開幕戦
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開幕戦(かいまくせん)はスポーツなどでのシーズンや大会の最初の試合のこと。英語ではOpening Game(オープニングゲーム)と言う。 
北米

MLBNFLNBANHLのいわゆる北米4大プロスポーツリーグでは、北アメリカに属するアメリカ合衆国カナダ以外の国で開幕戦の1カードが開催されるケースがある。1990年のNBA開幕戦であるフェニックス・サンズユタ・ジャズ東京体育館で開催されたのが最初であり、公式戦としても最初の北アメリカ以外の国での開催である。なお、開幕戦に出場登録された選手のことを開幕ロースターと呼ぶ。
野球ドジャー・スタジアムでの開幕戦(2009年)

開幕戦の試合を開幕試合といい、開幕試合は特別な意味を持つという意見と開幕試合も長いペナントレースの単なる1試合にすぎないという意見がある[1]。開幕試合の先発投手開幕投手と呼ばれ、各チームを代表する投手が投入される[1]
日本プロ野球

[2][3]セ・リーグパ・リーグ
?2001年前年の上位3チームが主催
2002年サッカーワールドカップ日韓大会による特例
2003年
?2010年2年前の上位3チームが主催
2011年東日本大震災による特例
2012年
?2019年2年前の上位3チームが主催
(2011年の開幕権が事実上消滅)3年前の上位3チームが主催
(2011年の開幕権が翌2012年にスライド)
2020年2019新型コロナウイルスによる特例
2021年
?2022年3年前の上位3チームが主催
(2020年の開幕権が翌2021年にスライド)4年前の上位3チームが主催
(2020年の開幕権が翌2021年にスライド)
2023年2年前の上位3チームが主催4年前の上位3チームが主催
2024年
?2年前の上位3チームが主催3年前の上位3チームが主催

変遷

日本野球機構(NPB)管轄下のプロ野球では、2001年以前は前年度の公式戦の成績を反映して上位3チームの本拠地球場で開幕戦を実施していた。しかし、阪神タイガースは開幕戦が選抜高等学校野球大会の開催期間中と重なる場合、本拠地である阪神甲子園球場が使用できないため、開幕権を返上して前年度Bクラスチームの本拠地でロードゲームとして開幕を迎えるなど、別の球場で試合を行っていた(参考・阪神タイガース#主催ゲームの開幕戦[4]

開幕戦の対戦カードの組み合わせは、1999年のシーズンまでは両リーグとも原則として前年度の最終的な順位の優勝対4位、2位対5位、3位対最下位の対戦であった。それ以降もパシフィック・リーグでは同様の組み合わせで行われているが、セントラル・リーグでは1999年9月にアグリーメント(試合協定)を改定し、組み合わせにこだわらず前年度(2003年以降は後述する2002年の特例適用の理由により、2年前)の順位により優勝、2位、3位の3球団が主催することとした。

2000年開幕戦の組み合わせは優勝4位2位5位3位最下位となっているが、前年度順位にこだわらずに組み合わせを決めた結果が偶然その組み合わせとなった。2010年では2008年優勝対同年5位、同年2位対同年最下位、同年3位対同年4位となっている。

過去、後楽園球場東京ドームで本拠地を併用していた読売ジャイアンツ1962年までの毎日オリオンズ → 毎日大映オリオンズ1963年までの国鉄スワローズ1964年から2003年までの東映フライヤーズ → 日拓ホームフライヤーズ → 日本ハムファイターズが前年度の順位でAクラスを獲得した場合、本来であれば主催ゲームの試合日程や開催球場を調整していたが、開幕戦に関しては同日または1日遅れの開幕である場合は変則ダブルヘッダーとして、どちらかが13時試合開始のデーゲームを行った後、一旦観客の入れ替えなどをして19時試合開始のナイターを行ったケースがあった。しかし、日本ハムが本拠地を札幌ドームに移転して以降[5]、このような開幕戦変則ダブルヘッダーとなるケースはなくなった。

また、1978年までパ・リーグについては、関東2球団(東映 → 日拓 → 日本ハム、毎日 → 大毎 → 東京 → ロッテ)、近畿3球団(阪急、南海、近鉄)、九州1球団(西鉄 → 太平洋 → クラウン)というリーグ構成だったためか、関東、近畿のそれぞれ前年上位1球団の本拠地及び西鉄 → 太平洋 → クラウンの本拠地だった平和台野球場で開幕戦で行っていた。ゆえに平和台時代のライオンズは前年Bクラスでも毎年本拠地で開幕戦を行うことができた。なお、近鉄については前年Aクラス入りしてもビジターで開幕するという状況であった。その後、1979年からはセ・リーグと同様に前年Aクラスの球団に開幕権が完全実施されるようになり、前年Aクラスの近鉄は球団創設以来初めて本拠地だった日本生命球場で開幕戦を行った。

2023年の開幕戦は、エスコンフィールドHOKKAIDOで行われる試合のみ、通常の3月31日ではなく、3月30日と1日早く開幕するようになった[6]

開幕戦を含めたカードは普通ほとんどの試合で満員に近い観客動員数を記録する。
例外

先述した阪神の開幕が高校野球の開催期間中と重なって主催権を返上したケース以外に、以下の例外がある。

1992年オリックス・ブルーウェーブは開幕主催権を保有し千葉ロッテマリーンズとの開幕戦を予定していたが、この年から千葉マリンスタジアムに本拠地を移転したロッテが新本拠地で開幕戦を行いたいという意向を示したため、オリックスからこの年の開幕権を譲り受け、千葉でのロッテ対オリックスの開幕戦となった。

2002年は、特例的に全国6大都市(札幌東京名古屋大阪広島福岡)で開幕戦を施行した。なお、札幌ドームは当時準本拠地化を予定していた西武ライオンズが主催した。2003年以降は、2年前(パ・リーグは2012年以後は後述の震災関連の理由により3年前)のリーグ戦の成績上位3球団が開幕主催権利を得る仕組みとなった。

2005年のパ・リーグでは、基準年の2003年3位だった大阪近鉄バファローズが開幕権を保有していたが、近鉄が前年限りで同年最下位のオリックスに吸収合併されたため、同年4位だったロッテが3位に繰り上げて開幕権を取得した。

2022年のパ・リーグは、前述にもある通り基準年の2018年3位だった北海道日本ハムファイターズが開幕権を保有していたが、同球団が2023年に開業予定の新球場(エスコンフィールドHOKKAIDO)で開幕戦を行いたい意向を示したため、2019年3位だった東北楽天ゴールデンイーグルスとの間で開幕権を交換した[7]

東日本大震災による特例については次節参照。
東日本大震災電力不足問題

東日本大震災の発生を受けて日本野球機構(NPB)は、セントラル・リーグは観客や選手の安全確保を最優先した上で予定通り3月25日に、パシフィック・リーグは予定を変更し4月12日に開幕すると発表したが[8]、可能な限り東京電力・東北電力管内以外の地域で開催し、管内での夜間の開催は厳に慎むよう文部科学省から要請[9] があったため、セ・リーグは見直し・検討した結果、3月29日開幕予定となる。ナイトゲームは4月5日から開始予定となった[10]

しかし、3月29日開幕について文部科学省から再考を求められ、予想以上の世論の反発があったため、4月12日の開幕となった[11][12]


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