閉塞_(鉄道)
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閉塞(へいそく、block system)とは、鉄道または軌道における衝突を防ぐための信号保安システムのことである。
概要

鉄の車輪を有する鉄道車両は、ゴムタイヤ自動車よりも、はるかに制動距離が長いので、前方に別の車両を発見してからブレーキ操作をしていては衝突を防ぐことができない。そのため、線路を一定区間(閉塞区間)に区切り、1つの閉塞区間には同時に2つ以上の列車が入らない(入れない)ようにすることで、安全を確保している。

閉塞とはシステム工学における排他制御の一種であり、鉄道における信号保安の最も基本的な部分である。

閉塞の考え方が導入される以前は、列車の出発前に駅同士で連絡をした後、ダイヤグラムに基づく運転時刻表に従って列車を運行させていたが、遅延が発生し所定通り運行できない時や確認に錯誤などがあった際に衝突・追突事故が頻発したため、それを防ぐための方法として閉塞が考案された。
日本の法令上の位置づけ.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

日本においては鉄道に関する技術上の基準を定める省令(平成13年国土交通省令第151号)に定める「列車間の安全確保」のうちの一つの方法である。「塞」が当用漢字常用漢字に入っていなかった字であるため、法令上は閉そくとなっているが、本項目では法令の引用を除いて「閉塞」と記述する。

鉄道に関する技術上の基準を定める省令第101条では、列車間の安全確保として

閉そくによる方法

列車間の間隔を確保する装置による方法

動力車を操縦する係員の注意力による方法

のいずれかの方法で運転しなければならないと定めている。このうち、閉そくによる方法を鉄道に関する技術上の基準を定める省令の解釈基準で具体的に例示したのが「閉塞方式」である。
軌道における特則

軌道法による軌道は、軌道運転規則(昭和29年運輸省令第22号)第3条により、新設軌道のみを運行する軌道については、鉄道に関する技術上の基準を定める省令が準用されるが、路面に敷設する併用軌道区間や、併用軌道新設軌道混在の路線と、道路以外の併用軌道である場合については、軌道運転規則により、最高速度や連結車両の長さなどの諸条件のもと、先行電車に追従して運転することが認められている。また、その場合の速度なども規定されている。単線区間については保安方式として通票式を施行し、事故のためこれを行うことができないときは指導法を施行しなければならない。ただし、次の場合については軌道運転規則第66条で保安方式の施行(閉塞)が不要とされている。
全線を通じて2か所以上の車両を運転しない軌道又は線区

全線を通じて最高速度毎時25km以下で平均速度毎時16km以下の運転をする軌道又は線区

閉塞のための装置

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出典検索?: "閉塞" 鉄道 ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2023年6月)

タブレット・通票・スタフウェブ・アンド・トムソン式電気通票器(交通博物館所蔵・鉄道記念物

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}非自動閉塞方式で用いられる、通行票の役割をするもの。1閉塞区間に1つ(1種)を定めてこれを持たない列車を閉塞区間内に入れないなどとすることで閉塞を実現する。[要出典]

日本の国鉄では単に「通票」と呼んでいた時代があったが、国鉄分割民営化による鉄道事業法施行以後はその省令により次のように定義されている。

タブレット(タブレット閉塞式の場合)

通票(票券閉塞式の場合)

スタフ(スタフ閉塞式の場合)

これらのもの材質や形状は法令で統一されておらず、製造メーカーや事業者により異なっている。受け渡しは利便と紛失や破損防止のため、皮革製の頑丈な「カバンキャリア」や、市販のナイロンバッグ(銚子電気鉄道)などに収めて行われる事業者が多いが、剥き出しのまま使用(名鉄モンキーパークモノレール線)される場合があるなど多様である。
タブレット

大分交通耶馬渓線でのタブレット交換(1970年8月

越生駅JR八高線ホーム上にあった通票受器(1995年

日本の多数で使用されたタイヤー式単線用閉塞器では、「タブレット」や「たま」と呼ばれる金属の円盤を用いる。タブレットの中央に空けられた穴の形状で区間を区別する。

通票受器やタブレットキャッチャーでの扱いが便利なよう大きな金属製のリングを取り付けていることが多い。金属製リングをも含めて「タブレット」と呼ばれる事もあるが、本来は金属部分のみが「タブレット」である。

穴の形状は丸(まる):第一種、四角(よんかく):第二種、三角(さんかく):第三種、楕円(だえん):第四種の四種類が基本であるが、国鉄北海道総局管内や一部の私鉄ではカマボコ形や六角形など、変わった形のものも見られた。また、大同信号が開発した大同D型閉塞器ではわん形(椀形)と呼ばれる円筒形であった。材質は砲金製がほとんどであるが、一部ではジュラルミン製も見られ、大同D型閉塞器ではアルミニウムであった。

日本では、JRの旅客営業路線では、2012年9月22日の只見線を最後に使用路線はなくなり[1]、後述の通り第三セクターではごく一部で使われているのみである。
通票

直径はタブレットとほとんど変わらないが厚みはずっと薄く、表面に通券函解錠用の突起がある(例外として、中央の穴をスライダーの中央の突起に合わせるタイプの通票など、欠きや突起のないものもある)。材質はタブレットが砲金製やジュラルミン製であるのに対して通票ではスチール製やステンレス製が一般的である。

日本の国鉄では通票の穴の形状、及び欠きの形状はタブレットと同様で、一種が丸、二種が四角、三種が三角、四種が楕円であるが、三種三角のみ倒立しているように見える。これはタブレット閉塞式のタブレットは欠きのある側が手前にくるように、票券閉塞式の通票は欠きのある側が奥になるようにスライダー(タブレットを閉塞器本体や通券函に収納するための枠)の突起が設けられているためである[要出典]。[独自研究?]また、旧国鉄では非自動区間の多かった北海道の一部路線で五種と六種と呼ばれる特殊な形状の通票が用いられたこともある(例:湧網線網走駅 - 常呂駅間の併合閉塞時に用いられた第六種など)。ちなみに、穴の形状は五種が花形(端が丸い十字形)で六種が一般的な十字形、欠けは五種が凹形、六種が∧が2つ並んだ形だった。

古くは棒状のスタフタイプの通票が用いられた。現在旅客線上で扱われているのは、津軽鉄道金木駅 - 津軽中里駅間と名鉄築港線大江駅 - 東名古屋港駅間(いずれの区間でもスタフ閉塞式のスタフとして使用)のみである。このタイプの通票では、棒の一端に種別を表す丸や三角の形状をした鉄板等が付けられ、反対側や中央に通券函の鍵が付けられている。


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