都市高速道路(一般府道)
阪神高速6号大和川線
地図
路線延長9.7 km
制定年1995年
開通年2013年 - 2020年
起点大阪府堺市堺区(三宝JCT)
主な
経由都市堺市北区
終点大阪府松原市(三宅JCT)
接続する
主な道路
(記法) 4号湾岸線
14号松原線
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路
阪神高速6号大和川線(はんしんこうそく6ごう やまとがわせん、英語: Route 6 Yamatogawa Line)は、大阪府堺市堺区の4号湾岸線から15号堺線と交差して、大阪府松原市の14号松原線に直結する阪神高速道路の路線である。大和川の南岸を東西に走る路線であり、大阪都市再生環状道路の一端も担う計画となっている[1]。当初は2016年(平成28年)度末の全線開通を目指していたが、常磐東出入口付近の開削トンネル工事での地下水対策が難航したため大幅延期され[2]、2020年(令和2年)3月29日に全線開通[3]。 大和川線が一部を担う大阪都市再生環状道路は、大阪都心部の環状道路(阪神高速1号環状線) の外側に新たに環状道路を整備し、都心部の通過交通の低減による交通渋滞緩和などが目的の道路である[4][5]。都心部にやむなく流入する通過交通は非常に多く、交通混雑による経済的損失は非常に大きい。また、交通混雑により旅行速度が低下するため、排出される二酸化炭素の量も増加し、沿道環境への影響が懸念されている。大和川線を含めた大阪都市再生環状道路の整備により、これらへの効果は非常に大きいといわれている[4]。大和川線の開通により都心部に流入することなく湾岸線へ向かう事ができるようになり、交通量の増大により老朽化が進行していた松原線の喜連瓜破付近の橋梁架け替え工事を2022年6月から3年の予定で着手。松原線の一部区間を通行止にする形で大和川線を利用した迂回路を形成している。詳細は「阪神高速14号松原線#喜連瓜破橋梁架替え工事」を参照 沿線地域への影響も大きい。三宝JCT付近に埋立により造成された堺浜は、物流関連企業の進出が増えている。関西三空港や阪神港へのアクセスがよく、さらに大和川線の開通により、松原JCT方面へのアクセスもよくなるためである[4]。また、堺浜には国により基幹的広域防災拠点が整備され、広域的な災害発生時には災害応急活動の中心となる重要な機能を持つ拠点となる。大和川線の整備により、松原JCT方面への移動時間が減り、奈良、和歌山、東海方面の災害時にも機能を発揮する[4]。 大和川線は全長9.7 kmのうち、三宝JCTへのランプウェイおよび三宅西出入口[6]・三宅JCT間が高架になっている以外は地下トンネルまたは掘割構造である[7][8]。これは、大和川沿川の景観保護、周辺の環境への影響、沿道の土地利用について勘案したためである[4]。開削した土地に箱型のトンネルを造り、元の地面まで埋め戻す開削工法で施工される区間と、地下からシールドマシンで掘り進めるシールド工法で施工される区間がある[9][10]。後者のシールド工法では、上下線2本のトンネルの間隔が1 mほどで、これがシールド区間約4.4 km[11]全線にわたって連続するため、日本初の「長距離で超近接の大断面併設シールドトンネル構造」となった[10]。 大和川の南岸という立地と、多くの区間で地下を通るという点から、トンネル完成後の上部に盛土をし、大和川の堤防を強化する高規格堤防の整備も一体的に行われている[4]。 なお、大和川第三トンネル(常磐出入口の前後区間)は西除川の下を通っており、また同トンネルと大和川第一・第二トンネルも大和川の近くを通ることから水底トンネルとされているが、事故があっても流量が微量で、離隔距離もあること、大和川第三トンネルの全長が4.9 km[12]であることなどから、危険物積載車両の通行禁止措置は執られていない[13][14]。
概要