関越自動車道高速バス居眠り運転事故
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関越自動車道高速バス居眠り運転事故航空写真。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。写真中央右の、関越道上り線(写真では下向き)が東西に延びる藤岡市道をオーバーパスしている高木橋の北端が事故現場。
日付2012年(平成24年)4月29日
時間4時40分頃(JST
場所群馬県藤岡市岡之郷
関越自動車道上り線)
座標.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯36度16分25.56秒 東経139度05分44.59秒 / 北緯36.2737667度 東経139.0957194度 / 36.2737667; 139.0957194座標: 北緯36度16分25.56秒 東経139度05分44.59秒 / 北緯36.2737667度 東経139.0957194度 / 36.2737667; 139.0957194
死者7人
負傷者39人
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関越自動車道高速バス居眠り運転事故(かんえつじどうしゃどうこうそくバスいねむりうんてんじこ)は、2012年平成24年)4月29日群馬県藤岡市岡之郷の関越自動車道上り線藤岡ジャンクション付近で都市間ツアーバス防音壁に衝突した交通事故乗客7人が死亡、乗客乗員39人が重軽傷を負った。

この事故を契機に高速ツアーバスは廃止され、新高速乗合バスに集約されることになった。
事故概要.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}防音壁に激突した様子を再現したモデル

事故に遭ったツアーバスは、大阪府豊中市旅行会社「株式会社ハーヴェストホールディングス」が主催する都市間ツアーバス[注釈 1]「ハーヴェストライナー」で、千葉県印西市貸切バス会社「有限会社陸援隊」[注釈 2] が運行していた。このツアーバスの金沢・富山 - 関東間の片道「旅行代金」は3,000円台で、同区間の高速路線バスの運賃の半分以下と格安であった[注釈 3]

当該便は2012年(平成24年)4月28日22時過ぎにJR金沢駅前を出発し、途中、富山県高岡市で乗客を乗せた。この時点でバスには新宿駅あるいは東京駅までの38人、東京ディズニーランドまでの7人、計45人の乗客と運転手1人のあわせて46人が乗っていた[4]。そして翌4月29日4時40分頃、群馬県藤岡市岡之郷の関越自動車道上り線藤岡ジャンクション付近で防音壁に衝突。バスは大破して、7人が死亡、2人が重体、12人が重傷、25人が軽傷を負うなど、乗員乗客46人全員が死傷する事故となった[4]

事故現場は片側3車線の南向きの緩やかな左カーブで、バスは道路左側のガードレールに接触し、そのままガードレールの延長線上にある高さ約3m、厚さ12cmの金属製の防音壁[5](この防音壁は関越道本線が藤岡市道をオーバーパスする「高木橋」上に設けられたもの。)端面に車体正面から衝突した。全長12メートルのバスに防音壁が、あたかも突き刺さったかのような形で約10.5メートルめりこんだ[6]。防音壁と直前区間にあるガードレールには10cm[注釈 4]の隙間があり、このことが被害を拡大させた可能性があると指摘された[7]。犠牲者の7人は全て進行方向に向かって左側の席に座っていた乗客で、うち6人は前から5列目までの乗客であり、軽傷者のほとんどは右側の乗客だった[8]。犠牲者の死因は大半が圧死でリクライニングシートを傾けて寝ていたと見られている[5]。現場にブレーキ痕やスリップ痕は見つかっておらず、運転手は群馬県警に「居眠りしていた」と説明した。バスの速度計は92km/hを示した状態で止まっており、90 ? 100 km/h程度で衝突したと推定される。

事故発生後、4時51分に高崎市等広域消防局が事故発生を覚知した。NEXCO東日本(東日本高速道路株式会社)の道路管制センターからの通報だった。これにより午前5時に、関越自動車道上りの高崎ICから本庄児玉ICの間と、北関東自動車-道西行きの前橋南ICから高崎JCTの間が通行止めとなった。現場に到着した高崎市等消防局の高度救助隊救急隊により救助活動・救急活動を実施し多野藤岡広域市町村圏振興整備組合消防本部の救助隊・救急隊も出場したほか前橋市消防本部渋川広域消防本部利根沼田広域消防本部伊勢崎市消防本部の救急部隊にも増強要請が入る。5時10分に災害派遣医療チーム「群馬DMAT」や災害拠点病院である前橋赤十字病院に第一報が入った。群馬県医務課と消防の間にホットラインがなかったことから死傷者が多数出ていることが確認されたのが5時40分、初動救護班が到達した7時15分にはトリアージが終わり、重傷者はすでに搬送された後であった[9]。この通行止めが解除されたのは正午頃である。
死者

日本の高速道路の単独車両による事故としての死者7人は、日本国内では前例がないほど多数であった[10]

居住地性別年齢
石川県金沢市女性29歳
石川県金沢市男性50歳
石川県白山市女性17歳
石川県鳳珠郡能登町女性44歳
富山県高岡市女性19歳
富山県高岡市女性23歳
富山県高岡市女性49歳

運転手

運転手の男性(事故当時43歳)は、1993年(平成5年)に来日した中国残留孤児の子弟で[11]、翌年に日本国籍を取得したが、日本語が不自由であり、簡単な会話しか理解できないため、逮捕後も通訳を必要としたほどだった[12]

大型二種免許は、2009年(平成21年)7月に取得[13]、バス運転手としての経歴は約2年であった[14]


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