御率記録年
1
藤本英雄東京巨人軍0.731943年
2景浦將大阪タイガース0.791936年秋
3沢村栄治東京巨人軍0.811937年春
4野口二郎大洋軍0.881941年
5林安夫朝日軍0.8871943年
6森弘太郎阪急軍0.8891941年
7野口二郎翼軍0.9301940年
8景浦將大阪タイガース0.9311937年春
9須田博東京巨人軍0.971940年
10村山実阪神タイガース0.981970年
2023年シーズン終了時[2]

2リーグ制後
順位選手名所属球団防御率記録年備考
1村山実阪神タイガース0.981970年セ・リーグ記録
2稲尾和久西鉄ライオンズ1.061956年パ・リーグ記録
3村山実大阪タイガース1.191959年
4村山実阪神タイガース1.201962年
5山本由伸オリックス・バファローズ1.212023年
6田中将大東北楽天ゴールデンイーグルス1.2722011年
7田中将大東北楽天ゴールデンイーグルス1.2732013年
8金田正一国鉄スワローズ1.301958年左投手記録[3]
9別所毅彦読売ジャイアンツ1.331955年
10島原幸雄西鉄ライオンズ1.351956年
2023年シーズン終了時[2]

参考記録

1000投球回以上2000投球回未満順位選手名防御率投球回自責点
1
森弘太郎1.921805.1386
2ダルビッシュ有1.991268.1281
3大友工2.111591.2374
4大矢根博臣2.121296.2306
5堀内庄2.171017.2245
6藤田元司2.201701.0415
7西沢道夫2.231297.0321
8福士勇2.331100.2285
9G.バッキー2.341596.2416
10池永正明2.361477.1388

各年度リーグ平均記録

年度日本野球連盟備考
1936年秋[4]2.83
1937年春[5]2.83
1937年秋[5]3.36
1938年春[6]3.08
1938年秋[6]2.93
1939年[7]2.50
1940年[8]2.12無安打無得点試合が5度も記録された
1941年[9]1.86[10]無安打無得点試合が5度も記録された[11]
1942年[12]1.77
1943年[13]1.94無安打無得点試合が4度も記録された[14]
1944年[15]2.31
1946年[16]3.36
1947年[17]2.46


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